J-REITへの海外不動産組み入れ解禁へ-成長力強化の早期実施案

政府が3日午前、自民党で開かれた会合に提 出した成長力強化への早期実施策案によると、金融資本市場の競争力強化の一 環として、不動産投資信託(J-REIT)への海外不動産の組み入れを可能 とすることや、現物拠出型の上場投資信託(ETF)の対象株価指数の範囲を 自由化することなどが盛り込まれている。

J-REITへの海外不動産の組み入れは、不動産の鑑定が難しいとの問題 があったが、国土交通省が鑑定に関するガイドラインを既に策定したことで、 すぐに実現が可能になる。また、現物拠出型のETFの対象株価指数について は、政令・府令で現在TOPIXなど一定の指数に限られているが、金融機関 の創意工夫で、より自由に策定できるよう6月をめどに政令・府令を改正する。

成長力強化の早期実施策については、福田康夫首相が3月11日午前の閣僚 懇談会で、米国景気の減速や原油価格の高騰に伴い景気の下振れリスクが高ま っていることを踏まえ、4月初旬をめどにとりまとめるよう大田弘子経済財政 政策担当相らに指示していた。

金融関係ではこのほか、①金などの商品を直接組み入れたETFの組成を 可能にする②海外ファンドマネジャーの誘致③英文有価証券の対象拡大④プロ に限定した市場の枠組み構築⑤金融商品取引所による排出量取引市場の開設や 商品現物取引、排出量取引について銀行グループなどの業務範囲を拡大する- ことなどを掲げている。

早期実施策案は「現下の経済状況やリスクの高まりにかんがみ、必要なこ とについては迅速に手を打っていく」とした上で、①中小企業の体質強化②各 産業の体質強化③雇用の改善④地域活性化⑤安心・安全の確保および低酸素社 会への転換-を柱としている。新たに予算措置は伴わない。

野村証券金融経済研究所の木内登英チーフエコノミストは早期実施策につ いて、「姿勢は評価できるが、福田政権の経済政策は改正建築基準法をはじめと して、景気を悪化させているものが多い」とした上で、「中長期的な財政規律を 維持しつつ、ある程度財政政策と一体でないと効果は限定的だ」との考えを示 す。ただ、金融・不動産関連の施策については「この分野の資金の目詰まりを 解消することが重要であり、注目される可能性はある」と評価する。

この早期実施策は、4日午前に開かれる経済対策閣僚会議で最終決定され、 同日の閣議に大田経済財政相が報告する見通し。

--共同取材:広川高史 Editor:Hitoshi Ozawa、Shintaro Inkyo

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 伊藤辰雄 Tatsuo Ito +81-3-3201-3655 tito2@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 東京 David Tweed +81-3-3201-2494 dtweed@bloomberg.net

種類別ニュース: 政府 NI GOV、NI JGOV、NI JGALL 経済指標 NI ECO、 NI JNECO、 JBN 16、 NI JEALL 、NI SHIHYO、

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE