米国債:10年債小幅高、3カ月連続の雇用減になるとの思惑で買い

米国債市場で10年債が小幅ながら3日ぶ りの反発。4日発表の雇用統計で非農業部門雇用者数が3カ月連続で減少する との思惑から買いが優勢になった。

新規失業保険申請件数が増加し、米供給管理協会(ISM)非製造業景況 指数がサービス業活動の縮小を示したため、買いが先行した。しかし、償還期 限が5年以内の米国債はその後に伸び悩んだ。バーナンキ米連邦準備制度理事 会(FRB)議長は2日の議会証言で、米国がリセッション(景気後退)入り する可能性に初めて言及した。

シティバンク・グローバル・ウェルス・マネジメントの債券部門ディレク ター、ドン・アレグザンダー氏は「米国は緩やかなリセッションに突入するだ ろう。強弱まちまちの経済指標が増えているが、すべて景気減速を示してい る」と指摘した。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時 41分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)低下し3.58%。10年債価格(表面利率3.5%、2018年2月償 還)は5/32上昇し、99 10/32。

2年債利回りはほぼ変わらずの1.89%。10年債との利回り差は1.68ポ イントと、2月6日以来で最小。

米労働省が3日に発表した3月29日に終わった1週間の新規失業保険申 請件数(季節調整済み)は前週比3万8000件増加の40万7000件と、ハリ ケーン「カトリーナ」来襲直後の2005年9月以来の高水準となった。ISM が3日発表した3月の非製造業総合景況指数は49.6と、2月の49.3から小 幅上昇した。同指数で50はサービス業活動の拡大と縮小の境目を示す。

「リスク軽減」

3月の非農業部門雇用者数のエコノミスト予想は前月比5万人減。実際に 3カ月連続の減少となれば、2003年以降で最長。3月7日に発表された2月 の雇用統計で雇用者数が6万3000人減と予想外に減少を示すと、10年債利回 りはその時点での6週間ぶりの水準に低下した。

米国株は商品株高を受けて上昇。メリルリンチが信用損失を乗り切るのに 十分な資本を有しているとの見解を示したと報じられたことも買いを誘った。 株高を受け、短期債は上昇幅を縮小した。S&P500種株価指数は0.1%高。

シティグループ・グローバル・マーケッツの債券トレーダー、リチャー ド・ブライアント氏は「雇用統計の内容がどうであろうと、発表前にリスクを 軽減しようとしている」と述べた。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場の動向によると、米連邦公開市場委員会(FOMC)が30日の定例会合で FF金利の誘導目標を0.5ポイント引き下げる確率は22%。前日の12%から 上昇した。0.25ポイントの利下げ確率は78%。

「もう少し懐疑的」

RWプレスプリッチの国債・機関債トレーディング部門のマネジングディ レクター、ラリー・ミルスティン氏は「バーナンキ議長は景気が下半期に回復 するとみている。しかし、わたしはもう少し景気の先行きに懐疑的だ」と述べ た。

ブルームバーグがまとめた85社を対象に実施した調査によると、第1四 半期の経済成長率の予想平均は前期比年率で0.2%と、2007年第4四半期の

0.6%から減速するとみられている。

TEDスプレッド

パトナム・インベストメンツ(ボストン)の最高投資責任者、ケビン・ク ローニン氏はブルームバーグラジオとのインタビューで「米金融当局は流動性 情勢と信用ひっ迫に対し、FF金利誘導目標の引き下げと非伝統的な政策によ り、非常に積極的に対処してきた。信頼感が回復するにつれ、米国債の利回り は通常の水準に戻るだろう」と述べた。

最も安全な資産とみなされる3カ月物財務省短期証券(TB)の利回りは

1.39%と、3月20日に付けた1954年以来の低水準0.387%から上昇してい る。

3カ月物のドル建てロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)とTB利回り の差であるTEDスプレッドは1.33ポイントと、1週間前の1.43%から縮 小している。

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