メリルCEO:日本業務拡大に意欲、ベアー救済で米信用リスク回避(3)

来日中の米証券大手メリルリンチのジョン・ セインCEO(最高経営責任者)は8日、都内での記者会見で、日本の金融市場 は有望とみて、富裕層向けや投資銀行ビジネスなどを強化していきたい考えを明 らかにした。一方、当局によるベアー・スターンズ救済により米金融のシステミ ック・リスクは回避されたとの認識を示した。

セインCEOは、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連 損失の拡大で大幅赤字に転落したメリルを立て直すため2007年12月に就任。そ の後初めての来日でメリルに約12億ドルを出資したみずほフィナンシャルグル ープ(みずほコーポレート銀行)との提携関係などが注目されていた。これにつ いてセイン氏は「考えられる」と述べるにとどめた。

再資本調達は「必要ない」

メリルはサブプライム関連損失が膨らみ、これまでにみずほ分を含む128億 ドルの資本を調達した。再調達の可能性についてセインCEOは「これまでに意 図的に損失を上回る調達を行なっており、その必要はない」と強調した。メリル はすでに2200人を超える人員削減を実施しているが、今後は経費削減に焦点を あてていく方針を示した。

セインCEOは金融市場としての日本について、「個人富裕層が多く、かな りの資産が預貯金にある」とし、成長機会の大きい市場と位置づけた。メリルは 三菱UFJフィナンシャル・グループと合弁で富裕層専門の証券会社を運営して いる。法人向けの投資銀行業務については、クロスボーダー型のM&A(企業の 合併・買収)案件の助言業務などの獲得に意欲を示した。

米国金融市場についてセインCEOは、ベアー救済により「システミック・ リスクが起きる可能性が解消され、マーケットが安心した」と述べた。ベアーは サブプライム関連損失の拡大を背景に資金繰りが急速に悪化し、これが米市場の 信用不安を増幅した。このため米金融当局は3月にJPモルガン・チェースを通 じてベアーを資金支援。JPモルガンはその後ベアー買収で合意した。

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