日本株は続落、原油最高値受け採算懸念-機械受注弱く設備関連も安い

午前の東京株式相場は続落。海外商品市 況で原油先物相場が過去最高値を更新、銅など金属相場も全面高となっており、 原燃料コストの負担増への警戒から空運やパルプ・紙、化学株などの下落が目 立った。取引開始前に発表された2月の機械受注統計が前月比で2けたの減少 となり、ファナックや三菱重工業など設備投資関連株も安い。

日経平均株価の午前終値は前日比77円41銭(0.6%)安の1万3034円48 銭、TOPIXは同5.52ポイント(0.4%)安の1257.38。東証1部の出来高 は概算9億544万株、売買代金は9662億円。値下がり銘柄数は1253、値上が り銘柄は321。業種別33指数は23業種が下落、10業種が上昇。

ソシエテジェネラルアセットマネジメントの吉野晶雄チーフエコノミスト は、「原油依存度の高い紙パルプ、電力・ガス、運輸、小売などは収益環境が 大変厳しい。日本の企業全般的に円高に対する抵抗力は付いているものの、原 油高への対応は遅れている」と話した。

日経平均は下げ200円超場面も、海外勢の売り観測

この日の日本株は、金融株や設備関連株を中心に売り先行で始まった。米 証券取引委員会(SEC)に提出された文書で、米大手証券会社の資産で価格 評価が最も困難なレベル3部分が増加したことが判明し、米大手証券会社の資 産構成が新たな評価損の懸念につながった。朝方発表された機械受注が大幅減 少となったことも嫌気された。日経平均は取引開始早々に心理的節目となる1 万3000円を割り込み、下げ幅が200円を超える場面もあった。

野村証券プロダクト・マーケティング2部の佐藤雅彦エクイティ・マーケ ットアナリストは、朝方の外国人動向がさえなかったところを見ると、「米国 でレベル3資産の増加といった金融関連の悪材料が伝わり、海外勢がリスク資 産である株式の買い持ち高を圧縮する動きを再び強めたもよう」と指摘した。 この日、取引開始前の外資系証券経由の注文状況は、差し引き1770万株の売 り越し、金額ベースでも大幅な売り越しと観測されていた。

ただ、午前10時半以降は急速に下げ幅を縮め、この日午前の高値圏で取 引を終えた。レベル3資産の増加が嫌気され、朝方売りが先行した銀行や証券 など金融株が買い戻され、株価指数が持ち直した。下落して始まった三菱UF Jフィナンシャル・グループ、野村ホールディングス、三井住友海上グループ ホールディングスなどは上昇転換した。

NY原油最高値がマイナス要因に

一方、9日の原油先物相場は急反発。ニューヨーク商業取引所(NYME X)で取引される原油先物5月限は一時1バレル=112.21ドルと過去最高値を 付けた。輸入が減少する中、エネルギー省が発表した原油在庫の減少が買いを 誘発した。また、ロンドン金属取引所(LME)で銅やニッケルなども上げ、 商品市況は全面高となった。こうした商品市況の高騰が採算悪化に結び付く企 業は多く、ガラス・土石製品、パルプ・紙、空運業、化学、繊維製品などがT OPIX業種別指数で下落率上位に並んだ。

機械受注受け設備関連安い、不動産も下落

内閣府が午前8時50分に発表した2月の機械受注統計は、国内設備投資 の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)が前月比12.7% 減となった。事前予想の中央値(14.0%減)をやや上回ったものの、企業の設 備投資意欲が減退していることが確認される結果となり、ファナックや三菱重、 コマツ、東芝機械、クボタなど設備投資関連株への売りを誘った。

クレディ・スイス証券が9日付で投資判断を「買い」から「中立」に引き 下げた三井不動産と住友不動産がともに一時3%超下げるなど、不動産株も下 げが顕著だ。前日もCS証が東急不動産の投資判断を下げたことを受け、不動 産株は大きく売られていた。

ベスト電は一時ストップ安、原発や資源関連は買い

個別では、店舗評価損などが響き08年2月期の連結最終損益が一転赤字 になったもようのベスト電器は一時ストップ安(値幅制限の下限)。円高の影 響で採算が悪化したなどとして、08年3月期の業績予想を下方修正した日本特 殊陶業も急落。メリルリンチ日本証券が投資判断を引き下げたドン・キホーテ、 JPモルガン証券が投資判断を下げたヤマハ発動機も安い。

半面、東芝が米国の電力大手から原子力発電所2基を受注する方向で最終 交渉に入った、と10日付の日経新聞朝刊が報道。これを受けて東芝が急反発 したほか、木村化工機や岡野バルブ製造など原発関連銘柄の一角も買われた。 08年3月期の連結純利益が、従来計画比3.5倍の70億円になったもようの北 陸電力も高い。

商品市況の全面高を受け、業績への恩恵が見込まれる三井物産など大手商 社株、国際石油開発帝石ホールディングスなど鉱業株、住友金属鉱山などの非 鉄金属株といった資源関連株にも資金が流入。相場全体の下支え役となった。

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