日本株(終了)午後伸びて連騰、商社や原発高い-政策にらみ買い戻し

東京株式相場は、先物主導で午後に上げ幅 を拡大して続伸。日経平均株価の終値は、約1カ月ぶりの高値水準を回復した。 過度の金融不安の後退や円安傾向など外部環境に対する警戒が和らぐ中、原油 高などを背景に三菱商事などの大手商社株、住友金属鉱山といった資源関連株 中心に上昇。株式市場の安定も保有資産に追い風となる保険株は、東証1部の 業種別上昇率で首位。東芝や日本製鋼所など原子力発電関連も急伸した。

DIAMアセットマネジメントの宮田康弘シニアポートフォリオマネジャ ーは、「来週の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では金融システム安 定化が議論される見通しで、米国株とドルの安定につながっている」と指摘。 ショートポジション(売り持ち高)が高水準なことから、「政策が出た際のリ スクに備え、買い戻そうという動きが出やすい状況にある」(同氏)という。

日経平均株価の終値は前日比200円54銭(1.5%)高の1万3389円90銭 と、この日の高値引け。TOPIXは17.57ポイント(1.4%)高の1299.64。 東証1部の売買高は概算で20億7290万株、売買代金は2兆3785億円。値上 がり銘柄数は952、値下がり銘柄数は627。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が28、値下がり業種が 5。銀行、電気機器、情報・通信、保険、卸売、非鉄金属、証券・商品先物取 引、機械が高い。半面、輸送用機器、小売、食料品、陸運、海運は安い。

米株下げ渋りや円安傾向、リリーフラリーの声

午前は日経平均の値動きが83円という狭いレンジで、前日終値を挟んで 方向感に欠けた。相場が動いたのは午後の取引開始直後。午前の取引終了後に は市場外でまとまったバスケット取引が観測され、シンガポール取引所の日経 平均先物がその後に上昇。前日の大幅高の翌日ながら株価が底堅い上、先物売 買を材料視した動きも強まり、先物主導で上げ幅が拡大した。日経平均の終値 は2月29日以来の高値水準となった。

先物に買い戻しが入りやすい状況を招いた一因は、外部環境の落ち着きだ。 前日の米国株市場では、バーナンキFRB議長が米国のリセッション(景気後 退)入りの可能性について初めて発言。米ダウ工業株30種平均は一時99ドル 安で下げたものの、終値では48ドル安と下げ渋った。金融市場の落ち着きは ドルの安定にもつながり、為替はやや円安傾向。過度な金融不安の後退ととも にG7に対する政策期待が株価を支えているという。

ゴールドマン・サックス証券のキャシー松井チーフ日本株ストラテジスト はリポートで、マクロ環境は依然厳しいとしながら、信用市場安定やバリュエ ーションの低下などによって、日本株は「リリーフラリー(懸念が和らいだこ とによる上昇)」の可能性があるとの見方を示した。

ただ、4日に米雇用統計など重要経済指標を控えて警戒感も残り、現物売 買高はそれほど増えていない。DIAMの宮田氏は、相場の底堅さは期間限定 とした上で、次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げが行われれば、 日米金利差縮小による円高リスクはつきまとうと話す。宮田氏は当面、日経平 均で1万2000円-1万4000円でのレンジ相場が続くだろうと予測していた。

市況関連が上昇率上位、Fリテや鈴丹も買われる

東証1部の業種別上昇率では、市況関連が上位を占めた。鉱業、石油・石 炭製品、非鉄金属、卸売がそろって上位10業種にランクイン。東証1部売買 代金上位では三菱商事が4.3%高で続伸し、住友金属鉱山が4.3%高で4日ぶ り反発。三菱UFJ証券が新規に強いアウトパフォームとした双日のほか、太 平洋興発や住友石炭鉱業など低位石炭株も急伸した。

2日のニューヨーク原油先物相場は、前日比3.8%高の1バレル=104.83 ドルと急反発。過去最高値を更新したガソリン相場が刺激となり、ドル下落で インフレヘッジとしての商品の魅力も高まった。ニューヨーク金先物相場や銅 先物相場も上昇しており、市況関連株は市況高による業績期待が高まっている。

また、原油高や受注期待を背景として、原子力関連も上げが目立つ。3日 付の日本経済新聞朝刊によると、東芝は米国の電力会社2社から計4基の原子 力発電所を総額約1兆4000億円で受注する見通し。今回は、2016年以降に稼 働する原発を受注したと伝えられており、「将来にわたって案件がなお数多く あることが確認された」(丸三証券の牛尾貴投資情報部長)という。東芝や日 本製鋼所、三菱重工業が売買を伴って急伸したほか、岡野バルブ製造やトウア バルブグループ本社などは値幅制限いっぱいのストップ高となった。

個別では、美脚ジーンズなどの好調から国内ユニクロ事業の3月の既存店 売上高が前年同月比8.1%増と伸びたファーストリテイリングが8連騰。3月 既存店好調のエービーシー・マートが大幅高となり、09年2月期は最終黒字が 確保できるとの見通しを示した鈴丹が午後に急騰して値幅制限いっぱいのスト ップ高。メリルリンチ日本証券が目標株価を引き上げた東京製鉄も大幅高。

自動車安い、大ガス急反落

これに対し、トヨタ自動車が3日ぶりに反落するなど輸送用機器株は安い。 野村証券金融経済研究所は、米国販売の減速が業績面で試練を与えるとし、自 動車の業界判断を「中立」へ引き下げた。トヨタの格付けは「中立」に下げ。 モルガン・スタンレー証券でも、自動車の業界判断を「コーシャス」へ下げた。

08年3月期の既存店売上高が会社計画の前の期比3.3%増に対し、同

1.1%増にとどまったユナイテッドアローズは反落。三菱UFJ証券が格下げ した大阪ガスが3日ぶり急反落。東京国税局が申告漏れを指摘したプロミス、 日興シティグループ証券が投資判断を2段階引き下げたヤクルト本社も下げた。

新興3市場は堅調

国内の新興3市場は堅調。ジャスダック指数の終値は前日比0.62ポイン ト(1%)高の65.15、東証マザーズ指数は0.24ポイント(0.04%)高の

623.49とそれぞれ続伸。大証ヘラクレス指数は7.52ポイント(0.8%)高の

994.51と3連騰。

個別銘柄では、ゴールドマン・サックス証券が今期(2008年9月期)業績 は会社計画を大幅に上回ると指摘した日本マイクロニクスが大幅高。JSRが 政策投資目的で株式を大量取得していることが分かったトリケミカル研究所は 午後に急騰した。半面、大阪証券取引所が3日から監理銘柄(確認中)に指定 した燦キャピタルマネージメントは大幅安。インデックス・ホールディングス、 ミクシィなども安い。

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