4月3日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:反発。朝方は失業保険申請件数の増加とローン返済遅延の増加を嫌気 して軟調に推移していたが、商品関連銘柄の買いに支えられたほか、証券大手の メリルリンチが十分な資本を確保しているとの報道が好感され、買い優勢に転じ、 今週3日目の上昇相場となった。

メリルをはじめ金融株に買いが入り、S&P500種の金融株価指数は上昇に 転じた。日本経済新聞は米証券大手メリルリンチのジョン・セイン会長兼最高経 営責任者(CEO)がインタビューで、すでに十分な自己資本を確保したので増 資の必要はないと語ったと報じた。商品市場ではトウモロコシが過去最高値を更 新、これを好感して遺伝子組み換え(GM)穀物開発最大手のモンサントが買わ れた。一方、インターネット小売り最大手のアマゾン・ドット・コムや家電量販 大手のベスト・バイなど小売株は軟調。S&P500種の小売り株価指数は業種別 24指数のうちで最大の下げとなった。

ナイト・エクイティ・マーケッツ(ニュージャージー州ジャージーシティー) の機関投資家向けセールス担当マネジングディレクター、ピーター・ケニー氏は メリルCEOの発言について、「恐ろしい流動性ひっ迫もようやく峠を越しつつ あるとの市場の期待を確認する内容だ」と述べ、「相場が好転するきっかけにな った」と付け加えた。

S&P500種株価指数は前日比1.78ポイント(0.1%)高の1369.31。ダ ウ工業株30種平均は同20.20ドル(0.2%)高の12626.03ドル。ナスダック 総合指数は1.9ポイント(0.1%)高の2363.30。ニューヨーク証券取引所(N YSE)の騰落は上昇銘柄998に対し、下げ銘柄859。

S&P500種は前日の下げの大半を帳消しにし、前週末からは4.1%の値上 がりとなった。セインCEOの発言が報じられた後、金融株に買いが入り、市場 全体の回復を先導した。2320億ドル規模に膨らんだ信用損失や資産評価損から 金融セクターが持ち直すとの期待が高まった。

「十分な自己資本を確保」

メリルリンチの株価は1.2%高。一時は3.4%安に下げていた。

日本経済新聞はメリルのセインCEOがインタビューで、「すでに十分な自 己資本を確保したので、第3次増資の必要はない」と語ったと報じた。同紙によ ると、セインCEOは3月末時点で昨年末の約800億ドルと同水準の手元流動性 を維持していると指摘した。メリルの広報担当、ジェシカ・オッペンハイム氏は 発言内容を確認した。

メリルが3月17日に発表した2007年10-12月期(第4四半期)決算は 過去最大の赤字となった。同社は同月、シンガポール政府系投資会社のテマセク・ ホールディングスなど複数の投資家グループから120億ドルの資金を受け入れ た。住宅ローン資産に関連した評価損が膨らむ中、世界の大手金融機関が資本増 強のために政府系ファンドや民間投資家グループから調達した資金は総額で約 1360億ドルに達した。

シティグループも上昇。S&P500種の金融株価指数は0.4%上げた。

モンサント、フリーポート

自動車ローンやクレジットカードローン、ホームエクイティ(住宅の持分担 保)ローンなど消費者ローンの延滞率が1992年以来で最悪だったとの米銀行協 会(ABA)調査を嫌気し、金融株価指数は朝方は下げていた。

モンサントは急伸。トウモロコシ価格は1ブッシェル当たり6ドルを突破、 過去最高値を記録した。クレディ・スイス・グループのアナリストはモンサント の除草剤とトウモロコシ種子の需要好調を理由に、2008年と09年の利益見通し を引き上げた。

金属価格の上昇を背景に、フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ ゴールドも買われた。

オークブルック・インベストメンツ(イリノイ州ライル、運用資産約120億 ドル)のポートフォリオマネジャー、ジリ・チェルクーリ氏は「景気は全般に目 に見えて減速しているが、金融や住宅以外のセクターは一部で言われているほど には悪化していないようだ」と述べた。

RIM、シェリング・プラウ

携帯電子メール端末「ブラックベリー」を製造・販売するカナダのリサーチ・ イン・モーションは大幅高。同社は2日、3-5月期(第1四半期)の売上高が 最大23億ドルに達し、前年同期の2倍になるとの見通しを示した。同社見通し はブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均、20億1000万ドルを上回った。 これを受けて同社が景気悪化や米アップルとの競争による影響を克服できるとの 見方が広がった。

米製薬大手のシェリング・プラウも上昇。同社は2日、人員の1割削減と工 場閉鎖で15億ドルの費用節減を目指すと発表した。コレステロール降下剤「バ イトリン」の優位性が専門医のパネルに否定されたことから、同社株価は前日ま での3日間で29%下げていた。

