債券はもみ合い、売り先行も株伸び悩みで下げ渋る-入札控え慎重(2)

債券相場はもみ合い。朝方は先物市場を中 心に売りが先行したものの、反発して始まった日経平均株価が伸び悩むと、押 し目買いなどが入り、底堅く推移した。もっとも、あすに5年利付国債の入札 が実施されることもあり、取引は手控え気味だった。

東海東京証券債券ディーリング部長の有麻智之氏は、「為替市場が若干円 安で株価が朝方は戻り歩調だったことから重い展開となったが、先物6月物は 139円台で行ったり来たり。現物債はあまり動いていない」と指摘した。

東京先物市場で中心限月6月物は、前日比7銭安の139円70銭で寄り付い た。直後に139円63銭まで下落したが、そこでは買いも入って水準を切り上げ、 一時は6銭高い139円83銭まで上昇した。その後は再び売りに押され、結局は 4銭安い139円73銭で午前の取引を終えた。

日経平均株価は小幅続落。前日比5円15銭安の1万3245円28銭で引けた。 朝方は反発して始まり、一時は100円近く上昇した。

ABNアムロ証券チーフ債券ストラテジストの市川達夫氏は、「材料に欠 ける中で、前日に大きく上昇したことへの反動が出ており、上値の重い展開」 と説明した。

新発10年債利回りは1.34%

現物債市場で新発10年物の291回債利回りは、前日比1ベーシスポイント (bp)高い1.34%で寄り付いた。その後は1.335-1.34%で推移し、午前の終値 は1bp高い1.34%だった。

中期債相場は軟調。新発5年債利回りは前日比2bp高い0.815%に上昇し ている。新発2年債利回りは1.5bp高い0.585%で午前の取引を終えた。

リーマン・ブラザーズ証券の山下周チーフJGBストラテジストは「米信 用不安に伴う株安、ドル安の流れは一巡しており、投資家の現物債への買い意 欲は鈍い。あすに5年国債入札を控えていることも上値を抑える要因」と指摘 した。

あすの5年利付国債入札では、表面利率(クーポン)が前回債と横ばいの

0.8%となる可能性が高い。発行額は前回より1000億円減の1兆9000億円程度。

ABNアムロ証券の市川氏は、「利上げも利下げもないという状況では、 クーポンが0.8%であれば無難に終わる」と見込んでいる。

日銀総裁に白川氏昇格へ、金融政策は現状維持予想

この日午前、政府が7日に提示した白川方明日銀副総裁の総裁昇格人事案 に対して、参院本会議では、自民、公明の連立与党に加え、参院第1党の民主 党などの賛成多数で可決され、同意となった。

一方、副総裁候補の渡辺博史一橋大教授(前財務官)については、野党に よる反対多数で否決され、不同意となった。

白川総裁案は同日昼の衆院本会議でも、衆院で絶対安定多数を占める与党 や民主党などの賛成多数で可決され、同意となるのは確実となった。白川氏は 9日中に政府の閣議決定、福田首相からの辞令交付を経て正式に総裁に昇格す る見通し。

市場では、「G7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)前に総裁昇格が決 まり、とりあえず良かったと思う」(東海東京証券の有麻氏)との声や、「副 総裁ポストは、空席のまま長期化しそうな様相」(UBS証券の道家映二チー フストラテジスト)といった見方があった。

日銀はこの日の金融政策決定会合で、当面の金融運営方針を決定する。ブ ルームバーグの調査では、有力日銀ウオッチャー16人全員が現状維持を予想し ている。

(債券価格)                          前日比     利回り
長期国債先物6月物         139.73     -0.04      1.450%
売買高(億円)             12904
10年物291回債            99.65               1.340%(+0.01)

--共同取材:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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