米FRBのTAF、銀行の資金調達コスト軽減につながらず-リポート

米連邦準備制度理事会(FRB)が金融シ ステムへの資金供給措置として昨年12月に導入した「ターム・オークション・ ファシリティー(TAF)」について、スタンフォード大学のエコノミスト、ジ ョン・テーラー氏は10日までに、銀行の資金調達コストの軽減につながってい ないとの見方を示した。

テーラー氏は、サンフランシスコ連銀のエコノミスト、ジョン・ウィリア ムズ氏と共同でまとめた調査リポートで、TAFが3カ月物の銀行間金利の低 下に役立ったことを示す「実証的証拠」はないと指摘した。リポートが9日に 同連銀のウェブサイトに掲載された。

リポートは、米金融システムに流動性を供給するFRBの取り組みを査定 する最初の資料の一つ。米国の金融危機は、国際通貨基金(IMF)によって 大恐慌以来最悪と位置付けられている。バーナンキFRB議長は先月、TAF を補完する措置として、公定歩合貸し出しの対象を投資銀行にも広げた。

テーラー氏は9日、電話インタビューに応じ「TAFを廃止すべきと言う つもりはないが、公表された目標の1つがまだ実証されていないという思いは ある」と語った。

バーナンキ議長は10日午後1時(日本時間11日午前2時)、バージニア州 リッチモンドで、大統領直属の金融市場作業部会が公表した信用危機に関する リポートについてコメントする予定。市場の混乱を和らげる取り組みについて の考えを述べる機会になりそうだ。

金融市場作業部会

金融市場作業部会には、FRBや財務省、商品先物取引委員会(CFTC)、 証券取引委員会(SEC)の幹部が参加。資本や金融リスクの管理の強化を呼 び掛けている。

当局は昨年、資本調達コストが上昇したにもかかわらず商業銀行がFRB の公定歩合貸し出しの利用に消極的だったことに不満を募らせていた。当局は、 商業銀行が利用に伴う「不名誉」を恐れていたことに原因があるとみていた。

そうしたなかで、FRBは昨年12月にTAFを導入した。TAFの特長は、 FRBが自らの裁量で銀行システムへの資金供給量を決められることだ。これ までのところ、期間28日のターム物資金入札が実施されることが多い。FRB は先月、1回当たりの入札規模を従来の300億ドルから500億ドルに増額した。

テーラー、ウィリアムズ両氏は、リポートで「銀行間のカウンターパーテ ィ・リスク(取引相手銀行のデフォルト・リスク)の高まりが、スプレッドの 拡大につながった。TAFがスプレッドの縮小につながった実証的証拠はない」 と指摘。その上で「FRBにはTAF導入に当たりほかの目標-公定歩合貸し 出し利用に伴う不名誉を緩和することなど-があったと示唆するつもりはな い」と付け加えた。

FRBの広報担当デービッド・スキッドモア氏は、コメントを控えた。

-- Editor: Chris Anstey, Mark Rohner

--* 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 柴田 広基 Hiroki Shibata +81-3-3201-8867 hshibata@bloomberg.net Editor:Masami Kakuta 記事に関する記者への問い合わせ先: Scott Lanman in Washington at +1-202-624-1934 or slanman@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Chris Anstey at +1-202-624-1972 or canstey@bloomberg.net

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