債券は堅調、株下落や景気懸念で買い優勢―先物は140円台回復(終了)

債券相場は堅調(利回りは低下)。前日の米 国市場で景気後退観測が強まり、債券高となった地合いを継続したほか、日経 平均株価の続落を受け、買いが優勢となった。午後発表された5年利付国債入 札の結果は低調となり、売りが膨らむ場面があったが、投資家の押し目買い需 要が相場を支えた。先物中心限月は節目の140円台を回復した。

新光証券債券ストラテジストの三浦哲也氏は、「期初の買いなどに支えられ て堅調だった。需給が引き締まっているため、先物が売りづらい」と説明。そ のうえで、前日に出た国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しを受けて市場 は景気の先行きが楽観できる状態でないことを再確認したと指摘した。

東京先物市場で中心限月6月物は、前日比20銭高の139円92銭で寄り付 いた後、午前10時すぎには140円15銭まで上昇。日中取引で1日以来の140 円台に乗せた。その後、午後零時45分に5年国債入札結局が発表されると売り が膨らみ、139円74銭まで上げ幅を縮めたが、押し目買いに支えられ、結局は 36銭高の140円8銭で引けた。終値で140円台に乗せたのは、3月31日以来。

日経平均株価は続落。節目の1万3000円を割り込み、前日比166円59銭 安の1万2945円30銭で取引を終えた。

IMFが9日に発表した世界経済見通しによると、米国の成長率見通しは 今年0.5%になり、1月時点の予想(1.5%)から変更された。また、今年の世 界経済成長率については3.7%とし、1月時点の予想(4.1%)から下方修正し た。

新発10年債利回りは1.36%まで上昇

現物債市場で、新発10年物の291回債利回りは、前日比0.5ベーシスポイ ント(bp)低い1.335%で取引開始。いったんは1.325%まで低下したが、その後 は再び水準を切り上げ、2bp高い1.36%まで上昇した。午後3時15分以降は

1.335%で取引されている。

5年債物の70回債利回りは0.795%で寄り付いた。その後は、0.79%-

0.82%のレンジで推移した後、午後3時21分前後は0.81%で推移している。

5年債入札結果、最低価格は予想を下回る

財務省が10日実施した表面利率0.8%の5年利付国債(70回債)の入札結 果は、最低落札価格が99円81銭(最高利回り0.84%)、平均落札価格は99円 93銭(平均利回り0.814%)となった。

落札価格は、市場の事前予想(99円93銭)を下回った。最低と平均落札価 格との差(テール)は12銭となり、前回の1銭から大幅に拡大。応札倍率は2.34 倍となり、前回の2.53倍から低下した。

大和証券SMBCシニアJGBストラテジストの小野木啓子氏は、「入札は 不調だった。期初ということで潜在的需要に対する期待が大きく、下がったと ころで押し目買いが入った」と話した。

入札が不調に終わった理由については、投資家が取引を行ううえでのテク ニカルな問題があるようだ。新光証券債券の三浦氏は「需給が引き締まってい るため、先物が売りづらい。入札が不調に終わったのは、先物を売って5年債 を買うことが難かったため」と指摘した。

三菱UFJ証券の長谷川治美シニア債券ストラテジストは、「先物がヘッジ として機能していない。5年債入札は市場予想を下回ったが、市場のリスク許 容度が落ちた状態が解消されておらず、結果は流れてしまった」と説明した。

(債券価格)                            前日比        利回り
長期国債先物6月物         140.08       +0.36         1.422%
売買高(億円)             41999
10年物291回債            99.69               1.335%(-0.005)
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