日写印の鈴木社長:今期の営業益見通し、アナリスト予想より保守的

特殊印刷やタッチパネル製造を手掛ける 日本写真印刷の鈴木順也社長は10日放映のブルームバーグテレビジョンのイ ンタビューで、今期(2009年3月期)連結営業利益の伸び率をアナリスト予想 よりも保守的に見ていることを明らかにした。積極投資で減価償却負担が増え るのに加え、市況や円相場の変動による影響も読みにくいためという。

ブルームバーグ・データに基づく営業利益のアナリスト予想平均値(10日 現在)は08年3月期が前期実績比0.7%増の154億円、09年3月期はこれに 比べて16%増の178億円、10年3月期は同13%増の201億円となっている。

鈴木社長は前期154億円は「フェアかもしれない」と述べ、会社予想の 150億円から上振れる可能性を指摘した。今期178億円に関しては「そこまで 行かないと判断している」と語った。公表している今期までの中期経営計画に よると、今期の営業利益予想は168億円で前期会社予想比12%増。インタビュ ーは8日に行った。

日写印はノートパソコンのカバーや携帯電話端末などの成型と装飾を同時 に行う技術(成形同時加飾転写、イン・モールド・デコレーション=IMD =)を売り物とする。一方、タッチパネルは、米アップルが昨年6月に「iP hone」を発売したのを機に市場全体が盛り上がっており、同社の現在の世 界シェアは、「営業の実感からすると35-40%あるかもしれない」という。

今期の減価償却費の負担は82億円と、前期見込み比64%増える見通し。 「圧倒的な設備能力を武器にナンバーワンになろうとしている」(鈴木氏)た め、設備投資額は、07年3月期に150億円とその前の期の2.4倍に増やし、08 年3月期も145億円、09年3月期163億円と高水準に設定している。

タッチパネルを全メーカーに

IMDは従来、携帯向けが主流だったが、デザインを重視する流れが強ま っているノートパソコン向けの比率も増えている。鈴木氏は、携帯電話の成長 市場である中国やインドなどでの売れ筋が低価格端末のためIMDは「利益面 でそれほど期待できない」と説明。携帯端末やゲーム機などに搭載されるタッ チパネルの事業で利益を確保し、「全体的に最適化していく考え」だと述べた。

同社が「85-90%」の世界シェアを持つIMDとは違い、タッチパネルに はライバルが多い。「最多の納入先である韓国LG電子の端末が全世界でよく ヒットしている」ため商談は持ち込まれているものの、アップルとの取引はな いという。鈴木氏は「IMDでほぼすべての携帯電話メーカーと取引がある。 その営業ルートをてこに今後1、2年で全メーカーと取引したい」と述べた。

日写印は、中計の業績見通しを市場の状況に応じて毎年更新している。昨 秋の中間決算発表時には前期の売上高予想を920億円から960億円、営業益予 想は135億円から140億円に積み増していた。2月の第3四半期決算発表では さらに上方修正し、売上高980億円、営業益150億円としていた。

日写印の株価の10日午前終値は前日比80円(1.6%)安の4880円。

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