日本株(終了)GEショックで急反落、業績警戒強まる-売買高最低に

週明けの東京株式相場は急反落し、日経 平均株価は終値で2営業日ぶりに1万3000円を割り込んだ。米複合大手ゼネ ラル・エレクトリック(GE)の業績悪化で企業業績に対する警戒感が一気に 高まり、輸出関連や金融株を中心に東証1部業種別33指数のうち、32業種が 下げた。トヨタ自動車が52週安値を更新、一部報道をきっかけに業績悪化観 測の広がったキヤノンは大幅安。銀行や不動産なども安い。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「GE決算による米国 株安は、年初からの上値抵抗線に接近していたタイミングも下げ拡大の要因だ った」と指摘している。今週からの米決算の本格化でマクロからミクロへと関 心が移る中、米国株も「当面は一進一退の相場が続くだろう」(同氏)といい、 日本株への悪影響が警戒された。

11日の米ダウ工業株30種平均は前日比2%安の1万2325ドルと反落。 2月以降の上値抵抗水準である1万2700-1万2800ドルに4月以降接近し、 上値の重さが顕著となっていた。

日経平均株価の終値は前週末比406円22銭(3.1%)安の1万2917円51 銭、TOPIXは32.38ポイント(2.5%)安の1246.24。東証1部の売買高 は概算で15億777万株と、終日立会では3月26日を下回って今年最低。売買 代金は1兆8683億円で、今年3番目の低水準だ。値上がり銘柄数は225、値 下がり銘柄数は1455。

東証業種別33指数は、鉱業を除いてすべて安い。TOPIXへの下落寄 与度が大きいのは電気機器、銀行、輸送用機器、情報・通信、医薬品、化学、 不動産、保険など。

米経済の縮図

企業業績に対する不透明感が内外で意識され、買い手控えムードの強い相 場となった。米国では今週から本格化する決算の前哨戦で、GEの1-3月期 は予想外の前年同期比12%の減益となった。同社は業績見通しを達成できる と先月に強気コメントを出していただけに、株価下落の反応度は大きくなった。 ネガティブ・サプライズとなったのは商業向け金融部門とヘルスケア部門で、 「金融市場の悪影響をGEが過小評価していた結果」(大和総研の成瀬順也シ ニアストラテジスト)との見方が出ている。

今週は米国で15日にインテル、16日にIBMやイーベイ、JPモルガ ン・チェース、17日にはグーグルやメリルリンチなどの決算が予定される。 みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「GEは幅広い分野で事業を行う 米国経済の縮図で、景気全体の影響をストレートに受ける」と指摘。米景気は 悪化スピードに加速がついているとした上で、「5月からの減税の効果が一過 性と市場が見ているために米国株の下げが大きくなった」(同氏)と述べた。

国内でもKDDIをはじめ、終わったばかりの08年3月期業績予想を下 方修正する企業が相次いでいる。大和投信の長野氏は、「1-3月期は金融市 場の混乱が経済活動を一時的に停滞させたことで、前期業績は予想外に悪化し ている」と強調。前期業績の予想以上の苦戦は、「09年3月期業績の水準を 押し下げる可能性がある」(同氏)という。内外の決算内容を見極めたいとの ムードが、売買エネルギーの低下につながっている。

モルガン・スタンレー証券の神山直樹ストラテジストは、「輸出の厳しさ と国内消費の低迷から、東証1部の08年度経常利益はマイナス3.8%減益と なりそうだ」と分析。08年度相場は7-9月期には米利下げや減税効果から 株式に対する信頼感が回復するだろうとしながらも、「米国経済の悪化から円 高になりやすい4-6月期は非常に厳しい時期になる」と予測していた。

G7は買い材料とならず

一方、前週末の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では金融安定化 に向けて世界の大手金融機関の共同監視機能を強化するための対策実施へ向け、 協調姿勢を明確にした。ただ市場では、「民間銀行への公的資金注入など具体 策の提示には至らず、東京株式市場にとって本格的な反転のきっかけとなり得 る内容にはならなかった」(クレディ・スイス証券の市川眞一ストラテジス ト)との受け止め方が多い。

追加損失による信用収縮懸念は市場に根強くくすぶっているようで、銀行 や保険、その他金融など金融株や不動産株などが下落。みずほ総合研究所の吉 田健一郎シニアエコノミストは、ヘッジファンドの収益悪化と保有資産が劣化 している足元の状況に言及。「5月決算期に向け、いくつか報道が出てきてい る解約、清算が続くかどうか、注視される」と話していた。

KDDIなど業績悪化銘柄が急落

個別では、08年3月期業績が従来予想を下回ったもようと発表したKD DIが急落。同じく前期業績予想を下方修正したシナネンや住友ベークライト も大きく下げた。09年2月期の既存店売上高の前提や利益水準が期待より低 いとされたスギ薬局は一時値幅制限いっぱいのストップ安まで売られた。

このほか、08年1-3月期の連結純利益(米国会計基準)が前年同期比 16%程度減少したもようと、12日付の日本経済新聞朝刊が伝えたキヤノン、 野村証券金融経済研究所が投資判断を引き下げた松下電器産業やシャープなど 時価総額上位の電機株も下げが目立つ。08年3月期業績が従来予想を下回っ たもようと午後に発表した日本ケミコンも急落。

チヨダが急騰、高島屋は続伸

半面、09年2月期の連結営業利益は前期比25%増を見込むチヨダが急騰 して東証1部値上がり率2位となった。09年2月期連結純利益を前期比26% 増と見込む高島屋が続伸し、09年2月期の増益を見込むコーナン商事も大幅 高。手術キット伸長で09年3月期も業容拡大が続くとされたホギメディカル、 三菱UFJ証券が格上げしたイズミも急伸。経営3カ年計画を発表した松屋は、 午後に先週末比プラス転換した。

新興3市場は反落

国内新興3市場は反落。ジャスダック指数の終値は前週末比0.13ポイン ト(0.2%)安の64.77と3日ぶりに下げ、東証マザーズ指数は5.51ポイント (0.9%)安の588.63、大証ヘラクレス指数は7.99ポイント(0.8%)安の

971.72とそれぞれ反落した。

個別では、09年2月期純利益は64%減益を見込むアセット・マネジャー ズ・ホールディングスが値幅制限いっぱいのストップ安比例配分。08年3月 期の増益予想が一転して減益となったサマンサタバサジャパンリミテッドが反 落し、08年9月期業績予想を引き下げたMICメディカルは急落した。半面、 08年8月期業績予想を増額したエヌ・ピー・シーが大幅高となり、自社株買 いの実施を決議したトライアイズはストップ高。2月中間期業績が従来予想を 上回り、増配も実施すると昼に発表した鉄人化計画はストップ高まで買われた。

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