政府・与党:道路一般財源化の方針決定-週明けにも野党と協議(4)

政府・与党は11日午後、首相官邸で関係閣 僚と自民、公明両党の幹部による会議を開催し、2009年度からの一般財源化を 柱とする道路特定財源の見直し案を正式決定した。町村信孝官房長官が同日 午後の記者会見で合意文書を明らかにした。自民党は週明けにも、与野党協 議を開始したい考えだが、08年度からの一般財源化と暫定税率の廃止を求め る野党側との隔たりは大きく、難航しそうだ。

一般財源化などの見直し案は福田康夫首相が3月27日の緊急記者会見で 表明。 民主党が首相方針の閣議決定などを求めているため、関係閣僚と与党 幹部による「政府・与党合意」の手続きを踏むことで、民主党の与野党協議への 呼び込みを図るのが首相の狙いだ。

ただ、合意文書は道路特定財源制度と暫定税率の維持を盛り込んだ2008 年度歳入法案を「1日も早く成立させる」ことを前提に与野党協議を進めることを 明記。 暫定税率の09年度以降の扱いについても、町村氏が会見で、「少なくと も維持をする、税率水準は維持をしていこうということだ」と明言している。

これに対し、民主党の鳩山由紀夫幹事長は11日午後、党本部での定例記 者会見で、「道路特定財源を一般財源化すれば、本来、道路の暫定税率がいら なくなる」と指摘。その上で、「政府・与党が『租税特別措置法改正案を修正しな いで成立させてくれ』という話である限り、与野党で合意に達するわけがない」と 述べ、このままでは与党との妥協点を見出すのは困難との見方を示した。

鳩山氏は、「一般財源化に関して、自民党には党議決定、政府には閣議決 定を早く行ってもらいたい」と語り、政府と自民党が道路一般財源化を正式に意 思決定すべきだとの立場を強調。ただ「それをしないからといって、与野党協議 をしないとは言っていない」とも語り、党議決定、閣議決定が与野党協議を開始 するにあたっての絶対条件ではないとの姿勢も示した。

その上で鳩山氏は、協議の形式について、「自民、民主の2党ということでは なくて、全会派の政策関係者が参加する議論を働き掛ける」と語った。

政府・与党「必要な道路は着実に整備」

合意文書は、道路特定財源を09年度から一般財源化する方針を示してい るものの、3月27日の記者会見で首相が記者団に配布した文書にはなかった 「必要と判断される道路は着実に整備する」との表現が盛り込まれ、自民党内の いわゆる道路族議員に配慮したものとの見方も出ている。

これに対し、首相は11日夕、首相官邸で記者団に対し、「会見で配布したの が要点だけだった。記者会見でも言っている。必要なものは必要だ」と強調。 「必要と判断される道路」の基準をどう作るかについては「道路計画については 与野党で協議して決めればいい」と語った。

合意文書では、「与野党協議会を設置し、一般財源としての使途のあり方、 道路整備計画などを協議・決定する」との方針を明記。さらに、①道路の中期計 画は5年とし、最新の需要推計などを基礎に、新たな整備計画を策定する②新 たな整備計画は、08年度道路予算の執行にも厳格に反映する③08年度予算 における一般財源としての活用は、各党から現実的な提案があれば協議に応じ る-などの点も明示した。

自民・園田氏:暫定税率は「一歩も譲らない」

政府提出の租税特別措置法改正案は229日に衆院を通過したものの、 衆 参で与野党の勢力が異なる「ねじれ国会」の状況下、参院で過半数を占める 野 党の協力が得られず、揮発油税(ガソリン税)など道路関連の暫定税率は07 年 度末(3月31日)に失効した。

この状況が続けば「年間2兆6000億円の財源が減る」(福田首相)ため、政 府、与党は、野党との協議が進まない場合、4月末にも衆院の3分の2以上の賛 成による再可決で暫定税率の復活を図る公算が大きい。

自民党の園田博之政調会長代理は11日午前、党本部でブルームバーグテ レビのインタビューに応じ、暫定税率の復活と09年度以降の税率水準の維持 について 「一歩も譲る気にならない。欧州の税率を見ると日本はむしろ低いくら いだ」と言明。

さらに、園田氏は「30日は自動車重量税の暫定税率の期限が来る。5月まで 伸ばすとまた混乱が起きる。30日に採決されることが必要だ」と述べ、暫定税率 の維持に野党側の理解が得られなかった場合、衆院での再議決に踏み切るべ きだとの考えを明らかにした。

首相問責決議案の提出も-民主

租特法改正案は、憲法の規定に基づき、衆院を通過した2月29日から60 日が経過する4月29日にも衆院で3分の2以上の賛成多数で再可決、成立さ せることができる。しかし野党側には、与党が衆院再可決に踏み切った場合、参 院で首相問責決議案を可決し対抗する可能性がある。

民主党の鳩山由紀夫幹事長は3月27日、ブルームバーグテレビジョンのイ ンタビューで、「今すぐに首相問責決議案を出そうと考えているわけではない」と しながらも、「与党が強行に『議論終結だ』となった時、われわれは抵抗を示さな ければならない。その一つの手段として首相問責決議案を参院に提出し、ほか の野党と共闘すれば勝ち取ることができる」と語り、政府、与党を強くけん制した。

--共同取材:広川高史 Editor: Hitoshi Sugimoto, Masashi Hinoki

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