日本株は続落、格下げ受け不動産に売り広がる-業績懸念根強い金融も

午前の東京株式相場は続落。国内不動産市 況の悪化を理由に、一部アナリストが投資判断を引き下げた東急不動産が大き く下げるなど、不動産株に売りが広がった。根強い業績懸念を背景に銀行や証 券など金融株も売られ、大株主の東京海上日動火災保険が保有株を売却する方 針と一部報道で伝わったあおぞら銀行は、需給悪化懸念で急落。

日経平均株価の午前終値は前日比5円15銭(0.04%)安の1万3245円 28銭、TOPIXは同7.14ポイント(0.6%)安の1275.55。東証1部の出来 高は概算6億7301万株、売買代金は7796億円。値下がり銘柄数は882、値上 がり銘柄は663。業種別33指数は24業種が下落、9業種が上昇。

しんきんアセットマネジメント投信の藤本洋主任ファンドマネージャーは、 不動産株について「外国人投資家の売買動向が特に大きく左右する業種」と指 摘。その上で、昨年来の世界的な市場の混乱で傷付いた「グローバルな投資家 は投資余力が減退しており、不動産株の資金流出超過になりやすい」との認識 を示した。

買い先行もじり安展開に

8日の米国株は下げたものの、米シカゴ先物市場(CME)における日経 平均先物6月物の清算値が1万3395円と、同日の大阪証券取引所の終値(1 万3290円)に比べて105円高だったことを受け、この日の日本株はCME清 算値にさや寄せする格好で上昇スタート。外国為替市場で円・ドル相場が1ド ル=102円台後半と前日に比べ円安・ドル高水準で安定推移していたことも支 援材料になった。

採算悪化懸念の後退からトヨタ自動車、デンソー、富士フイルムホールデ ィングス、信越化学工業など輸出関連株の一角に買いが先行。KDDIなどの 情報・通信株の一部も堅調に推移し、日経平均は100円近く上昇する場面もあ った。ただ、朝方の買いが一巡した後はじりじりと値を切り下げる展開。8日 の米通常取引時間外に小荷物発送最大手のユナイテッド・パーセル・サービス (UPS)が1-3月の利益見通しを下方修正したことが「投資家のマインド を弱めた一因」(大和証券SMBCグローバル・プロダクト企画部の宮沢一輝 アナリスト)ともいう。宮沢氏は、米実体経済の落ち込みへの警戒感が再燃し ており、「米経済への依存度の高い日本企業の株価は当面上値が重くなりそ う」としていた。

大手不動産が大幅安、地銀も下げ目立つ

クレディ・スイス証券が8日付で投資判断を「中立」から「アンダーパフ ォーム」に引き下げた東急不動産が8%超急落。売りは同業他社株にも広がり、 住友不動産、三井不動産、三菱地所がそろって大幅安。パシフィックマネジメ ントやアーバンコーポレイションなど不動産ファンド関連株も軒並み下げた。

みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱 UFJフィナンシャル・グループの3大金融グループがそろって続落。野村ホ ールディングスやT&Dホールディングスなども安い。しんきんアセットの藤 本氏は、「金融機関は証券化商品などの評価損を追加計上することに対する警 戒感が根強く、投資対象として敬遠せざるを得ない」という。

大株主の東京海上日動火災保険が保有株を売却する方針と、9日付の日本 経済新聞朝刊が報じたことを受け、あおぞら銀株が需給悪化を嫌気して急落。 千葉銀行、常陽銀行、横山銀行など地方銀行株の下げも目立った。7日にふく おかフィナンシャルグループが債務担保証券(CDO)などの外国証券を中心 に巨額の有価証券評価損を計上したことを受け、「従来比較的リスクが小さい と考えていた地方銀行の業績不安も高まっている」(藤本氏)ようだ。

サンケンやレナウンが安い、船井電は急伸

個別では、08年3月期業績予想を下方修正したサンケン電気とサイゼリ ヤが売られた。不採算ブランドからの撤退に伴い08年2月期の連結最終赤字 幅が拡大する見通しとなったレナウンは急落。9日付日経新聞朝刊で、原材料 高や電子材料市況の低迷などから前期決算が6期ぶりの営業減益になったもよ うと報じられた東レも大幅安で、東証繊維製品指数は業種別指数の下落率上位。

半面、オランダの電機大手フィリップスから北米における民生用テレビの 供給や販売活動などを担うブランドライセンス契約の締結予定があると発表し た船井電機が急反発。08年3月期の業績予想を上方修正した愛知機械工業は 一時ストップ高(値幅制限の上限)まで買われた。09年2月期の連結営業利 益が前期比9%増になる見通しと発表したDCM Japanホールディング スも大幅高。

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