日本株:後半持ち直し上昇、商品市況高や円安受け資源関連、電機高い

週明け午前の東京株式相場は反発。前週末 の海外商品市況で原油や金先物相場が軒並み上昇し、業績への恩恵期待から三 井物産やAOCホールディングス、住友金属鉱山といった資源関連株が買われ、 相場全般を押し上げた。外国為替市場の円相場が、主要通貨に対して徐々に円 安方向に振れたことで、日立製作所や富士通など電機株も上昇。主要株価指数 は続落して始まったものの、取引後半にかけて徐々に持ち直した。

午前終値は日経平均株価が前営業日比57円17銭(0.4%)高の13350円39 銭、TOPIXは同6.08ポイント(0.5%)高の1295.02。東証1部の出来高は 概算8億2155万株、売買代金は9776億円。値上がり銘柄数は906、値下がり銘 柄数は679。業種別33指数は25業種が上昇し、8業種が下落。

RBCインベストメントの武田洋二ファンドマネジャー(香港在勤)は、 資源関連株について「商品価格の上昇基調を追い風に、商社などは新年度も非 常に強い業績見通しを示してくる可能性が高く、投資家の間では買い安心感が 強い」と話していた。

朝安後にプラス転換

日経平均は1カ月足らずの間で1600円近く上昇し、「ひとまず利益確定や 戻り待ちの売りが出やすいタイミング」(立花証券の平野憲一執行役員)だっ たこともあり、この日の日本株は売り先行で始まった。ただ、日経平均は1万 3200円台で底堅い推移が続き、市場では「製造業にとっては原材料コストの負 担増、金融機関には証券化商品などの評価損計上といった業績関連の悪材料が 目立つ割に、底堅い相場」(東洋証券ディーリング部の児玉克彦シニア・スト ラテジスト)との声が聞かれた。

外国為替市場の円相場が、時間の経過とともに弱含む動きとなったことを 受け、輸出関連株の一角が買い戻され、日経平均、TOPIXともに午前10時 過ぎにプラス転換。東証証の児玉氏によると、米国経済のリセッション(景気 後退)は現状の相場水準にすでに反映されつつあり、「外部環境が急激に悪化 するリスクは減退しているため、下値での値ごろ感を背景とした買いが入りや すくなっている」という。

NY原油、金市況など高い

前週末4日のニューヨーク原油先物相場は急反発。先物5月限は前日比

2.3%高の1バレル=106.23ドルで終えた。3月の米雇用統計で非農業部門雇用 者数が3カ月連続で減少し、米経済のリセッション(景気後退)懸念が一段と 強まり、ドルが軟化。ドル建ての原油取引に割安感が出たことが買いを誘った。 また、ニューヨーク市場で金先物も上昇したほか、同日のロンドン金属取引所 (LME)では、銅やニッケルなどが軒並み上昇した。

こうした商品相場の上昇を背景に、石油元売株や総合商社株、非鉄金属株 に投資資金が流入。三井物は6%超上昇、AOCHDは5%超上げた。

米雇用悪化、金融には国内外で材料

米労働省が4日に発表した3月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 は前月比8万人減少した。エコノミスト予想の中央値は5万人減だった。また、 家計調査による3月の失業率は5.1%と、2月の4.8%から上昇。2年半ぶりの 高水準を記録した。このほか、4日には格付け会社のフィッチ・レーティング スは金融保証会社(モノライン)最大手、米MBIAの資本が最上級格付けの 適正水準に達していないとして、同社保険部門の格付けを「AAA」から2段 階引き下げ、「AA」とした。

米景気後退の可能性が現実味を帯び、金融不安も根強く、北米依存度の高 い自動車、銀行や証券など金融株は総じて敬遠された。証券株では、大和証券 グループ本社が債券評価損などで1-3月期が最終赤字に転落したことも売り 材料。銀行株にも固有のマイナス材料が出ており、5日付の日本経済新聞朝刊 は、大手銀行6グループの前期(08年3月期)連結純利益の合計が1兆5000億 円規模と、1年前に比べて4割超の大幅減益になったもようと報じている。

鉄鋼軟調が重し

このほか、新日本製鉄が豪英系資源大手BHPビリトンと08年度の鉄鋼原 料用石炭(原料炭)の価格を07年度に比べ約3倍に引き上げる見通しになった と5日付の日経新聞朝刊が報じたことを受け、コスト負担増への懸念を背景に 新日鉄をはじめ鉄鋼株は売られ、東証鉄鋼株指数は2.4%安と全33指数の中で 下落率トップ。

クリードや伊藤園に買い、電力やガスは安い

個別では、保有不動産の売却益と賃料収入が順調に増え、07年6月-08年 2月の累計連結純利益が前年同期比21%増となったクリードが急反発。果実飲 料やコーヒー飲料の好調で、3月の売上高が前年同月比2.5%増の伊藤園は大幅 続伸。4日の取引時間中に発表した3月の既存店売上高が前年同月比でプラス に転じたタカキューが大幅続伸。このほか上昇率上位には、シルバー精工、三 井松島産業、鈴丹など株価水準が中低位の銘柄が目立つ。

半面、ゴールドマン・サックス証券が電力・ガスセクターの投資判断を「ア トラクティブ」から「ニュートラル」に引き下げ、東京電力や大阪ガスなどが 安い。原材料高騰などによる利益率の計画未達のほか、保有する子会社株式の 減損損失が響き、08年2月期の連結純利益が前の期と比べ91%減となった吉野 家ホールディングスは急反落。売り上げの伸び悩みと有価証券評価損の計上で、 08年2月通期の連結純利益が前の期比59%減となった東京スタイルも安い。

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