明治安田生命:国内債2500億円純増、RMBS中心に-08年度運用(3)

明治安田生命は2008年度に、住宅ローン担 保証券(RMBS)を中心に国内債券を2500億円積み増す。ALM(資産・負 債の総合管理)の観点から安全性の高い円資産を増やすが、低金利下での利ざや 確保も狙う。昨年11月に発行が始まった40年債への投資機会も探る方針だ。高 松泰治副社長が同日午後、資産運用計画に関する記者会見で明らかにした。

生命保険会社の資産運用はALMに基づく。契約者に対して持つ「長期・固 定」の負債に見合った資産を積み増す必要がある。償還までの期間が長く、価格 変動リスクが低い円建ての国内債の割合を増やすことで、デュレーション(資産 の平均年限)を長期化し、安定した収益を得るのが基本戦略だ。

ただ、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に端を発し た世界的な景気減速や信用不安を背景に低金利が続く中では、最も安全性が高い 国債だけでなく、安全性と比較的高い利回りを両立できる資産を積み増す必要に も迫られている。

同社は今年度、国内債の残高を2500億円増やす。一般勘定全体(08年3月 末で約24兆5000億円)の増加見通し800億円程度を大幅に上回る額だ。「AL Mを推進していく上で、一番核となる投資対象」と位置づけており、07年度の 2100億円増(残高9兆4000億円)に続き、資産全体に占める割合を高める。

RMBS、長期化

今年度は、住宅ローン担保証券(RMBS)が国内債純増分の5割強を占め る。07年度とほぼ同額の1300億円を積み増す計画。実現すれば、同社のRMB S残高は3900億円前後に達し、一般勘定全体の1.5%を上回る可能性がある。 低金利が長引くと見込むため、信用リスクをとってスプレッド(国債利回りへの 上乗せ分)を追求。投資対象は「シングルA」以上の格付けを持つ商品とする。

同社は、サブプライム住宅ローンに関連した証券化商品の値下がりに歯止め がかからない米国とは異なり、日本のRMBSは安全性が高いと判断。高松副社 長は、サブプライム問題が運用成績に及ぼす影響は、間接的なものも含めて「ほ ぼゼロだ」と言明。「リスクを嫌う運用」に徹してきたためと説明した。

金利が低位安定する中で一時的に上昇する場面があれば、積極的に動く。保 有する国内債を売却し、償還までの期間が長い超長期国債などを新たに購入。利 回りを向上させるとともに、デュレーション(資産の平均年限)を延ばす。07 年度は約0.4年、長期化した。財務省が昨年11月に発行を始めた40年債への投 資も、利回り水準をにらみながら前向きに取り組む方針だ。

一般勘定の69%を占める安全資産(残高16兆1600億円)のもう1つの柱 である国内貸付は、1000億円減らす。07年度も1200億円の純減(残高5兆 1000億円)だった。金利が低下傾向にあり水準自体も低いため、「量を追わず、 質を追う」姿勢で、高めの貸出金利を確保していく。

株式は国内圧縮、新興国重視

高収益を狙う「価格変動資産」は、簿価ベースで一般勘定の24%。このう ち国内株式は、時価評価会計の全面導入も視野に価格変動リスクを抑えるため、 残高の圧縮を続ける。07年度は400億円減らし、残高を3兆9700億円とした。

一方、外国株式は「微増」の予定。収益力の向上を狙い、新興国へ500億円 程度、振り向ける。これまで海外の個別銘柄は手がけていなかったが、約半分を 主要企業中心とする個別銘柄に投資し、残る半分を投資信託など外部委託する。 ヘッジファンドなどオルタナティブ投資は、残高を増やさず、運用成績次第でフ ァンドを入れ替える方針だ。

為替リスクをとって国内債より高い利回りを狙う外国債券投資は、1兆 3800億円の残高を維持する。償還分は再投資に回す。ドル建て債に7割、ユー ロ建て債に2割を配分。残りの1割は豪ドル債とポンド債に分散する。為替差損 回避(ヘッジ)はしない予定だが、相場環境によってはヘッジを付ける可能性が あるという。実際、今年1月には日米短期金利差の縮小をにらみ、ドル建て債の ヘッジを再開した。

円高局面では、銘柄の入れ替えを積極化する。為替面での取得価格を下げる ことで「円高抵抗力のあるポートフォリオ」を構築するためだ。07年度は横ば いの計画だったが、円高が進んだため、国内債に配分する資金を外債の購入に回 し、残高を1700億円増やした。

不動産は「微減」の計画。バブル期に高値で購入した物件などの損失処理は すでに完了。今後は低採算物件の売却や保有物件の修理・補修などを通じ、収益 力の向上を図る。07年度は300億円減って、1兆600億円となった。

日銀、次は利上げ-09年初か

08年度の経済見通しでは、米国経済に年後半以降に回復の兆しが表れ、国 内景気も持ち直しに向かうと予想した。米連邦準備制度理事会(FRB)は年央 に1.5%まで利下げした後、利上げに転換。日銀は利下げせず、米利上げ後の09 年1-3月期に政策金利を引き上げると見込む。

円・ドル相場は1ドル=100円程度で推移した後、年度後半には110円前後 まで円安・ドル高が進むとみる。円は対ユーロでは、07年度にやや売られ過ぎ たため、1ユーロ=150円を突破する水準まで円高・ユーロ安に振れる可能性が あると予想した。

明治安田生命の2008年度末の予想水準(カッコ内は年度中の予想レンジ)
日本の政策金利 :0.75%
10年債利回り   :1.75%  (1.15-1.85%)
日経平均株価   :15250円  (11000-16000円)
FFレート     :2.25%
米10年債利回り:4.4%  (3.2-4.6%)
NYダウ       :13900ドル  (11200-15000ドル)
円/ドル       :110円  (92-112円)
円/ユーロ     :149円  (145-165円)

--共同取材:池田祐美、伊藤小巻 Editor:Hidenori Yamanaka,Yoshito Okubo

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