アマゾンやベスト・バイなどが売られ、S&P500種の小売り株価指数は

0.9%下げた。

米労働省が発表した3月29日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季 節調整済み)は前週比3万8000件増加の40万7000件と、ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値36万6000件を上回った。

○米国債:10年債が小幅ながら3日ぶりの反発。4日発表の雇用統計で非農業部 門雇用者数が3カ月連続で減少するとの思惑から買いが優勢になった。

新規失業保険申請件数が増加し、米供給管理協会(ISM)非製造業景況 指数がサービス業活動の縮小を示したため、買いが先行した。しかし、償還期 限が5年以内の米国債はその後に伸び悩んだ。バーナンキ米連邦準備制度理事 会(FRB)議長は2日の議会証言で、米国がリセッション(景気後退)入り する可能性に初めて言及した。

シティバンク・グローバル・ウェルス・マネジメントの債券部門ディレク ター、ドン・アレグザンダー氏は「米国は緩やかなリセッションに突入するだ ろう。強弱まちまちの経済指標が増えているが、すべて景気減速を示してい る」と指摘した。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時 41分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)低下し3.58%。10年債価格(表面利率3.5%、2018年2月償 還)は5/32上昇し、99 10/32。

2年債利回りはほぼ変わらずの1.89%。10年債との利回り差は1.68ポ イントと、2月6日以来で最小。

米労働省が3日に発表した3月29日に終わった1週間の新規失業保険申 請件数(季節調整済み)は前週比3万8000件増加の40万7000件と、ハリ ケーン「カトリーナ」来襲直後の2005年9月以来の高水準となった。ISM が3日発表した3月の非製造業総合景況指数は49.6と、2月の49.3から小 幅上昇した。同指数で50はサービス業活動の拡大と縮小の境目を示す。

「リスク軽減」

3月の非農業部門雇用者数のエコノミスト予想は前月比5万人減。実際に 3カ月連続の減少となれば、2003年以降で最長。3月7日に発表された2月 の雇用統計で雇用者数が6万3000人減と予想外に減少を示すと、10年債利回 りはその時点での6週間ぶりの水準に低下した。

米国株は商品株高を受けて上昇。メリルリンチが信用損失を乗り切るのに 十分な資本を有しているとの見解を示したと報じられたことも買いを誘った。 株高を受け、短期債は上昇幅を縮小した。S&P500種株価指数は0.1%高。

シティグループ・グローバル・マーケッツの債券トレーダー、リチャー ド・ブライアント氏は「雇用統計の内容がどうであろうと、発表前にリスクを 軽減しようとしている」と述べた。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場の動向によると、米連邦公開市場委員会(FOMC)が30日の定例会合で FF金利の誘導目標を0.5ポイント引き下げる確率は22%。前日の12%から 上昇した。0.25ポイントの利下げ確率は78%。

「もう少し懐疑的」

RWプレスプリッチの国債・機関債トレーディング部門のマネジングディ レクター、ラリー・ミルスティン氏は「バーナンキ議長は景気が下半期に回復 するとみている。しかし、わたしはもう少し景気の先行きに懐疑的だ」と述べ た。

ブルームバーグがまとめた85社を対象に実施した調査によると、第1四 半期の経済成長率の予想平均は前期比年率で0.2%と、2007年第4四半期の

0.6%から減速するとみられている。

TEDスプレッド

パトナム・インベストメンツ(ボストン)の最高投資責任者、ケビン・ク ローニン氏はブルームバーグラジオとのインタビューで「米金融当局は流動性 情勢と信用ひっ迫に対し、FF金利誘導目標の引き下げと非伝統的な政策によ り、非常に積極的に対処してきた。信頼感が回復するにつれ、米国債の利回り は通常の水準に戻るだろう」と述べた。

最も安全な資産とみなされる3カ月物財務省短期証券(TB)の利回りは

1.39%と、3月20日に付けた1954年以来の低水準0.387%から上昇してい る。

3カ月物のドル建てロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)とTB利回り の差であるTEDスプレッドは1.33ポイントと、1週間前の1.43%から縮 小している。

○NY外為:ドルは対ユーロでほぼ変わらず。一時、急伸する場面もあったが、 その後値上がり分を削られて以降は大きな値動きはなかった。4日には3月の米 雇用統計が発表される。市場では3カ月連続での雇用減が見込まれている。

欧州で発表された小売売上高が予想外の減少だったことから、ドルはユー ロに対して一時、前日比1.1%上昇したが、その後米国で発表された週間失業 保険申請件数の増加が嫌気され、値上がり分は削られた。

