4月14日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:2営業日続落。大手米銀のワコビアが発表した2008年1-3 月(第1四半期)決算が予想外の赤字となったことに加え、ゴールドマ ン・サックス・グループが今後数週間、悪い決算に相場が押し下げられ るとの予想を示したことが嫌気された。

ワコビアは7年ぶりの安値に下落。同行は減配と、70億ドル(約 7060億円)の増資計画を発表した。銀行大手シティグループも売りに押 された。メリルリンチが個人向け金融と資本市場の拡大ペース鈍化でシ ティの業績が圧迫されるとの予想を示したことが嫌気された。一方、コ ンピューターサービス大手のIBMと石油大手エクソンモービルは上昇、 ダウ工業株30種平均の下落抑制に貢献した。

S&P500種株価指数終値は前週末比4.51ポイント(0.3%)下げ て1328.32。ダウ工業株30種平均は23.36ドル(0.2%)安の12302.06 ドル。ナスダック総合指数は14.42ポイント(0.6%)下げて2275.82。 ニューヨーク証券取引所(NYSE)では798銘柄が上昇、1056銘柄が 下落した。出来高は12億枚未満と、年初来で最も薄い商いだった。

キー・プライベート・バンク(クリーブランド)の投資戦略部門責 任者、ルース・マケイン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビ ューで、「問題は不動産市場だけではない」と述べ、「不動産市場が低 迷を続ける限りは、その余波ではなく問題そのものが続く」と指摘した。

S&P500種株価指数は過去5営業日のうち4営業日で下落した。 アルミ大手のアルコアや複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE) が発表した決算では利益がアナリスト予想を下回った。ゴールドマンの 米投資ストラテジスト、デービッド・コスティン氏らは14日付のリポー トで、1-3月期決算の「初期の兆候は悲惨なものだ」と指摘した。

ブルームバーグがまとめたアナリスト調査によると、S&P500種 構成銘柄の第1四半期利益は12.3%減、第2四半期は3.8%減が予想さ れている。

原油相場が終値ベースで過去最高値を更新したことや3月のガソリ ン価格上昇を示す統計などを受けて、エネルギー株が上昇。一時は市場 全体をプラスに導く場面もあった。

ワコビアは前週末比8.1%下げた。ワコビアの第1四半期損益は3 億9300万ドル(1株当たり20セント)の赤字。前年同期は23億ドル (同1.20ドル)の黒字だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたア ナリスト予想平均では1株当たり約40セントの黒字が見込まれていた。 2001年以来で初めての四半期赤字となったことに加え、20億ドルの資本 維持に向け減配を決定したことに、ケネディ・トンプソン最高経営責任 者(CEO)は「深い失望」を表明した。

シティグループ

シティグループも安い。ダウ平均構成銘柄中で下落率は2番目とな った。メリルリンチのアナリスト、ガイ・モスコウスキー氏はリポート で、個人向け金融と資本市場の拡大ペース鈍化見通しを理由にシティの 2008、09年の利益予想を下方修正した。同氏は08年1株利益予想を

0.14ドルと従来の0.24ドルから下方修正するとともに、09年も3.53ド ル(従来は4.04ドル)に引き下げた。

S&P500種業種別の金融株価指数は5営業日続落となり、3月17 日以来の低水準を付けた。構成銘柄の銀行23行すべてと、その他金融機 関30社中の28社の株価が下落した。

ニューズ・コープ

ルパート・マードック氏率いるメディア大手、ニューズ・コープは 前週末比4.6%安と、5年ぶりの大幅な下げとなった。サンフォード・ C・バーンスティーンならびにUBSのアナリストが、業績の伸びが鈍 化するとの懸念から、ニューズ・コープの株式投資判断を引き下げたこ とが売り材料となった。サンフォード・C・バーンスティーンのアナリ スト、マイケル・ネーサンソン氏はニューズ・コープの目標株価を従来 の24ドルから21ドルに下方修正した。

エクソンモービルは前週末比1.2%高と、ダウ構成銘柄中で上昇率 最大。エネルギー株の上昇を主導した。原油相場が終値ベースで前週付 けた過去最高値を更新し、バレル当たり111.76ドルで引けたことが好感 された。エネルギー株価指数は同1.8%上昇した。

