4月7日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:上昇。経済成長の鈍化がテクノロジー企業の業績を損ねるとの不安が 根強いものの、S&L(貯蓄・貸付組合)最大手ワシントン・ミューチュアルが 50億ドルの出資を受けるとの観測が好感されて地合いが改善した。

ワシントン・ミューチュアルはほぼ25年ぶりの大幅高を記録。同行はバラ ンスシート強化のために資金注入を求めてプライベート・エクイティ(PE、未 最大手ワシントン公開株)投資会社と交渉している。原油価格がバレル当たり2 ドル以上急騰したほか、ガソリン価格が最高値を記録したことが材料となり、石 油大手のエクソンモービルも上昇した。

一方、半導体のブロードコムを中心にテクノロジー株は下落。調査会社iサ プライが携帯電話やデジタルカメラに使用するメモリーチップの売上高予想を下 方修正したのが嫌気された。

S&P500種株価指数は前週末比2.14ポイント(0.2%)上げて1372.54。 ダウ工業株30種平均は同3.01ドル高の12612.43ドル。ナスダック総合指数 は6.15(0.3%)下落して2364.83。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の 騰落比率は10対9。

リーマン・ブラザーズ・プライベート・インベスト・マネジメントの株式ス トラテジスト、シメオン・ハイマン氏は、「流動性ひっ迫の緩和がみられ始めて いる。金融サービス部門への投資を強化し、資金を注入している投資家が幅広く いる。ただボラティリティーという面については、視界が良好だとは考えていな い」と語った。

金融株に買い

この日は金融株がS&P500種の上げを支えた。ワシントン・ミューチュア ルの出資交渉を手掛かりに銀行が世界的な信用損失を乗り越えられるとの観測が 広がった。

ワシントン・ミューチュアルは29%高。前日までの1年間で同社は時価総額 の74%を失っていた。匿名関係者によるとプライベート・エクイティ(PE、未 公開株)投資会社TPG率いる企業連との交渉はかなり進んだ段階にある。TP Gとワシントン・ミューチュアルの広報担当はいずれもコメントを避けた。

米証券メリルリンチが欧州銀行の株式投資判断を引き上げたことも金融株の 買い手掛かりとなった。

ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均では、S&P500種採用企 業の第1四半期利益は前年同期比で11.3%減少すると予想されている。

原油価格の急騰やガソリン最高値を手掛かりにエクソンモービルのほか、シ ェブロンも値上がりした。

小売株は苦戦

一方、原油高を嫌気して、小売株は産業別24指数のなかで最も売りを浴び た。百貨店のディラードや99セントストアを展開するファミリー・ダラー・ス トアーズはいずれも売られた。

自動車のゼネラル・モーターズ(GM)はダウ工業株30種平均の銘柄のな かで値上がり率2位。サプライヤーで起きているストライキが終了する可能性が あるとの観測が背景。GMのライバルメーカー、フォード・モーターも米金融紙 バロンズが株価上昇の可能性を指摘したことが好感され、買われた。

検索エンジン大手ヤフーは下落。米マイクロソフトはヤフーに提示した買収 案について、ヤフーの取締役会が3週間以内に同案を受け入れない場合は株主に 直接働きかけると述べている。

○米国債:相場は下落。米連邦準備制度理事会(FRB)が一段の景気 悪化の抑制へ十分な措置を講じたとの見方が強まったことから、国債 需要が弱まった。2年債利回りは2月以来の高水準を付けた。

信用市場に安定の兆候が見えてきたとして、高利回り資産への投資 意欲が戻り、2年債相場が下落。米S&L(貯蓄・貸付組合)最大手ワ シントン・ミューチュアルが資本を増強するとの観測を受けて、株価が 上昇したことも手がかりとなった。

みずほ証券USAの米国債トレーディング共同責任者、セオドア・ エーク氏は「市場は最悪期が過ぎ去ったと感じているため、2年債から のリターンには期待できない。打ちのめされていた信用スプレッドの方 が米国債よりも良く見える」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後 4時5分現在、2年債利回りは前週末比12ベーシスポイント(bp、1bp =0.01ポイント)上昇し1.94%。2年債価格(表面利率1.75%、2010 年3月償還)は約1/4下落し、99 20/32。利回りは一時、2月28日以来 の高水準となる1.99%を付けた。10年債券利回りは前週末比9bp上 昇の3.56%。

2年債に対する10年債利回りの上乗せ幅は1.62ポイントと、2カ 月あまりで最小となった。

資本増強

プライベート・エクイティ(PE、未公開株)投資会社のTPG率 いる企業連合がワシントン・ミューチュアルへの出資を検討しているこ とが事情に詳しい関係者の話で明らかになった。ブルームバーグが集計 したデータによると、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ロー ン市場の崩壊により、金融機関が計上した評価損はこれまでに2300億ド ルを超えており、過去1年に外部からの出資を受け入れた銀行や証券会 社は少なくとも14社に上っている。

RBSグリニッチ・キャピタルの米国債戦略責任者、デービッド・ アダー氏はこの日、顧客向けリポートで、「市場はこれを米経済や住宅 市場に対する良好な兆候だと解釈している」と指摘した。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利 先物相場の動向によると、米連邦公開市場委員会(FOMC)が30日の 定例会合でFF金利の誘導目標を0.5ポイント引き下げる確率は34%。 1週間前には同確率は52%だった。

