ソロス氏:米国株とドルは再び下落へ-大恐慌以来で最悪の金融危機

資産家ジョージ・ソロス氏は2日、現在の金 融危機は大恐慌以来で最悪だと指摘し、若干持ち直した米国株とドル相場は今 後再び下落に転じるとの見通しを示した。

ソロス氏はインタビューで、JPモルガン・チェースが3月17日にベアー・ スターンズ買収で合意した以後に反発した米国株とドル相場について、「うまく 底を打った」としながらも、「これが最後の底だったと判明する可能性は低いだ ろう」と述べた。また、米国のリセッション(景気後退)入りが近づくなかで も、反発局面は6週間から3カ月続く可能性があるとの見方を示した。

ソロス氏は昨夏、サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資) のデフォルト(債務不履行)拡大に端を発した市場の混乱を懸念し、運用利益 が同氏の慈善活動の原資となっている投資ファンド「クオンタム・エンダウメ ント・ファンド」(運用資産170億ドル)の主要ポストに復帰。クオンタムは、 ソロス氏が投資資金の大半の運用で2000年に外部ファンドマネジャーの起用を 始めるまで、年間平均30%の投資リターンを上げていた。

ソロス氏はまた、10冊目の著書「The New Paradigm for Financial Markets (Public Affairs, 2008)」の中で、1980年から醸成されてきたと同氏が指摘す る最近の市場危機の原因や、今年の投資戦略について説明している。同書は3 日、オンライン販売が始まった。

ソロス氏はこれまで、ドル、10年物米国債、欧米株相場が下落する一方、 ドル以外の通貨のほか中国やインド株は上昇すると予想。クオンタムの2007年 のリターンはプラス32%に達した。年初以降のリターンのレンジはプラス3% -マイナス3%となっている。

ユーロは今年に入って対ドルで7.5%、円は同9.1%、それぞれ上昇した。 ソロス氏は、この2通貨などドル以外の通貨は今後も上昇を続ける可能性があ ると予想した。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は今年に入って政策金利を計2ポイン ト引き下げ2.25%とした。ソロス氏は、ドル安のため利下げ余地はさほど残っ ていないとみており、「われわれは限界点に近い」と語った。

また新興市場への投資に関してソロス氏は、インド株の指標、センセック ス指数が今年22%下落したものの、同国から投資を引き揚げていないと説明。 「ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)は引き続き良好だ」との見方を 示した。一方で、中国H株(香港上場の本土企業株)の行方については、より 不確かだと語った。

-- Editor: Larry Edelman, Sau Chan

--* 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 柴田 広基 Hiroki Shibata +81-3-3201-8867 hshibata@bloomberg.net Editor:Keiko Kambara 記事に関する記者への問い合わせ先: Katherine Burton in New York at +1-212-617-2335 or kburton@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Larry Edelman at +1-617-210-4621 or ledelman@bloomberg.net

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