IMF世界経済見通し:ECBは利下げ余地-成長、インフレ減速へ

国際通貨基金(IMF)は9日発表 した世界経済見通しで、ユーロ圏の成長率予想を下方修正するとともに インフレ率が来年低下するとの見通しを示した。欧州中央銀行(EC B)には利下げ余地があるとしている。

IMFは報告で「総合インフレ率が2009年中に2%未満に低下する と考えられ、さらに経済活動に対する見通しが悲観度を増していること から、ECBは幾分の金融緩和の余地がある」と分析した。

IMFはユーロ圏のインフレ率が09年に1.9%と、ECBの目安の 圏内に低下すると予想している。08年は2.8%の見込み。

IMFは08年のユーロ圏成長率予想を1.4%と、1月に公表した

1.6%から下方修正した。09年成長率は1.2%と、さらに減速が見込まれ る。IMFはドイツ、フランス、イタリアの成長率予想も下方修正した。

IMFの金融・資本市場部門責任者、ハイメ・カルアナ氏は8日の インタビューで、「主に輸入原油を通じた物価上昇がインフレ期待につ ながる形で、現在はインフレ圧力というリスクが存在しているが、世界 経済の鈍化を背景に将来これがなくなれば、ECBには政策余地が拡大 するだろう」と指摘した。

ブルームバーグがまとめた調査によると、68人のエコノミスト全員 が10日のECB政策委員会で政策金利が4%で据え置かれると予想して いる。ユーロ圏のインフレ率は3月に3.5%と、1992年6月以来最も高 い水準に上昇した。

IMFは物価上昇圧力が引き続きユーロ圏での「主要な懸念材料」 だと指摘。ただ、「資源の稼働率低下や食品とエネルギー価格の上昇鈍 化」などにより、インフレ率は09年中に低下すると予想している。

評価損の問題

経済成長については、「最大」の下振れリスクは「欧州金融セクタ ーの緊張が長引くこと」だと言及、ユーロ圏の一部諸国における「民間 消費と投資への厳しい反動の可能性」を排除できないとの見方を示した。

その他のリスク要因として米リセッション(景気後退)の深刻化、 原油価格の乱高下、一段のユーロ上昇などを挙げた。

成長が上振れする要因としては、「食品とエネルギー価格の落ち着 きや比較的堅調な労働市場に支えられ、内需が予想以上の耐久力を示す 公算がある」と指摘している。

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