○米国債:10年債相場が下落。原油相場が上昇したほか、今週発表される経済指 標でインフレ加速が明らかになるとの思惑から売りが優勢となった。

2年債に対する10年債の上乗せ利回りはほぼ2週間ぶりの幅に拡大した。 2年債はほぼ変わらず。米銀4位のワコビアはサブプライム(信用力の低い借り 手向け)住宅ローン関連資産の評価損が響き、四半期決算が赤字に転落。同行は 増資計画を明らかにした。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジスト、カール・ ランツ氏(ニューヨーク在勤)は、「今週発表のインフレ統計を控え、市場は長 期債に対して神経質になっている」と指摘した。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間4時12分現 在、10年債利回りは前週末比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント) 上昇し3.51%。10年債(表面利率3.5%、2018年2月償還)価格は10/32下 げて99 29/32。2年債利回りは1bp上昇して1.75%。

15日発表の3月の米生産者物価指数(PPI)統計では、食品とエネルギー を除いたコア指数が前年比で2005年以来最大の上昇を示すと予想されている。 14日の市場では3月の小売売上高が増加したことも、10年債利回りを押し上げ た。

終値ベース最高値

ソーンバーグ・インベストメント・マネジメント(ニューメキシコ州サンタ フェ、運用債券資産40億ドル)のマネジングディレクター、ジェイソン・ブレ イディ氏は、「米国債には大してファンダメンタルな価値を見いだせない」と述 べた。

ニューヨーク原油先物相場は終値ベースで過去最高値を更新。7カ国財務 相・中央銀行総裁会議(G7)が対ユーロでのドル安に歯止めをかけられなかっ たとの見方で買いが入った。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引され ている原油先物5月限の終値は前週末日比1.62ドル(1.47%)高の1バレル=

111.76ドルで終了。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では、15日発表の3 月PPIは前月比0.6%上昇と予想されている。コア指数の予想中央値は前年同 月比2.8%の上昇。2005年7月以来最大の上昇率となる。

短期債に比べてインフレ加速に敏感に反応する10年債の利回りが上昇し、 2年債に対する上乗せ幅を1.75%ポイントに拡大。今月1日以来の最大となっ た。

小売売上高

米商務省が14日に発表した3月の小売売上高(速報、季節調整済み)は前 月比0.2%増と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想(変わ らず)を上回った。ガソリン価格の上昇が影響した。2月は0.4%減と、速報値 の0.6%減から上方修正された。

シカゴ商品取引所(CBOT)の金利先物市場では、30日の連邦公開市場委 員会(FOMC)会合で0.5ポイントの利下げが実施される確率は42%とみら れている。1週間前の36%から上昇した。残りは0.25ポイントの利下げを予想 している。

バークレイズ・キャピタルの米国債トレーダー、アダム・ブラウン氏は、「利 下げしてもインフレが徐々に低下しない場合は常に、景気がいつ回復するのか気 がかりになるものだ。今回は起点のインフレ水準が比較的高い」と述べた。

ウォーシュ連邦準備制度理事会(FRB)理事はニューヨークで講演し、今 後もインフレを注意深く監視する意向を示した。事前テキストによると、「物価 安定に対するリスクも警戒しなくてはならない」と述べ、食品と燃料価格の上昇 が「コアインフレとインフレ期待に上昇圧力をかけている」と指摘した。

○NY外為:ドルが対ユーロで最安値圏にとどまった。11日の7カ国財務相・中 央銀行総裁会議(G7)声明がドル買い介入の思惑につながらなかったため、ド ルは軟調に推移し た。

米銀ワコビアの1-3月(第1四半期)決算を受け、信用危機の最悪期が 終わっていないとの懸念が強まり、ポンドやメキシコ・ペソに対し、ドルは主 要通貨の中で最も下げがきつかった。3月の英生産者物価指数統計で、出荷価 格が前年同月比で1991年以来の高い伸びとなったため、ポンドは大半の主要 通貨に対して上昇した。

スタンダード・チャータード銀行のシニア通貨ストラテジスト、マイク・ モラン氏は「G7の声明と実際の行動をめぐり信頼性の問題が生じている。市 場はG7をほとんど試そうとせず、無視している」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時10分現在、ドルはユーロに対して1ユーロ=

1.5816ドル。前週末は1.5808ドルだった。10日には1.5913ドルと最安 値を付けた。対円では1ドル=101円1銭(前週末は100円95銭)。ユー ロは対円で1ユーロ=159円77銭となった。前週末は159円55銭。

対ドルでフィリピン・ペソが0.4%下落。インドネシア・ルピーは0.1% 下げた。コメや小麦、牛乳、食用油が軒並み過去最高値を更新したことが売り を誘った。ドイチェ・アセット・マネジメントやフォルティス・インベストメ ンツはフィリピンやインドネシアの債券保有を縮小している。

「急激な変動」

11日のG7声明は為替相場の「急激な変動」が世界経済に打撃を与えるリ スクがあると指摘。2004年2月のボカラトンG7以来維持してきた「過度の 変動や無秩序な動きは望ましくない」との表現を変更した。

