ソロス氏:市場メカニズムへの過信、「スーパーバブル」の元凶-著書

米投資家ジョージ・ソロス氏は過去20年に わたり、市場は常に均衡を取り戻す方向に動くという理論に異を唱えてきた。

今回の金融大混乱は、この理論には問題があるばかりでなく、危険ですら あることを存分に示した。

ソロス氏は今週オンラインで発表された著書「The New Paradigm for Financial Markets」の中で、世界は今、大恐慌以来で最悪の金融危機に直面し ていると指摘。危機の元凶は低コストの資金や膨大なレバレッジ、複雑で難解 な金融商品などで負荷がかかっても、市場には自ら修正する機能があるという 誤った信念だったとの理論を展開している。

ソロス氏は「市場が常に均衡に向かって動くという信念が、現在の混乱の 直接の原因だ」として、この理論が「規制当局が責任を放棄し、行き過ぎの修 正を市場メカニズムに委ねる根拠になった」と指摘した。

解決法として同氏は、一部の金融商品の廃止や融資抑制、クレジット・デ フォルト・スワップ(CDS)の取引所または決済機関を創設することなどを 提案している。

ソロス氏はまた、自身の資産を守るために駆使しているトレーディング手 法を少しだけ紹介した。米国と欧州の株式、ドル、10年物米国債の下落に賭け、 ドル以外の通貨と中国、インド、湾岸諸国の株式に投資したという。

やや読みにくい書物ではあるが、バンカーやヘッジファンド運用者、規制 当局者は注目すべきだ。ソロス氏は信用バブルが巨大化した原因の核心に切り 込んでいる。同氏は、われわれが経験しているのは通常のブームと破裂ではな く「スーパーバブル」だとした上で、このスーパーバブルはレーガン米大統領 やサッチャー英首相の時代に、市場のメカニズムがすべてを解決するという信 念の下に膨らみ始めたのだと解説している。

書籍版は5月に発売される。

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