シティ含む米銀大手の融資抑制、より深刻なリセッション招く可能性も

シティグループやバンク・オブ・アメリカ(B OA)、ウェルズ・ファーゴなど、米大手銀行持ち株会社の自己資本比率が7年 ぶりの低水準に低下している。

自己資本比率は今後数週間にわたりさらに低下する可能性がある。米国の 住宅不況を背景に格付け会社は今年に入って計7040億ドル(約72兆円)相当 の債券を格下げした。米連邦預金保険公社(FDIC)のベアー総裁は先週、 格下げは銀行の自己資本比率の一層の低下につながり、一部大手金融機関の資 本はもはや十分とは認められなくなる可能性があると指摘した。

自己資本比率が預金者保護を目的にした当局の規定水準を下回った銀行は、 これまで以上に厳しい監視の対象になる。

1981-85年にFDIC総裁を務めたウィリアム・アイザック氏は「現在の 状況はこの国にとって悪夢だ」と指摘。銀行が「調達可能な資本を調達し、そ の後に事業の伸びを抑制して融資を停止することにより、緩やかなはずだった リセッション(景気後退)は、もっとずっと深刻なものになる」との見通しを 示した。

米経済にとって最大の危険は、銀行が自己資本比率を維持するために与信 を打ち切り、それが企業や消費者への融資の減少につながることだ。ブルーム バーグの集計データによると、銀行はすでに計1360億ドルの資本を調達すると ともに、配当も減らした。オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイ ットニー氏は、今後も新株発行や減配が行なわれる可能性は高いとみている。

「金融機関のパニック」

信用危機の影響で、大手金融機関はすでに計約2320億ドルの評価損や損失 を計上。米5位の投資銀行だったベアー・スターンズの破たん回避のため、当 局主導の救済措置も実施された。国際通貨基金(IMF)は先週、銀行は大恐 慌以来最悪の金融危機に見舞われているとの認識を示した。

銀行業界の調査会社インスティテューショナル・リスク・アナリティクス のデニス・サンティアゴ最高経営責任者(CEO)は「銀行は資本比率を維持 しなければならない」と指摘。「金融機関にとってのパニックだ。いつ消費者の パニックになるのかは分からない」と語った。

リスク調整後の総資産は、信用格付けの影響を受ける。銀行にとって必要 なのは、この総資産に対する普通株や優先株のほか利益剰余金や引当金の割合 を高めることだ。この割合は、規制対象となっている銀行全体で昨年末時点に

12.79%と、前回のリセッション入り前だった2000年以来の低水準にある(ブ ルームバーグ調べ)。

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