フランスのラガルド財務相は今回のG7声明と1985年のプラザ合意と比 較した。日・米・英・仏・西独は85年、円やドイツ・マルクに対するドルの 下落を図ることで合意した。

ラガルド財務相はブルームバーグテレビジョンとのインタビューに応じ、 G7声明について「非常に強い声明だ。市場が完全に理解し、認識しているか どうか確信がない」と述べた。

メルシュ総裁のインフレ発言

ECBの政策委員会メンバー、ルクセンブルク中央銀行のメルシュ総裁は 12日のワシントンでのインタビューで、ユーロ圏のインフレ率が2009年にE CBが上限とする2%を上回る可能性が高いと見込まれるなか、年内利下げの 余地はないとの見解を示した。

マン・グローバル・リサーチのシニア通貨アナリスト、マイケル・マルピ ード氏(シカゴ在勤)は「欧米間で金利差があるため、介入観測の裏付けは難 しい」と述べた。

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のアルムニア委員(経済・ 通貨担当)は14日、ブルームバーグラジオとのインタビューで、ユーロが主 要通貨に対し「過大評価されている」と述べた。ドイツのメルケル首相はダブ リンでの講演で、ユーロ高・ドル安について「少し頭痛の種ではあるが、将来 の保険でもある」と述べた。

ポンド高

ポンドは対ユーロで0.4%高の1ユーロ=79.99ペンス。対ドルでは

0.3%上昇し、1ポンド=1.9751ドルとなった。英政府統計局(ONS)が 14日発表した3月の生産者物価指数統計では、出荷価格が前年同月比6.2% 上昇。2月の同5.9%上昇から加速した。

ワコビアの1-3月(第1四半期)決算では損益が3億9300万ドル(1 株当たり20セント)の赤字。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅 ローン問題が響き、70億ドル(約7060億円)の増資の計画も発表した。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツの国際通貨戦略の責任者、ア ラン・ラスキン氏は「G7は急速に蚊帳の外に追いやられている。金融市場の 混乱は経済全体に波及している。決算発表が控えていることを考えると、ドル を買うのは難しい」と指摘した。

○英国債:相場は下落。インフレ加速の兆候を受けて、イングランド銀行が追加 利下げに踏み切るとの観測が後退したのに加え、3月の米小売売上高が予想に反 して増加したことが国債相場への重しとな った。

2年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上 げ3.94%。同国債(償還2010年6月、表面利率4.75%)価格は0.05ポイン ト

低下し101.65。10年債利回りは1bp上昇し4.44%となった。

英政府統計局(ONS)が14日発表した3月の英生産者物価指数統計では、 出荷価格が前年同月比6.2%上昇と、2月の5.9%上昇から伸びが加速した。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト31人の中央値では、3月は前 年同月比5.6%上昇と見込まれていた。

ブルームバーグが36人のエコノミストを対象にした調査では、15日発表 される3月の英消費者物価指数は前年同月比2.6%上昇と、11カ月ぶりの高い 伸びが見込まれている。

米商務省が14日発表した3月の小売売上高は前月比0.2%増となった。前 月は同0.4%減だった。

○欧州債:相場はほぼ変わらず。独2年債利回りは3週間ぶりの低水準にとどま った。欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ルクセンブルク中央銀行 のメルシュ総裁が年内利下げの余地はないとの見解を示したことから、一時は軟 調に推移していた。

メルシュ総裁は12日ワシントンで、インフレ率が2009年にECBが上限 と

する2%を上回る可能性が高いと見込まれ、ユーロ圏の利下げを抑制していると 語った。米4位の銀行、ワコビアが発表した2008年1-3月(第1四半期)決 算は、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題が響き、予想外の 赤字となった。これを受けて株式相場が下落し、国債相場は下げ幅を消した。

ウニクレディト・マーケッツ・アンド・インベストメント・バンキング(ミ ュンヘン)の債券ストラテジスト、コーネリアス・パープス氏は「国債市場は多 くの悪い話題を消化してきており、上昇の余地は限定的となっている」と指摘。 メルシュ総裁の見解について「とりわけECBが利下げに二の足を踏んでいるユ ーロ圏ではなおさら事実だ」と語った。

ロンドン時間午後5時6分までに、2年債利回りは前週末比1ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上げ3.42%となった。一時は3.38%と、先月 25日以来の低水準まで下げた。同国債(2010年3月償還、表面利回り3%)価 格は0.02ポイント下げ99.24。10年債利回りは3.90%。下げ幅は1bp未満 だった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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