債券は堅調か、業績や景気懸念で米株安・債券高―あす30年債入札(2)

債券相場は堅調(利回りは低下)な展開が 予想される。前週末の米国市場で、業績懸念や弱い指標を受けて株安・債券高 となり、こうした地合いを受けて円債市場も買いが先行しそう。前週末に株高 や7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に向けた調整の売りで急落した反 動の買いも入りそうだ。ただ、あすに30年債入札が行われるため、上値も限定 的とみられる。

みずほインベスターズ証券の井上明彦マーケットアナリストは、「株安・米 債反発を受けて、先週末の急落の後の戻りを試す」と予想。もっとも、「入札の 不調が続く中、30年国債の入札は、海外投資家の比重が大きい年限だけに、特 に警戒感が強い」と指摘。投資家の様子見姿勢が強まるとの見方も示している。

東京先物市場の中心限月6月物は、前週末の通常取引終値139円31銭を上 回って始まった後、日中は139円30銭から80銭程度のレンジで推移しそう。 11日のロンドン市場で6月物は、東京終値から31銭高い139円62銭で引けた。 清算値は139円61銭。

前週末11日の債券相場は大幅安。日経平均株価が300円超の大幅高となっ たことを受けて売りが優勢となった。株式先物買い・債券先物売りの取引が増 えて、先物6月物は139円13銭と約1カ月ぶりの安値まで下落。新発10年債 利回りは一時1.38%に上昇した。

日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、「先週末は 相場が軟調だったが、それは押し目買い意欲を刺激する」とみている。

ワシントンで開催されたG7は11日夕(米東部時間)、世界的な金融市場 の混乱や原油高などを背景に「短期的な世界経済見通しは悪化した」との認識 を示すとともに、前回2月会合以降の為替相場の急激な変動が経済の先行きや 金融市場の安定化に与える影響に強い懸念を示した声明を発表して閉幕した。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、G7声明について、短 期的な世界経済見通しは悪化したと指摘。ただ、「金融安定化に向けた公的関与 は肩透かしに終わった」との見方も示した。

15日には30年利付国債の入札が予定されている。発行予定額は1月の前回 入札と同額の6000億円程度。発行予定日は4月18日、償還予定日は2038年3 月20日。

新発10年債利回りは1.3%台前半から半ばか

現物債市場で新発10年物の291回債利回りは、前週末の終値1.37%を下回 って始まり、日中ベースでは1.3%台前半から半ばでの取引が見込まれる。

三菱UFJ証券チーフ債券ストラテジストの石井純氏は、「長期金利は、先 週末の米株安、米債高を受けて1.3%台前半に低下する」と予想している。

日本相互証券によると、11日の業者間取引で新発10年物の291回債利回り は、前日比2.5ベーシスポイント(bp)高い1.365%で取引開始後、1.36%-1.38% で推移。結局は1.37%で取引を終えた。

一方、10年物国債の291回債利回りは、東京時間の前週末午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各 社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると1.375% だった。

米国市場は株安・債券高

前週末11日の米国債相場は反発。米複合大手ゼネラル・エレクトリック(G E)の四半期決算が2003年以来初の減益となったことに加え、ロイター・ミシ ガン大学消費者マインド指数が約26年ぶりの低水準となったことから買いが優 勢だった。米株価指数の下落も米国債の買い手がかりとなった。

キャンター・フィッツジェラルドによると、2年債利回りは前日比11bp低 下し1.73%。10年債利回りは前日比7bp低下の3.47%。また、30年債利回り は5bp低下した。

一方、米株式相場はGE決算や指標悪化で反落。S&P500種株価指数は

27.72ポイント(2%)下げて1332.83。ダウ工業株30種平均は256.56ドル(2%) 安の12325.42ドル。

(前週末の債券価格)                    前日比      利回り
長期国債先物6月物         139.31       -0.77         1.485%
売買高(億円)             55969
10年物291回債             99.39                 1.37%(+0.03)
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