日本株(終了)3日続落、資源高騰でコスト増を警戒-設備投資も安い

東京株式相場は続落。前日の海外商品市 況で原油先物相場が過去最高値を更新、銅など金属相場も全面高となり、原燃 料コストの負担増への警戒からガラス・土石製品やパルプ・紙、繊維製品、化 学株などの下落が目立った。取引開始前に発表された2月の機械受注統計が前 月比で2けたの減少となり、ファナックやオークマなど設備投資関連株も安い。

日経平均株価の終値は前日比166円59銭(1.3%)安の1万2945円30銭、 TOPIXは同14.83ポイント(1.2%)安の1248.07。東証1部の出来高は概 算19億2469万株、売買代金は2兆1609億円。値下がり銘柄数は1450、値上 がり銘柄は210。業種別33指数は29業種が下げ、上昇は4業種にとどまった。

ベアリング投信投資顧問の牧譲治専務は、資源価格高騰が足かせとなり、 「7日発表の米アルコアの決算が大幅減益となったことや、国内でも幅広い業 種で2008年3月期業績の下方修正が相次ぐ現状を見ると、国内外企業の先行 きに対し悲観的にならざるを得ない」と話した。また、多くの日本企業では為 替の円高も採算悪化に働き、「『ダブルパンチ』を受けるとすると、収益環境 の悪さはサブプライム問題が直撃する米企業に匹敵する」(同氏)という。

朝方に下げ200円超場面も、海外勢の売り観測

この日の日本株は、金融や設備投資関連株を中心に売り先行で開始。米証 券取引委員会(SEC)に提出された文書で、米大手証券会社の資産で価格評 価が最も困難なレベル3部分が増加したことが判明し、米大手証券会社の資産 構成が新たな評価損の懸念につながった。朝方発表された機械受注が大幅減少 となったことも嫌気され、日経平均は取引開始早々に心理的節目の1万3000 円を割り込み、下げ幅が200円を超える場面もあった。

野村証券プロダクト・マーケティング2部の佐藤雅彦エクイティ・マーケ ットアナリストは、「米国でレベル3資産の増加といった金融関連の悪材料が 伝わったことで、朝方に海外勢がリスク資産である株式の買い持ち高を圧縮す る動きに出た」と指摘している。取引開始前の外資系証券経由の注文状況は、 差し引き1770万株の売り越し、金額でも大幅な売り越しと観測されていた。

SQ控え午後は1万3000円意識

午前10時半以降は急速に値を戻し、日経平均は午後の取引開始直後に下 落幅を49円まで縮めたが、買い戻す勢いは限られた。結局午後には、株価指 数オプション4月物の特別清算値(SQ)算出日をあす11日に控え、日経平 均は1万3000円付近でこう着感。豊証券の菊池由文取締役は、米国経済の急 減速や国内企業の業績悪化への警戒で「押し目買いも入りにくい状況」とし、 さらにSQを前に「権利行使価格1万3000円が強く意識された」という。

東京証券取引所が9日発表した前週末4日時点のプログラム売買にかかわ る現物株式の売買状況によると、裁定取引に関連した現物株買いのポジション は当月限、翌月限以降の合計で2兆7971億円と、3カ月ぶりの高水準に増加 した。裁定買い残の解消が十分に進んでいないため、「SQ算出時に現物株の 売買が膨らむ可能性もあり、警戒を要する」(菊池氏)という。

NY原油最高値がマイナス要因に

9日の原油先物相場は急反発。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で 取引される原油先物5月限は一時1バレル=112.21ドルと過去最高値を付けた。 輸入が減少する中、エネルギー省が発表した原油在庫の減少が買いを誘発した。 また、ロンドン金属取引所(LME)で銅やニッケルなども上げ、商品市況は 全面高。商品高騰が採算悪化に結び付くと見られ、ガラス・土石製品、パル プ・紙、繊維製品、空運業、化学などが業種別の下落率上位に並んだ。

機械受注受けファナック急落、不動産は連日安

内閣府が午前8時50分に発表した2月の機械受注統計は、国内設備投資 の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)が前月比12.7% 減となった。事前予想の中央値(14%減)をやや上回ったものの、企業の設備 投資意欲の減退を確認、ファナックが6%超下げ、オークマやコマツ、三菱重 工業、東芝機械、クボタなど機械を中心とした関連銘柄の売りにつながった。

クレディ・スイス証券が9日付で投資判断を「買い」から「中立」に引き 下げた三井不動産と住友不動産がともに3%超下げるなど、不動産株も下げが 顕著だった。不動産株については、前日もCS証が東急不動産の投資判断を下 げたことを受けて大きく売られていた。

日写印が午後急落、原発関連や資源関連に買い

個別では、08年2月期の連結最終損益が一転赤字になったもようのベスト 電器が一時ストップ安(値幅制限の下限)。10日のブルームバーグ・テレビで、 09年3月期の連結営業利益の伸び率をアナリスト予想よりも保守的に見ている 経営陣が話した日本写真印刷が午後に急落。08年3月期の業績予想を下方修正 した日本特殊陶業は年初来安値を更新。アナリストによる投資判断引き下げが あった大日本スクリーン製造、ドン・キホーテ、ヤマハ発動機も安い。

半面、米国の電力大手から原子力発電所2基を受注する方向で最終交渉に 入ったとの一部報道を受け、東芝が反発。原発関連銘柄として、原発用の大型 高温高圧バルブを手掛ける岡野バルブ製造も買われた。米マイクロソフトの買 収提案を拒否している米ヤフーが、米タイム・ワーナー(TW)傘下のAOL とインターネット事業の統合で合意間近であることが分かったことを受け、ヤ フーが上昇。08年3月期の利益予想を上方修正した北陸電力も高い。

商品市況の全面高を受け、業績への恩恵が見込まれる三菱商事など大手商 社株、国際石油開発帝石ホールディングスなど鉱業株、住友金属鉱山などの非 鉄金属株の一角にも資金が流入。相場全体を下支えした。商社株については、 「原油権益ビジネスを手掛けているため、収益期待が持てる。鉄鋼や電力用の 原料炭価格交渉も想定以上の高値で合意され、炭鉱権益も持つ三菱商を中心に 逃避資金が流入しやすい」(ベアリング投信の牧専務)との声も聞かれた。

新興3指数は高安まちまち

国内新興3市場の主要指数は高安まちまち。ジャスダック指数が前日比

1.14ポイント(1.8%)高の64.45と反発。東証マザーズ指数は4.97ポイント (0.8%)安の585.38、大証ヘラクレス指数は7.38ポイント(0.8%)安の

961.68とともに3日続落。

個別では、2008年5月期の業績予想を上方修正したケイブが終日買い気配 で推移し、大引けでストップ高(値幅制限の上限)比例配分。07年6月―08 年2月期の連結純利益が前年同期の約2倍となったプロパストもストップ高。 楽天、セブン銀行、ぐるなびが高い。半面、新株予約権を発行し、資金調達を 実施すると発表したフルスピードが大幅続落。上場2日目のアールテック・ウ エノはストップ安まで下げた。鉱研工業、インデックス・ホールディングス、 エヌ・ピー・シー、ビットアイルが安い。

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