OECD:日銀は利上げ行うべきでない-財政再建のペース加速を(2)

経済協力開発機構(OECD)は7日発表し た対日審査報告書の中で、日本銀行の金融政策について、現在、年0.5%として いる無担保コール翌日物金利の誘導目標を据え置くべきだと主張する一方、財 政政策については健全化のペースを加速すべきだとし、公共投資では一層の削 減余地の可能性があると指摘している。

OECDは、金融政策について「インフレ率が確実にプラスになり、再び デフレに後戻りするリスクが無視できるようになるまで利上げを行うべきでな い」と強調。また日本銀行が中長期的な「物価安定の理解」としている消費者 物価指数のゼロ%から2%について、デフレに対する十分な余裕を確保するた め、下限のゼロ%を引き上げるべきだと主張している。

報告書ではまた、日銀が08年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く)につ いて前年比0.4%の上昇を見込んでいることについて、「当面の追加利上げを正 当化するには十分ではない」と述べている。前回2006年7月に公表した対日審 査でも、OECDは日銀が利上げをすべきでないと指摘していた。

日本銀行は07年2月に無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.5%に引き 上げて以来、金利を据え置いている。日銀が全国の企業を対象に行った企業短 期経済観測調査(短観、3月調査)では、大企業・製造業の業況判断指数(D I)が2期連続で悪化して03年12月以来の低水準となるなど、企業の景況感 は軒並み悪化した。

経済の現状について報告書は、「07年の成長は緩やかになったが、02年に 始まった回復は続く」と指摘、輸出と設備投資に支えられた戦後最長の景気回 復を続けていると評価した。その上で、堅調なアジア向け輸出や企業収益を背 景に、09年末まで1.5-2.0%の成長が続くだろうと予測している。一方、金融 市場の混乱に伴う世界経済の不確実性、賃金の回復の遅れ、改正建築基準法の 影響などをリスク要因として挙げている。

歳出削減は野心的でない

政府が掲げる2011年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバラン ス)黒字化については、毎年の健全化のペースを加速する必要があるとすると ともに、政府債務残高の対GDP(国内総生産)比を安定化させるため、GD P比1-2%の基礎的財政黒字が必要だと訴えている。

また、政府が取り組んでいる5年間の歳出削減計画については、削減の優先 分野が公共投資、公務員人件費、社会保障費であることに触れ、「十分に野心的 なものとは言えない」と厳しい見方を示している。公共投資については、対G DP比は低下しているものの、OECD諸国の平均よりもまだ高く、「さらなる 削減の余地があるかもしれない」と指摘している。

報告書では、財政健全化の実現には今後数年間で対GDP比6%程度の歳 入が必要と指摘し、OECD諸国で最も低い消費税率を引き上げるべきだと主 張している。一方、成長を促進するため、OECD諸国で最も高い法人税率は 引き下げるべきだとしている。

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