日本株(終了)自動車中心に4日ぶり反落、米雇用不透明や格下げ響く

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週末の東京株式相場は4日ぶりに反落。米 国の雇用低迷が個人消費に与える悪影響を警戒し、トヨタ自動車が終値で4日 ぶりに5000円を割り込むなど自動車株中心に下げた。自動車株には、アナリ ストによる弱気判断が相次いでいることも逆風。電機や機械株も安く、需要減 速や原料コスト上昇が懸念された鉄鋼株の下げもきつい。米雇用統計を控え、 売買高は低調だった。

三井住友アセットマネジメント国内株式アクティブグループの生永正則ヘ ッドは、「急速な戻り相場で短期過熱感も出ていたことから、雇用統計を前に ポジション調整の動きが強まった」との見方を示した。4月後半からの決算発 表が迫りつつあり、「特に例年慎重な期初予想を出す自動車業界は持ちにく い」(同氏)という。

日経平均株価の終値は前日比96円68銭(0.7%)安の1万3293円22銭、 TOPIXは10.70ポイント(0.8%)安の1288.94。東証1部の売買高は概算 で18億4009万株と3日ぶりの20億株割れ。売買代金は同2兆1629億円。値 上がり銘柄数は458、値下がり銘柄数は1167。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が10、値下がり業種が 23。卸売、食料品、その他製品、電気・ガス、その他金融が高い。半面、輸送 用機器、電気機器、機械、鉄鋼、化学、保険、情報・通信は安い。

米個人消費への懸念

為替は落ち着きを示していたものの、米個人消費の悪化が企業業績に与え る影響が意識され、相場は戻り一服となった。米国の新規失業保険申請件数 (季節調整済み、3月29日に終わった1週間)は前週比3万8000件増加し、 ハリケーン「カトリーナ」来襲直後の2005年9月以来の高水準だった。ブル ームバーグ調査によれば、3月の非農業部門雇用者数のエコノミスト予想は前 月比5万人減。3カ月連続の減少となれば2003年以降で最長となる。

雇用情勢の悪化から米国の個人消費に対する不透明感は強まっており、特 に今年に入ってからは雇用統計が株価を大きく動かす傾向がある。「このとこ ろ米国株市場は急速に戻してきているだけに、雇用統計後にさらに大きく買い 戻す展開は想定しにくい」(ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部 長)と警戒された。

さらに日経平均は、今年度入りから前日までの3日間で864円(6.9%) 上昇、25日移動平均線からのかい離率も3日時点で5%超と、テクニカル指標 から短期的な過熱感も出ていた。十字屋証券の岡本征良投資情報室長は、「3 月最終日で決算を落とし、それを新しい値段としてスタートしており、皆が評 価益になっている」と指摘。売り圧力の出やすかった事情を説明していた。た だ、金融不安への過度な不安が後退している上、13週移動平均(1万3266 円)をきょう終値で07年11月2日以来、約5カ月ぶりに回復するなど相場の 底入れ期待が出ているのも事実で、朝方の安値169円安の1万3220円を下回 ることなく、ローソク日足は陽線を保った。

すそ野広がる自動車への懸念

業種では自動車株の下げがきつい。野村証券金融経済研究所などに続き、 3日付でゴールドマン・サックス証券も自動車セクターの投資判断を「コーシ ャス(慎重)」へ引き下げた。T&Dアセットマネジメントの天野尚一運用統 括部長は、「『住宅と自動車』は米国の消費の象徴であり、証券会社による自 動車メーカーの格下げは、米経済減速が日本企業に及ぼしつつある影響の『1 つの表れ』」と見ていた。輸送用機器は、東証1部の業種別下落率で2位。

ゴム製品や鉄鋼、機械など自動車業界が需要の一部を支える業界も、東証 1部の業種別下落率上位に並んだ。東洋証券の児玉克彦シニア・ストラテジス トによると、「すそ野の広い自動車業界の販売状況が悪化していることは、09 年3月期業績全体に厳しい影響を与える可能性がある」という。

日本の鉄鋼業は自動車に使われる薄型製品を得意としており、「自動車の 需要低迷は日本の鉄鋼業にとってつらい」(T&Dアセットの天野氏)。鉄鋼 は国内需要の減退観測も高まっている上、足元の原料炭価格の値上げ状況を反 映すればコスト上昇が予想以上に増加するとの見方も下げを拡大させた。

マクロからミクロへ、業績反応度大きく

決算発表シーズンが接近し、市場では徐々にマクロからミクロへ関心が移 りつつある。そうした動きを象徴するように、業績発表や収益動向が注目され た個別銘柄への株価反応度は大きくなった。

建築基準法改正の影響が長引き、09年3月期も減益になる見通しのアドヴ ァンが値幅制限いっぱいのストップ安。08年11月期の連結営業利益予想を引 き下げた津田駒工業、原材料価格高や円高で利益予想を減額の千代田インテグ レも急落。在庫急増が不安視されたポイントはストップ安となり、08年3月期 業績が従来予想を下回ったもようの長谷工コーポレーションも大きく売られた。

半面、09年2月期は連結営業利益で前期比12%増を目指すしまむらが

6.4%高と大幅高。前日午後に09年2月期の最終黒字見通しを示した鈴丹は連 日のストップ高で、東証1部の上昇率1位。3月の既存店売上高が4カ月ぶり に前月比プラスだったタカキューが午後急伸、製品値上げへの期待が高まった 山崎製パンなども上げが目立った。韓国で毒性の強い鳥インフルエンザが初め て見つかったと伝わり、抗ウイルス不織布を手掛けるダイワボウも急騰。

新興3市場も反落

国内新興3市場も反落した。ジャスダック指数の終値は前日比0.04ポイ ント(0.1%)安の65.11、東証マザーズ指数は8.64ポイント(1.4%)安の

614.85とそれぞれ3日ぶり反落。大証ヘラクレス指数は9.04ポイント (0.9%)安の985.47と4日ぶりに下落した。

個別銘柄では、08年3月期業績が従来予想を下回ったもようと発表したイ ントランスが急落。フィデリティ投信の保有株が減少したことが明らかになっ たサミーネットワークスは4日ぶり反落した。楽天、セブン銀行、ミクシィも 軟調。半面、08年2月期業績が予想を上回ったようだと発表したテイツー、ア ルバイトタイムズがそれぞれ高い。プロデュース、ぐるなびも上げた。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

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