ワコビアの上席グローバルエコノミスト、ジェイ・ブライソン氏(ノース カロライナ州シャーロット在勤)は、「労働市場は引き続き軟化するだろう。 景気にとっては悪い前触れだ。ユーロに対するドル相場が本当に持ち直すには、 米リセッション(景気後退)が軽度にとどまり、連邦公開市場委員会(FOM C)の利下げ局面が終わりに差し掛かっているとの確かな兆候が必要だ」と語 った。

ニューヨーク時間午後4時4分現在、ドルはユーロに対して1.5665ドル。 一時は同1.5511ドルまで上昇した。前日は1ユーロ=1.5686ドルだった。対 円でのドルはほぼ変わらずの102円35銭。前日は1ドル=102円36銭だった。 ユーロは対円で160円32銭(前日は160円56銭)。

南アフリカ・ランドが上昇

南アフリカ・ランドは主要通貨すべてに対して上昇。隣国ジンバブエの選挙 管理当局は同国で実施された大統領選でムガベ現大統領が再選に敗れたことを明 らかにしたのが手掛かりだった。ランドは対ドルで1.1%上げて、7.7175ラン ド。

カナダ・ドルは対ドルで0.7%高。同国の株価指数は4日続伸した。

ドルはユーロに対して日中最高値から1%下落した。米労働省が発表した3 月29日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比3 万8000件増加の40万7000件と、ハリケーン「カトリーナ」来襲直後の2005 年9月以来の高水準となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス ト調査の予想中央値は36万6000件だった。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト79人の予想平均では、4日発表さ れる3月の米雇用統計では5万人の雇用減が見込まれている。

一時、ユーロ下落

ユーロは一時、主要通貨のほとんどに対し下落した。欧州連合(EU)統計 局(ユーロスタット)が発表した2月の小売売上高が前月比で0.5%減少したこ とから、欧州経済の減速や利下げ観測が強まり、売りを誘った。

トレーダーの間では今年、欧州中央銀行(ECB)が政策金利を現在の4% から引き下げるとの見方が強まっている。欧州銀行間貸出金利(EURIBOR) 先物12月限が示唆する金利水準は前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)下げて4.13%となっている。

金利先物市場動向によると、4月30日の連邦公開市場委員会(FOMC) までにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標が0.5ポイント引き下げられる 確率は24%となっている。前日は12%だった。0.25ポイントの利下げ確率は この日76%だった。

○英国債:2年債相場が3日ぶりに上昇。世界的な株式相場の下落が安全投資と しての国債買いを促した。

民間調査で3月の英サービス業景気指数が低下し、信用市場の逼迫(ひっぱ く)で景気鈍化の兆候が高まったことが示された。イングランド銀行は、英金融 機関による融資が一段と縮小する可能性があり、1990年以来で最悪の住宅市場 の低迷がさらに悪化するとの認識を示した。

カリヨンの債券戦略責任者、デービッド・キーブル氏(ロンドン在勤)は、 「大混乱が渦を巻く中、住宅市況が一段と悪化する可能性があるとの見方から、 市場関係者は短期債を選好している」と分析し、「私だったらその中でも2年債 を購入するだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時40分までに、2年債利回りは前日比3ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)下げ3.94%となった。同国債(償還2009年12 月、表面利率5.75%)価格は0.05ポイント上げ102.89。一方、10年債利回 りは1bp上げ4.44%。

○欧州債:相場は上昇。欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、リープ シャー・オーストリア中央銀行総裁が高水準にあるユーロ圏のインフレ率は低下 していくとの認識を示したことを受け、年内の利下げ観測が高まった。

リープシャー総裁は3日、インフレ率が3月に「警戒すべき高い」水準に達 したが、年末に向けて鈍化していくと発言。これを受けて、朝方軟調だった独2 年債相場は上昇に転じた。民間調査で3月のユーロ圏サービス業景気指数が市場 予想を下回る伸びを示したたことも、国債相場の支援材料となった。

ドレスナー・クラインオートの債券ストラテジスト、クリストフ・リーガー 氏(フランクフルト在勤)は「リープシャー総裁がいつもはインフレに対してタ カ派なことを考慮すると、発言は極めてハト派的だった」と指摘し、「同総裁は ECBが利下げに踏み切るとは示唆しなかったものの、無視できない発言だ。イ ンフレ率は今がピークだ」との見方を示した。

ロンドン時間午後5時14分までに、独2年債利回りは前日比6ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)下げ3.50%。同国債(2010年3月償還、表 面利回り3%)価格は0.11ポイント上昇し99.08。10年債利回りは同1bp 下げ3.98%となった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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