日本株は小幅続落へ、業績懸念で鉄鋼株が安い-決算控え様子見ムード

東京株式相場は、小幅続落する見通し。 業績悪化観測から新日本製鉄など鉄鋼株が安くなるほか、金融機関の追加損失 懸念から銀行株も軟調に推移しそう。米半導体大手インテルなど米国での決算 発表の本格化から、引き続き買い手控えムードの強い相場展開が予想される。

半面、商品市況高やアナリストの強気判断を受け、三菱商事や三井物産を はじとめとする大手商社株などの市況関連株は高くなる公算が大きい。また、 野村証券金融経済研究所では7-9月期の市場回復を見据えて半導体製造装置 セクターの投資判断を「中立」から「強気」へと引き上げており、それぞれ相 場全体の下値を支えそうだ。

ドイツ証券の下出衛チーフ・エクイティ・ストラテジストは、「米国株軟 調と鉄鋼大手の業績悪化観測など、内外とも相場へのプラス材料は探しにく い」と指摘。きょうは、日経平均株価が1万3000円を挟んでの動きになりそ うだと見ている。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物6月物の14日清算値は1万 2965円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万2970円)に比べて5円安。

鉄鋼株に業績懸念

15日付の日本経済新聞朝刊は、新日鉄とJFEホールディングスの09年 3月期連結経常利益はそろって2けた減益になる公算が大きいと報じた。鉄鉱 石や鉄鋼原料用石炭の大幅な価格上昇が響くため、新日鉄の経常利益は5000 億円弱、JFEHDも4500億円前後になりそうだという。

大和総研では、11日に高炉各社の業績予想を引き下げており、修正後では 新日鉄の09年3月期連結経常利益は5300億円、JFEHDは4700億円と予 想していた。2けた減益の公算が大きくなってきたことで、鉄鋼株には売り圧 力が高まる可能性がある。

また、大手米銀のワコビアが14日に発表した08年1-3月(第1四半 期)決算は、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題が響き、 予想外の赤字となった。同行は減配と、70億ドル(約7060億円)の増資の計 画を発表。金融機関の追加損失に対する懸念が根強く、14日のS&P500種の 業種別10指数で金融株は2.4%安と最大の値下がり業種となった。東京市場で も、三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株は安くなるとみられる。

米1-3月業績は「悲惨」とゴールドマン

米国では15日から1-3月期決算が本格化する。15日はインテルやジョ ンソン・エンド・ジョンソン、16日はIBMやイーベイ、JPモルガン・チェ ース、17日はグーグル、メリルリンチなどが予定されている。ゴールドマン・ サックス・グループは14日、1-3月期の米企業決算の滑り出しは「悲惨 な」状態と指摘し、企業の利益見通し下方修正などに伴い株価を年末まで押し 下げるだろうと指摘した。米個別企業の足元の業績動向を見極めたいとの見方 から、東京市場の売買エネルギーは低水準が続きそうだ。

米主要株価3指数の14日終値は、S&P500種株価指数が4.51ポイント (0.3%)安の1328.32、ダウ工業株30種平均は23.36ドル(0.2%)安の

12302.06ドル、ナスダック総合指数は14.42ポイント(0.6%)安の2275.82。

市況関連株は下支えも

半面、市況関連株は指数を下支えする可能性がある。14日のニューヨーク 原油先物相場は前週末比1.62ドル(1.5%)高の1バレル=111.76ドルと、終 値での過去最高値を更新した。7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が、 対ユーロでのドル安に歯止めをかけられなかったとの見方で買いが入った。

ドイツ証券では14日付で、三菱商事と三井物産をそれぞれ「ホールド」 から「買い」へ引き上げた。伊藤忠商事や丸紅についても「買い」を継続して いる。市況上昇による業績期待やアナリストの強気診断は、株価の押し上げ材 料となりそう。

東急不やSMKが下落公算

個別に材料が出ている銘柄では、保有不動産の減損損失を計上したことで 08年3月期最終利益が従来計画を下回ったもようの東急不動産、急激な円高進 行などで08年3月期連結経常利益予想が減額されたSMK、保有するCDO (債務担保証券)の下落から08年3月期連結経常利益が従来予想比77%減に なったもようの泉州銀行がそろって下落の公算。

半面、韓国で家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」を今月26日に発売す ると発表した任天堂、発行済株式総数の4.6%に相当する自社株買いを実施す る小野薬品工業などは上昇の見込み。

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