SUMCO:太陽光発電ウエハー売上高11倍に-14年度に2000億円(2)

シリコンウエハーメーカー世界2位のSUM COの重松健二郎社長は、昨秋に本格参入した太陽光発電用の多結晶シリコンウ エハー事業について、2014年度に売上高を2000億円程度に伸ばす考えを明らか にした。07年度の11倍に当たる。クリーンエネルギーの太陽電池市場は向こう 5年で少なくとも3倍以上の伸びが見込まれており、半導体向けと並ぶ2つ目の 主力事業に育てる。

同社は昨年9月、太陽光発電用ウエハーの新工場を佐賀県伊万里市に建設す ると発表。発電量換算ベースで07年度に年間105メガ(メガは100万)ワット 分の生産能力を14年度に同1010メガワット(約1ギガワット)体制にする。従 来は1ギガ体制の実現は15年と想定していたが、重松氏は「前倒しにしても」 実施したいと語った。

世界最大の業界団体、欧州太陽光発電協会(EPIA、本部ベルギー)の最 新予測によると、太陽電池の世界年間生産量は12年には最低でも7220メガ(約

7.2ギガ)ワットと07年の3.2倍に拡大する見通し。SUMCOは半導体用ウ エハー事業が主力で、07年度の太陽光発電用は全売上高の3.7%にすぎないが、 市場の急成長をにらんで増産を急ぐ。

重松氏も市場は「3倍以上には伸びるだろう」との見方を示し、「新規参入 もまるで雨後の筍(たけのこ)のように増えている」と指摘。そのうえで「1000 億円単位の事業機会がある市場で、技術にも自信がある。スタディ(調査)した ら、事業性があり顧客もついた」と本格参入の理由を説明した。「関連業界の勢 力図がここ2-3年で決まる」とも述べた。インタビューは3月31日に行った。

淘汰の波

重松氏によると、「太陽電池関連の事業をやりたい企業は、調べただけでも 世界中に163社あり、そのうち約半分が中国企業。ただし、5年以上の実績を持 つ中国企業は世界3位のサンテックを含め3社しかない」という。急成長と同時 に大幅な価格ダウンが進む市場では、技術や資本で劣る企業から脱落し「3年後 には3分の1とか4分の1に減るだろう」と予想する。

太陽光発電用ウエハーは、太陽電池パネル上で太陽光を吸収し電気エネルギ ーに換える太陽電池セルの基板材料。原料は半導体と同様のシリコンで、世界生 産量の約9割が多結晶シリコンから作られる。

09年春に稼働するSUMCOの新工場は、敷地面積が約5万平方メートルと、 東京ドーム1個分強。第1期分は約145億円を投じ、発電量換算ベースで年300 メガワット分のウエハーの量産をスタートする。重松氏は昨年の発表時の説明会 で「将来はすかさず1.5ギガワット分まで拡張が可能」と説明している。

同社は、和歌山県海南市に建設した太陽光発電用ウエハーの工場で1997年 に生産を始めた。強い磁場を起こした炉の中で多結晶シリコンを1420度の高熱 で溶かし、ウエハーの原型となる全長7メートルのインゴット(塊)を生成する 「電磁キャスト法」と呼ぶ独自技術で製造している。太陽電池で世界2位のシャ ープなどへの主要メーカーに納入実績がある。

SUMCO株の8日終値は前日比135円(5.6%)安の2285円。

--共同取材 Pavel Alpeyev Editor:Kenzo Taniai, Masashi Hinoki

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