日本株(終了)続落、午後に建設下げる-損失警戒の金融や不動産安い

東京株式相場は続落。国内外における工事 の採算が悪化したとして、昼休み時間帯に大林組が2008年3月期の利益を減 額修正し、同社株に売りが殺到した。連想売りを浴びた鹿島や清水建設なども 下げ、建設株指数は3.6%安で東証1部の33業種中、下落率1位。評価損を 追加計上することに警戒感が強い銀行や証券など金融株も売られ、一部アナリ ストが投資判断を引き下げた東急不動産が急落するなど、不動産株も安い。

日経平均株価の終値は前日比138円54銭(1.1%)安の1万3111円89銭、 TOPIXは同19.79ポイント(1.5%)安の1262.90。東証1部の出来高は 概算18億3294万株、売買代金は2兆603億円。値下がり銘柄数は1245、値 上がり銘柄は378。業種別33指数は31業種が下落、上昇は水産・農林業と鉱 業の2業種にとどまった。

田辺経済研究所の田辺孝則代表は、世界経済の減速や原材料コスト負担の 増加などを背景に、今月下旬から本格化する08年3月期決算発表を前に、 「業績予想を下方修正する企業が予想以上に多い」との認識を示した。

また、日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)の結果などを見ると、経 営者マインドも急速に弱まっており、「期初における会社側の09年3月期業 績計画は、2けた減益に落ち込む可能性が高い。業績モメンタムの急失速を勘 案すると、日本株を積極的に買う理由はない」(田辺氏)とした。

買い先行後に下げ転換、一時13000円割れも

8日の米国株は下げたものの、米シカゴ先物市場(CME)における日経 平均先物6月物の清算値が1万3395円と、同日の大阪証券取引所の終値(1 万3290円)に比べて105円高だったことを受け、この日の日本株はCME清 算値にさや寄せする格好で上昇スタート。輸出関連株や情報・通信株の一角を 中心に堅調に推移し、日経平均は100円近く上昇する場面もあった。ただ、朝 方の買いが一巡した後はじり安展開。TOPIXは早々に下落転換し、日経平 均は午前の取引終了直前にマイナス圏に沈んだ。

午後に入ると下げ幅を拡大、日経平均は一時251円安の1万2998円と、 取引時間中としては2日以来、5営業日ぶりに心理的節目の1万3000円を割 り込んだ。昼休み時間帯の東証立会外での現物株バスケット取引が売り決め優 勢だったほか、大林組が午後零時に08年3月期の連結純利益は前の期に比べ て54%減と、従来計画を45億円下回ったもようと発表したことなどが影響し た。東洋証券情報部の土田祐也ストラテジストによれば、大林組の業績下方修 正を受けて「国内企業の決算発表が本格化する前に、保有株式の買い持ち高を ひとまず手じまう市場参加者が増えた」そうだ。

前期業績計画の減額修正を受け、午後売り込まれた大林組は9.4%安で終 了。下方修正は、建設資材の高騰などで国内大型建築工事や海外土木工事の採 算が悪化したことによる。こうした要因は業界全体の問題とも言え、鹿島、清 水建、大成建設など大手を中心に連想的な売りが膨らみ、そろって急落した。

金融株はIMF試算も逆風、不動産も大幅安

みずほフィナンシャルグループなど3大金融グループがそろって続落。野 村ホールディングスやT&Dホールディングス、オリックスなども安い。しん きんアセットマネジメント投信の藤本洋主任ファンドマネージャーは、「金融 機関は証券化商品などの評価損を追加計上することに対する警戒感が根強く、 投資対象として敬遠せざるを得ない」という。

大株主の東京海上日動火災保険が保有株を売却する方針と、9日付の日本 経済新聞朝刊が報じたことを受け、あおぞら銀行株が需給悪化を嫌気して急落。 千葉銀行、常陽銀行、横浜銀行など地方銀行株の下げも目立った。7日にふく おかフィナンシャルグループが債務担保証券(CDO)などの外国証券を中心 に巨額の有価証券評価損を計上したことを受け、「従来は比較的リスクが小さ いと考えていた地方銀行の業績不安も高まっている」(藤本氏)ようだ。

金融株については、国際通貨基金(IMF)が8日に米国の住宅ローン危 機に端を発した金融混乱に伴う金融機関の損失総額が1兆ドル(約102兆円) に迫る可能性があるとの見通しを示したこともマイナスに働いた。「日本の不 良債権問題に関わる損失額が80兆円弱だったことを考えると、サブプライム 問題の深刻さを改めて印象付けた」(田辺経研の田辺代表)。

このほか、クレディ・スイス証券が8日付で投資判断を「中立」から「ア ンダーパフォーム」に下げた東急不動産が急落し、住友不動産、三井不動産、 三菱地所もそろって下げた。JPモルガン証券が投資判断を下げたパシフィッ クマネジメントなど不動産ファンド関連株も軒並み安い。

サンケンやレナウンが安い、船井電は急伸

個別では、08年3月期業績予想を下方修正したサンケン電気とサイゼリ ヤ、08年2月期の連結最終赤字幅が拡大する見通しとなったレナウンは急落。 前期決算が6期ぶりの営業減益になったもようと報じられた東レも大幅安で、 東証繊維製品指数は業種別指数の下落率上位。

半面、パソコン(PC)用メモリー価格について、4月前半分は5-10% の値上げで決着したエルピーダメモリが急反発。オランダの電機大手フィリッ プスと北米での民生用テレビの販売活動などを担うブランドライセンス契約の 締結予定があると発表の船井電機が急反発。08年3月期の業績予想を上方修 正した愛知機械工業はストップ高(値幅制限の上限)比例配分。

新興3指数は続落、ネット関連安い

国内新興3市場の主要指数はそろって続落。ジャスダック指数が前日比

1.37ポイント(2.1%)安の63.31、東証マザーズ指数は17.63ポイント (2.9%)安の590.35、大証ヘラクレス指数は18.48ポイント(1.9%)安の

969.06で終えた。マザーズは終値で12営業日ぶりの600ポイント割れ。

リーマン・ブラザーズ証券が8日付で新規に投資判断をアンダーウエート としたミクシィが急落。楽天、サイバーエージェント、ネットイヤーグループ などインターネット関連銘柄が総じて安い。カブドットコム証券の臼田琢美常 務執行役は、「米マイクロソフトによる米ヤフー買収に絡む動向が先行き不透 明な上、携帯コンテンツへの規制を強化する動きが足元で再び出てきており、 ネット関連株は手掛けにくい状況だ」と話していた。

半面、アプリックス、レーサムリサーチ、デジタルアーツが高い。きょう ヘラクレス市場に新規上場したアールテックウエノは、公開価格(50万円) を42%上回る71万円で初値を付けた。終値はストップ高となる81万円。

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