債券は小幅安、米債下落や株続伸が圧迫―物価連動債入札は無難(終了)

債券相場は小幅安(利回りは上昇)。前日の 米国債相場の下落に加え、日経平均株価が大幅続伸したことに圧迫され、円債市 場では先物や中期債を中心に売りが優勢となった。一方、超長期債や長期債は堅 調。この日実施された10年物価連動債入札は、無難な結果と受け止められた。

三菱UFJ証券シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏は、「午前は入札 を控え様子見姿勢がうかがえた。4日の米雇用統計結果を見極めたいとの意向も 強い。午後に入り、日経平均株価がプラス幅を拡大させたことで、先物や中期債 を中心に売りが優勢となった」と述べた。

東京先物市場で中心限月6月物は、前日比17銭安の139円38銭で寄り付い た後、若干値を戻し、午前9時13分ごろに139円59銭の日中高値をつけた。そ の後は弱含みに推移した。午後に入って、物価連動債入札は無難な結果となった ものの、日経平均が上げ幅を拡大させると、午後1時3分ごろに日中安値139円 26銭まで下落した。結局は7銭安の139円48銭で引けた。

日経平均株価は大幅続伸。前日比200円54銭高の1万3389円90銭で取引 を終了した。

10年債利回りは1.36%

現物債市場で、新発10年物の291回債利回りは、前日比0.5ベーシスポイ ント(bp)低い1.37%で寄り付いた後は、1.37-1.38%のレンジで推移。午後は 若干水準を切り下げ、3時過ぎは1.5bp低い1.36%で取引されている。

超長期債相場は堅調。新発20年債利回りは2.5bp低い2.095%、新発30年 は4.5bp低い2.395%で推移している。

一方、新発5年債利回りは0.5bp高い0.825%に上昇している。

T&Dアセットマネジメント運用統括部ファンドマネジャーの竹田竜彦氏 は、「株が堅調に推移しているわりにはしっかり。ただ、水準が高いだけに上値 を追うのも限界だろう。米オートマティック・データ・プロセッシング(AD P)雇用統計は良い数字だったが、製造業受注(輸送機器を除く)は減少幅が拡 大した。超長期債は買われているが、5年債は来週に入札を控え軟調」と説明し た。

DIAMアセットマネジメントのエグゼクティブファンドマネジャー、山崎 信人氏によると、「材料よりも需給で動いた感がある。朝方は前日に米国金利が 上昇した動きを引き継ぎ、先物は下落して始まったが、現物市場ですぐに押し目 買いが入った」という。

また、「信用リスク不安の弱まりとファンダメンタルズ(経済の基礎的要 因)の悪化との綱引きが続いているが、景気後退懸念が強まり、現物市場で需給 が強まっているようだ」と分析した。

一方で、「今年度から予想されている公的機関からの需要減も考えると、好 需給に懐疑的な見方が広がるリスクはある」(ABNアムロ証券チーフ債券スト ラテジストの市川達夫氏)との見方もくすぶる。

物価連動債入札結果は無難

財務省が実施した10年物価連動国債(15回債、4月発行)の利回り競争入 札では、最高落札利回り(応募者利回り)が1.40%となり市場予想の1.415%を 下回った。表面利率(クーポン)は1.40%、発行価格は100円00銭となった。 応札倍率は2.92倍となり、前回債の3.63倍を下回った。

市場では、「入札は、物価連動国債のBEI(損益分岐インフレ率)がマイ ナスになるなどパフォーマンスが悪かったので、市場では懸念があったが、市場 予想通り良くも悪くもなかったといったところ」(長谷川氏)、「予想が悪過ぎ たので、フタをあけてみたら普通だった。10年債利回りが1.37%に対して、ク ーポン1.4%はデフレ状態」(竹田氏)などの声が聞かれた。

日本相互証券(BB)によると、この日に入札された新発10年物価連動国 債(15回債)は業者間取引において100円55銭で寄り付いた。その後は100円 75銭まで買われ、午後3時28分前後も同水準で推移している。

バーナンキ議長証言、追加利下げに慎重との見方も

2日の米国債市場では2年債が下落。利回りは5週間ぶりの高水準となっ た。米民間部門の雇用者数が予想外に増加に転じ、バーナンキ米連邦準備制度理 事会(FRB)議長の議会証言が信用問題の沈静化につながったため、売りが膨 らんだ。キャンター・フィッツジェラルドによると、2年債利回りは前日比6bp 上昇し1.86%。10年債利回り1bp上昇の3.57%。

一方、米株式相場は反落。バーナンキFRB議長が景気後退入りの可能性を 初めて認めたことが弱材料となったのに加え、燃料価格の上昇で小売株は値を消 した。

みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は、「市場は今回の バーナンキ証言について、追加利下げに慎重な姿勢が示されたものと受け止め た」と指摘。残る利下げ余地が小さくなっていることが背景にあるとの見方を示 した。

(債券価格)                            前日比        利回り
長期国債先物6月物         139.48       -0.07         1.471%
売買高(億円)             36033
10年物290回債            99.47                  1.36%(-0.015)

--共同取材:宋泰允、YUMI TESO Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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