債券相場はもみ合いか、景気懸念受けた米株安支え―5年入札控え慎重

債券相場はもみ合いが予想される。前日の米 国株式相場が業績や景気懸念で下落しており、国内株価が続落すれば先物市場 を中心に買い材料視されそう。もっとも、あすに5年利付国債の入札が実施さ れるため、積極的な取引は手控えられそうだ。

東京先物市場の中心限月6月物は、前日の通常取引終値139円77銭付近で 始まった後、日中は139円台半ばから後半で推移しそうだ。8日のロンドン市 場で6月物は、東京終値から23銭高い139円87銭で引けた。清算値は139円 90銭。

8日の先物相場は上昇(利回りは低下)。日米景気減速感の強まりを背景に、 日経平均株価が大幅反落したことを受けて、買い戻しが優勢となった。4月の 新年度入り以降、軟調な地合いが続いていたこともあり、投資家の押し目買い が中期債をはじめ現物債に入り、新発10年債利回りは一時1.315%に低下した。

あす10日に5年利付国債入札が実施される。最近発表の経済指標の弱さも あり、投資家の潜在需要はおう盛とみられるため、入札に対する警戒感は出て いないものの、持ち高調整の売りなどで相場の上値が重くなりそうだ。

日銀総裁に白川氏昇格へ、日銀金融政策決定会合

この日は、政府が7日に提示した白川方明日銀副総裁の総裁昇格、渡辺博 史一橋大教授(前財務官)の副総裁就任とする人事案に対して衆参両院の本会 議で採決が行われる。参院が9日午前10時、衆院が午後零時半に行われる予定。

民主党は8日夜、党本部での緊急役員会で、白川副総裁の総裁昇格案に賛 成することを最終決定したため、白川日銀総裁の誕生は確実視されている。一 方、同党は福田内閣による天下り人事を認めない観点から、副総裁候補の渡辺 一橋大教授に反対する方針を決めた。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、渡辺副総裁案について は、民主党の造反議員が10人規模を出ない限り実現しそうもないとしたうえで、 「副総裁ポストは、空席のまま長期化しそうな様相」だとみている。

日銀はこの日の金融政策決定会合で、当面の金融運営方針を決定する。ブ ルームバーグの調査では、有力日銀ウオッチャー16人全員が現状維持を予想し ている。

10年債利回りは1.3%台前半から半ばか

現物債市場で新発10年物の291回債利回りは、前日の終値1.33%付近で始 まり、日中ベースでは1.3%台前半から半ばで推移すると見込まれる。

日本相互証券によると、8日の業者間取引で新発10年物の291回債利回り は、前日比横ばいの1.345%で取引開始。徐々に水準を下げ、3ベーシスポイン ト(bp)低い1.315%まで低下し、1.33%で引けた。

一方、10年物国債の291回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各 社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると1.325% だった。

米国市場では2年債上昇、株価下落

8日の米国債市場では2年債相場が上昇。3月18日の米連邦公開市場委員 会(FOMC)議事録で多くの会合参加者が今年上半期に景気が縮小する「可 能性が高い」と判断していたことが明らかになり、FOMCが6月まで利下げ を続けるとの見方が広がり、買いが優勢となった。一方、10年債相場は下落し た。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時3 分現在、2年債利回りは前日比5bp低下し1.87%。10年債利回りは2bp上昇 し3.56%。

一方、米株式相場は下落。一部企業が発表した1-3月(第1四半期)決 算が芳しくない結果だったほか、S&L(貯蓄・貸付組合)最大手ワシントン・ ミューチュアルが減配を明らかにし、米金融政策当局者がリセッション(景気 後退)の長期化について懸念を表明するなど悪材料が続いた。

(8日の債券価格)                       前日比      利回り
長期国債先物6月物         139.77       +0.34         1.447%
売買高(億円)             40575
10年物291回債            99.74               1.33%(-0.015)
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