エルピーダ:半導体ファウンドリー参入で3年後に1000億円-坂本社長

日本で初めて半導体受託製造を本格的に行う ファウンドリー事業への参入を決めたDRAMメーカー国内最大手、エルピーダ メモリは、ゲーム機やデジタル家電向けなどのシステムLSI(大規模集積回 路)で2010年度に1000億円程度の売上高を目指す。

坂本幸雄最高経営責任者(CEO)が3月28日のブルームバーグ・テレビ ジョンのインタビューで明らかにした。今後3年間に500億円程度を投資。広島 工場の直径300ミリメートルウエハーラインを活用し、09年1-3月期に量産 を立ち上げ、「ゲーム機用のグラフィックス、デジタルカメラや薄型テレビ用な ど主に画像処理LSIを作りたい」としている。

同社はパソコン(PC)やデジタル家電の主要メモリーのDRAMを手掛け るが、市況変動の影響が大きく収益は不安定。ロジックファウンドリーは、他社 からのシステムLSI製造請負に特化したビジネスモデルで、DRAMより収益 の振れが小さい。これをもう1つの事業の柱に育て収益を安定させたい考え。D RAMだけで成長を続けるには限界が来つつあるとの認識も示した。

参入に当たりファウンドリー世界2位の台湾UMC(聯華電子)と提携。エ ルピーダは日本企業の受注活動、UMCは技術面などを分担し生産は別々に行う。 日本での売上高が全社の2%しかないUMCと、収益の安定・拡大を狙うエルピ ーの思惑が一致した。

装置を有効活用

広島工場では、最も製造プロセスが古い回路線幅90ナノ(ナノは10億分の 1)メートルのラインを転用、月10万枚超の生産能力のうちまず月3万枚分を ファウンドリー用に充て、需要に応じ月5万枚へ増やす。

同工場の300ミリラインに累計6700億円を投じてきたが、「DRAMの製 造装置は寿命が短く3年くらいであっという間に陳腐化」(坂本氏)し、減価償 却が終わるころには装置の世代交代が進みコスト競争力を保てない。装置をシス テムLSIに転用すれば「最大15年まで使えるので有効活用できる」(同)と 判断した。

90ナノのラインは08年中に減価償却が峠を越すため、坂本氏は「ファウン ドリー事業は初年度から利益が出るのではないか」とみる。広島工場のDRAM の生産能力は減るが、提携先の台湾の半導体メーカー、力晶半導体(パワーチッ プ、PSC)との合弁会社「レックスチップ」のライン増強で対応する。

受注活動も開始

坂本氏は、東芝、ルネサステクノロジ、NECエレクトロニクス、富士通な どの半導体メーカーや、家電メーカーへの受注活動を開始、「装置の買い取りや 技術者の採用などの提案もした」と言う。「日本にも長年、ファウンドリー設立 構想はあったが、一度も実現していない。当社がそれを提供すれば、ファウンド リーが必要と主張している会社はオーダーを出すだろう」と語った。さらに将来 のファンドリーを軸とした業界再編も視野に入れている。

業界の反応は、システムLSIで国内最大手のルネサスが「生産の外部委託 を進めている中で、コスト競争力があれば選択肢の1つではある」(伊藤達会長 兼CEO)、同2位のNECエレは「個別案件の交渉についてコメントは控え る」(広報部の斎藤久氏)としている。三菱UFJ証券の嶋田幸彦アナリストは 「メモリーとロジックLSIでは工程や工程数などが全く異なる。虎の子の広島 のラインの効率を損なう懸念を払拭(ふっしょく)できない」などとして、ファ ウンドリー参入は「必ずしもポジティブにはとらえられない」との見解を示した。

米ハイテク調査会社アイサプライによると、07年の世界のファウンドリー 市場は197億3300万ドル(約2兆円)。最大手の台湾TSMCのシェアが

49.4%と過半数を占め、2位のUMCが16.5%だった。04年との比較で市場は 19%の成長を遂げている。

エルピーダ株の3日終値は前日比200円(5.5%)高の3840円。

--共同取材 小笹俊一  Editor:Kenzo Taniai, Kenshiro Okimoto

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 中島 三佳子 Mikako Nakajima +81-3-3201-8312 mikako@bloomberg.net

Pavel Alpeyev +81-3-3201-2137   palpeyev@bloomberg.net 東京 小笹 俊一 Shunichi Ozasa +81-3-3201-3624   sozasa@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:

大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net ソウル Young-Sam Cho +82-2-3702-1639 ycho2@bloomberg.net

Mikako Nakajima YUKIO SAKAMOTO 

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE