財務省:赤字国債発行できず建設国債や借換債で対応-特例法未成立(2

2008年度予算の歳入の4分の1を占める赤 字国債発行の根拠となる公債発行特例法案が与野党対立で成立のめどが立た ないまま、新年度を迎えた。財務省幹部は当面、建設国債の前倒しや借換債の 発行によって乗り切る方針を示している。与党は特例法案を今月末にも衆院で 再可決する構えだが、成立が先送りとなれば歳入確保が難しくなる恐れがある。

国の財政の基本法である財政法では、国債発行は公共工事費などに充当す る建設国債しか認めておらず、歳入不足を穴埋めするための赤字国債の発行は 別途、年度ごとに立法する特例法に基づいている。赤字国債は1965年に初め て発行し、75年以降、ほぼ毎年発行。08年度予算の一般会計総額83.1兆円の うち20.1兆円を占めている。一方、建設国債は5.2兆円にとどまる。

同省幹部によると、当面建設国債に加え、国債の償還財源を調達するため の借換債の発行によって赤字国債分を穴埋めする。借換債は08年度に92.5兆 円の発行を予定する。ただ、事態が長期化した場合は政府短期証券(FB)の 発行も視野に入れているが、短期金利に影響を与えることから回避したい考え。

08年度国債発行計画では計126.3兆円の国債を発行予定。うち機関投資家 などを対象に入札方式で販売しているカレンダーベースの市中発行分(105.1 兆円)については、市場に混乱を与えないよう計画通りの発行を目指す。4月 に予定されている発行額は約8.9兆円。1日に行われた10年債の入札では、赤 字国債を除く建設国債と借換債計1.9兆円程度が提示された。

再可決は予断許さず

憲法59条の規定では、予算関連法案が衆院通過から60日以内に参院で議 決されない場合、衆院で3分の2以上の賛成で再可決すれば成立する。公債発 行特例法案は2月29日に衆院で可決されており、政府・与党は今月29日以降 に改正案の成立を目指す公算が大きい。しかし、民主党は福田康夫首相の問責 決議案の提出もちらつかせており、再可決に踏み切れるかどうかは不透明だ。

与野党が衆参逆転している「ねじれ国会」下で、日銀総裁の空席、道路特 定財源の暫定税率の失効と想定外の事態が立て続けに起きている。同省幹部は、 今月末に再可決が行われるかどうかも予断を許さないと指摘。さらに市場に悪 影響を与えないよう、政治状況をにらみながら対応策を検討していかざるを得 ないと述べ、「最後の切り札」としてFBを発行する可能性も示唆した。

三菱UFJ証券シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏は「1年間、赤 字国債を出すことができなければ財政破たんにつながりかねないが、短期間で あれば建設国債や借換債を出して、後に振り替えることが可能だ」と指摘。そ の上で、「空白期間が数カ月であれば、長期金利への影響は限定的。今のとこ ろ、長期金利上昇の懸念は、特には出ていない」との見方を示している。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE