東京外為:ドルもみ合い、米雇用弱含み警戒で上値重い-実需の買いも

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=102円台前半から半ば近辺でもみ合った。この日は米国の景気動向を 見極める上で注目される雇用統計の発表を控え、弱含み警戒感からドルの上値 は重い。半面、この日は決済集中日にあたることから、国内輸入企業を中心と したドル買い・円売り需要が観測され、ドルの下値は限定的となっている。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の斎藤裕司部長は、朝方から国 内の実需に絡むドル買い需要が観測され、102円台後半までドルの上昇が見込ま れていたと説明。ただ、実需要因がはけてくる午後にかけては、雇用統計を前 に様子見姿勢が強まっていくとしたうえで、「3カ月連続で雇用がマイナスと なれば、景気後退への警戒感がより強まることから、ドルの上値は重い」とみ ている。

実需要因で102円59銭まで円が軟化

米国の雇用統計を控えて、積極的な取引が手控えられるなか、この日は企 業の決済が集中する「五・十日(ごとおび)」の前日にあたることから、市場 では国内輸入企業の決済に絡んだドル買い・円売りが膨らむとの観測が聞かれ ていた。

そうしたなか、102円台前半でこの日の東京時間早朝の取引を迎えたドル・ 円相場は、公表仲値が設定される午前10時にかけて円がじりじりと水準を切り 下げ、午前10時10分には102円59銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同 じ)までドル高・円安が進んだ。

ドルの上値では国内輸出企業のドル売りも出やすいが、「前日の取引で102 円95銭まで上昇していることから、同水準を上回るところまでは売りの動きは 鈍い」(ソシエテ・ジェネラル銀・斎藤氏)といい、午前の取引終盤は102円 台半ば近辺で小幅な値動きに終始した。

米失業保険申請、カトリーナ襲来直後に迫る

米労働省が3日に発表した3月29日に終わった1週間の新規失業保険申請 件数(季節調整済み)は前週比3万8000件増の40万7000件と、ハリケーン「カ トリーナ」来襲直後の2005年9月以来の水準にまで増加。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめた市場予想の36万6000件も上回った。

この日は、3月の米雇用統計が発表されるが、市場の予想では非農業部門 の雇用者数は前月比で5万人の減少が見込まれており、予想通りとなれば、3 カ月連続の雇用減となる。

ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、「きょうの雇用統計 ではとりあえず雇用の減少が予想されており、仮にマイナス10万人というよう なことになれば、ちょっとという感じになる」として、ドルの上値は重いとみ ている。

2日には、給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセ ッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズがまとめた給与名簿に基づく 集計調査で、3月の雇用増が示され、労働省発表の雇用統計に期待感が生じて いたが、新規失業保険申請件数の増加で期待がはげる格好となった。

市場では、「雇用統計については、市場予想の強弱が修正されて、中立的 になったことから、結果に対して素直に反応しやすい」(三菱UFJ信託銀行 資金為替部・清水昭男グループマネージャー)との指摘が聞かれ、この日の東 京時間には思惑先行で一方向に傾いた動きは見込みにくい面もある。

欧州当局がユーロ高けん制

一方、ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.5511ドルと、 3月25日以来の水準までユーロ安・ドル高が進んだあと、再びユーロが値を戻 す展開となり、この日の東京時間では1.56ドル台で取引されている。

全般的なドル安基調がくすぶるなかで、ユーロが高止まりの状況となって いることから、ユーロ圏の当局者からはけん制発言が目立ち始めている。3日 にはフランスのラガルド財務相がパリで記者団に対し、「ユーロとドルだけで なく、すべての通貨との関係において過剰なボラティリティや実体経済へのひ ずみがみられ、これは国内企業およびユーロ圏内の輸出企業にとっては好まし くない」と発言している。

また、欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ウェリンク・オラ ンダ中央銀行総裁もアムステルダムでの記者会見で、ユーロ相場が「困難が大 きくなり始める水準に徐々に近づいている」と述べている。

こうした発言を受けて、ユーロが伸び悩む展開となれば、ドルの買い戻し が促されて、対円でもドルが底堅い推移となる可能性もある。

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