債券は堅調か、景気懸念受けた米株安で-機械受注や入札を見極め(2)

債券相場は堅調(利回りは低下)な展開が 予想される。前日の米国市場で、業績や景気懸念で株価が下げ、債券が上昇した 地合いを引き継ぎ、買いが先行する見通し。もっとも、朝方発表される2月の機 械受注や、きょう実施の5年債入札結果を見極めたいとのムードも強い。

11日にワシントンで開催される7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7) では、金融安定化策への取り組みが注目されている。また、海外では、英中央銀 行の金融政策委員会と欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される予定。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、「英中銀は25ベーシス ポイント(bp)の追加利下げに踏み切り、ECBは政策金利を据え置こう。決め手 に欠け、引き続き株価にらみとなろうが、業績不安から株価のダウンサイドリス クは高い」と予想している。

東京先物市場の中心限月6月物は、前日の通常取引終値139円72銭を若干 上回って始まった後、日中は139円60銭から140円00銭程度で推移しそう。

9日のロンドン市場で6月物は、東京終値から3銭高の139円75銭で引け た。

日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、「機械受注 が予想からずれれば、それなりの反応を示そう。しかし、需給先行の感は強く、 株安・債券高の米国市況も含めて、大きく反応しない可能性が高い」と指摘、朝 高後、もみ合いを予想している。

寄り付き前に発表される2月の機械受注(船舶電力を除く民需)は、ブルー ムバーグ・ニュース調査によると、前月比14.0%減少が見込まれている。1月 は同19.6%増加だった。

前日の先物相場は小反落。週末のG7や来週の海外金融機関の決算発表を控 えて、様子見気分が強い中、5年債入札に向けた調整売りなどに押され、中心限 月6月物は前日比5銭安の139円72銭で引けた。空席となっていた日銀総裁に は白川方明副総裁が昇格。日銀金融政策決定会合では、全員一致で金融政策の現 状維持を決定した。4月の金融経済月報では、景気判断を下方修正した。

10年債利回りは1.3%台前半で取引か

現物債市場で新発10年物の291回債利回りは、前日終値1.34%を若干下回 る水準で始まり、日中ベースでは1.3%台前半での取引が見込まれる。

三菱UFJ証券チーフ債券ストラテジストの石井純氏は、「長期金利は、米 景気後退観測と日銀の利下げ期待を背景に弱含みにもみ合う。朝方発表される機 械受注が買い手掛かり。5年債入札は、低クーポン(表面利率)とはいえ、期初 の買いニーズに発行減額もあって、無難にこなされる」と予想している。

日本相互証券によると、9日の業者間取引で新発10年物の291回債利回り は、前日比1ベーシスポイント(bp)高い1.34%で取引開始。その後は1.33-

1.345%のレンジ内で推移。結局は1bp高い1.34%で引けた。

前回入札された5年債利回りは2bp高い0.815%で引けた。

一方、10年物国債の291回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各社 の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると1.341%だ った。

5年債入札、クーポンは0.8%か

財務省は、5年債入札を実施する予定。クーポンは、前回債と同じ0.8%と なる可能性が高いとみられている。発行額は前回債より1000億円減の1兆9000 億円程度。前日の入札前取引では、4月発行の5年債の複利利回りは0.82%付 近で取引された。

道家氏は、「無難な結果となろう」と予想。「白川日銀総裁の誕生を受けて、 早期利下げ観測はやや後退した。しかし、年内の追加利上げを予想する向きはご くわずかとみられ、『時間軸効果』が中期債を支援しよう。中期債の主要な買い 手である銀行は、今期も日本国債頼みの運用を余儀なくされる」と分析している。

市場では、「国内投資家の期初の買い期待は強く、発行額が1000億円減額 されたことで、無難に消化されるとみるが、年度末以降、海外勢の動向に不透明 感が強く、国債入札が低調に終わるケースが続いているだけに警戒感は残る」 (みずほインベスターズ証券マーケットアナリストの井上明彦氏)との声も聞か れた。

米国市場では株安・債券高、世界的な景気後退懸念も

9日の米国債相場は上昇。米景気に対する先行き不透明感や米株安などが買 いを誘った。米経済が今年、マイナス成長になるとの観測が強まり、今後数カ月 で一段と大幅な米利下げが実施されるとの見通しが広がるなか、2年債相場はこ こ2週間で最大の上げとなった。

キャンター・フィッツジェラルドによると、2年債利回りは前日比11bp低 下し1.77%。この低下率は3月26日以来で最大。10年債利回りは前日比8bp 低下の3.48%。

一方、米株式相場は続落。小荷物発送最大手ユナイテッド・パーセル・サー ビス(UPS)が需要減を指摘したのに加え、米大手証券会社の資産構成が新た な評価損の懸念につながったほか、原油先物が最高値を更新したことで売りがか さんだ。S&P500種株価指数は前日比11.05ポイント(0.8%)下げて1354.49。 ダウ工業株30種平均は同49.18ドル(0.4%)安の12527.26ドル。

(9日の債券価格)                      前日比      利回り
長期国債先物6月物         139.72       -0.05       1.451%
売買高(億円)             28764
10年物291回債            99.65                 1.34%(+0.01)
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