FRBの政策

8日には3月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が 発表され、FOMCが一連の大幅利下げを終結する兆候が示される可能 性がある。FOMCは昨年9月以来3%の利下げを実施しており、FR Bは金融機関に対し緊急支援を実施した。FRBは7日、期間28日のタ ーム物資金入札(規模500億ドル)の最低応札レートを2.11%に設定し た。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAのストラテジスト、ア レックス・リー氏(ニューヨーク在勤)は「FRBの政策が取られて以 来、信用市場の状況は安定しつつあるようだ」と語った。

社債発行も復活しており、ブルームバーグがまとめたデータによる と、銀行大手シティグループとニューヨーク市の電力会社コンソリデー テッド・エジソンなどを中心に先週の社債発行額は268億ドルと、過去 3カ月で最大となった。

○NY外為:円とスイス・フランがすべての主要通貨に対して下落。信用市場で の損失が拡大するとの懸念が後退し、低金利の日本やスイスで資金を調達し、高 利回り通貨で運用する動きが活発になった。

企業連合が米S&L(貯蓄・貸付組合)最大手ワシントン・ミューチュア ルへ50億ドルの出資を検討していることが明らかになり、ドルやユーロに対 して円が下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)による利下げ局面が終 わりに近いとの見方からドルは対ユーロで上昇した。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツの国際通貨戦略の責任者、ア ラン・ラスキン氏は「金融セクターに対する楽観的なムードが広がり始めてい る。リスク許容度が上昇すれば、円やスイス・フランが軟化する」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時12分現在、円は対ドルで1%下げて1ドル= 102円46銭。前週末は101円47銭だった。ユーロに対しては0.8%下落し、 1ユーロ=160円92銭(前週末は159円69銭)。ドルはユーロに対して

0.2%上げて1ユーロ=1.5706ドル。前週末は1ユーロ=1.5737ドルだっ た。スイス・フランはユーロに対し、1ユーロ=1.5922フランに下落。対ド ルでも1ドル=1.0136フランに下げた。

ポールソン米財務長官がマイアミでの演説で、景気が劇的に減速したとの 見解を示すと、円とスイス・フランは下げ渋った。

オンライン外為取引会社ゲイン・キャピタル傘下のフォレックス・ドッ ト・コムの為替チーフストラテジスト、ブライアン・ドラン氏は「安ど感から のドルの戻し局面は長過ぎる。ドルは数日のうちに対円で103円を上抜いて取 引を終えないと、伸び悩むリスクがある」と指摘した。

ポンドは0.4%安の1ポンド=1.9862ドル。ブルームバーグ・ニュース のエコノミスト調査によると、イングランド銀行(英中央銀行)は10日に

5.25%の政策金利を0.25ポイント引き下げるとみられている。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数 は72.180に上昇。前週末は72.021だった。3月17日には70.698の過去 最安値を付けていた。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシニア通貨ストラテジスト、メグ・ブ ラウン氏は「ドルの先行きに悲観が緩和され始めている」と述べた。

円安

円は南アフリカ・ランドに対して2.1%安。ニュージーランド・ドルに対 しても1.9%下げた。低金利の円で資金を調達し、高金利通貨で運用する「キ ャリー取引」が活発になった。

ブルームバーグ・ニュースの調査ではエコノミスト41人全員が日銀が9 日に政策金利を0.5%で据え置くと予想している。JPモルガン・チェースの 計算によると、金利先物相場が示す日銀が年末までに利下げを実施する確率は 59%。

米連邦制度理事会(FRB)が3月14日にベアー・スターンズへの緊急 支援を発表して以来、円は対ドルで3.4%下落。ユーロに対しては3.7%下げ ている。

ソシエテ・ジェネラルの通貨ストラテジスト、フィリス・パパデービッド 氏は「先週からリスク許容度が高まっている。金融当局は流動性供給の用意が あることを打ち出している」と述べた。

○英国債:相場は下落。株式相場が続伸したのに加え、クレジットデフォルト・ スワップ(CDS)取引で社債保有リスクが低下したことを受け、安全投資とし ての国債需要が減退した。

2年債利回りは前週末比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ

3.99%。同国債(償還2009年12月、表面利率5.75%)価格は0.09ポイン ト下 げ102.80。10年債利回りは7bp上げ4.50%となった。

RIAキャピタル・マーケッツのストラテジスト、ニック・スタメンコビッ チ 氏は、「リスク志向が引き続き改善している結果として、安全投資から資金が 流出している」と指摘。「株式相場は持ちこたえており、国債の調整は当面続く だろう」との見方を示した。同氏は2年債利回りが1カ月以内に3.8%に低下す る可能性があるとみている。

○欧州債:相場は2週間ぶりの大幅下落となった。株高に加え、欧州中央銀行(E CB)の政策担当者らが景気減速よりもインフレを警戒しているとの見方を示唆 したことが背景。

独10年債利回りは2月末以来の高水準に上昇した。ECBのトリシェ総裁 は政策担当者らがインフレ抑制に引き続き注力していると述べ、ECBが今週利 下げに踏み切らないことを示唆した。

クレディ・スイス・グループの債券ストラテジスト、カーステン・リノウス キー 氏(チューリヒ在勤)は「現時点で、株式と国債利回りの間に極めて高い相 関関係がみられるため、欧州国債は一段安となっている」と指摘。「2-3週間 前と比較して、市場関係者はより積極的にリスクを取ろうとしているようだが、 ちょっとした悪い材料で国債相場は容易に反発する」との見方を示した。

ロンドン時間午後5時6分までに、独10年債利回りは前週末比7ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上げ4.02%と、2月28日以来の高水準と なった。同国債(2018年1月償還、表面利回り4%)価格は0.60ポイント低 下し99.81。2年債利回りは同8bp上げ3.57%。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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