日本株は小幅続伸、大手商社や原発関連がにぎわう-全般方向感乏しい

午前の東京株式相場は小幅続伸。金融不安 の後退や円安傾向から外部環境に対する警戒感がやや後退する中、原油高など を背景に三菱商事などの大手商社株、住友金属鉱山、住友石炭鉱業といった資 源関連株が上昇。東芝や日本製鋼所など原子力関連も、売買を伴って急伸した。

もっとも、米雇用統計など景気や企業業績への不安から上値を積極的に買 う動きは見られず、全体の方向感には乏しい。米販売減速や円高による業績懸 念を背景に、トヨタ自動車など自動車株は東証1部業種別下落率トップとなり、 株価指数の上値を抑えた。

みずほ投信投資顧問の有村秀夫シニア・ファンドマネジャーは、「きのう の上げの反動はあるものの、上昇幅の割には底堅い」との印象を示した。商品 市況関連については市況高が好感されているとし、「長期的には需要が増える のが市場のコンセンサス」だとしている。

日経平均株価の午前終値は前日比11円35銭(0.1%)高の1万3200円71 銭、TOPIXは0.71ポイント(0.1%)高の1282.78。東証1部の売買高は 概算で9億5325万株、売買代金は1兆576億円。値上がり銘柄数は604、値下 がり銘柄数は971。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が18、値下がり業種が 15。情報・通信、卸売、保険、非鉄金属、電気機器、証券・商品先物取引、機 械が高い。半面、輸送用機器、銀行、その他製品、食料品、陸運、小売、精密 機器は安い。

前日終値挟む、厳しいマクロ下でリリーフラリー

午前の東京市場は、前日終値を挟んで何度も往来する方向感に欠ける展開 で、日経平均の高安値幅は83円と小さかった。前日の米国株市場では、バー ナンキFRB議長が米国のリセッション(景気後退)入りの可能性について初 めて発言。米ダウ工業株30種平均は一時99ドル安で下げたものの、終値では 48ドル安と下げ渋った。議長証言が大きな波乱とならず、金融不安の後退や為 替の円安も相場を下支え。ゴールドマン・サックス証券のキャシー松井チーフ 日本株ストラテジストはリポートで、マクロ環境は依然厳しいとしながら、信 用市場安定やバリュエーションの低下などによって、日本株は「リリーフラリ ー(懸念が和らいだことによる上昇)」の可能性があると指摘した。

ただ、前日大幅高した後とあり、あすの米雇用統計を前に午前は積極的に 買い上がる主体は見当たらなかった。前日の上げも買い戻し中心との見方が多 く、「戻り売りが出やすい日経平均1万3000円台では売りに押されている」 (新光証券エクイティ情報部の三浦豊シニア・テクニカルアナリスト)。

さらに丸三証券の牛尾貴投資情報部長によると、米金融機関の信用不安問 題でも「救済対象とされていない中小金融機関のこれからの破たんは、マーケ ットにショックを与えるだろう」と、警戒要素はなお存在するという。

市況関連株が上昇率上位

業種別では市況関連株の上昇が目立った。売買代金上位では三菱商事が続 伸したほか、丸紅や三井物産などの商社株が上昇。東証1部業種別上昇率では 鉱業、石油・石炭製品、非鉄金属が上位に並んだ。太平洋興発や三井松島産業 など石炭株も販売好調が評価され、東証1部値上がり率上位に入った。

2日のニューヨーク原油先物相場は、前日比3.8%高の1バレル=104.83 ドルと急反発。過去最高値を更新したガソリン相場が刺激となったほか、ドル の下落でインフレヘッジとしての商品の魅力が高まったことも材料となった。 ニューヨーク金先物相場や銅先物相場も上昇しており、市況関連株は市況高に よる業績期待が高まっている。

また、受注期待や原油高が支援要素となって原子力発電所関連の上げも目 立った。3日付の日本経済新聞朝刊によると、東芝は米国の電力会社2社から 計4基の原発を総額約1兆4000億円で受注する見通し。東芝や日本製鋼所、 三菱重工業が売買を伴って上昇、岡野バルブ製造は東証1部値上がり率首位と なった。今回は、2016年以降に稼働する原発を受注したと伝えられ、「将来に わたって案件がなお数多くあることが確認された」(丸三証の牛尾氏)という。

Fリテイリが8連騰

個別に材料が出ている銘柄では、美脚ジーンズなどの好調から国内ユニク ロ事業の3月の既存店売上高が前年同月比8.1%増と伸びたファーストリテイ リングが8連騰。ドル・円相場が円安方向に傾いていることなどでヤマハ発動 機は4日続伸し、米系投資ファンドのスティール・パートナーズが企業価値を 向上させる提言をした日清食品は3連騰となった。三菱UFJ証券が新規に強 いアウトパフォームとした双日、メリルリンチ日本証券が目標株価を引き上げ た東京製鉄なども高い。

輸送用機器は下落首位

一方、トヨタ自動車が前日比2.3%安で3日ぶりに反落するなど、輸送用 機器株指数は前日比1.8%安と東証1部の業種別下落率で首位。野村証券金融 経済研究所は、米国販売減速が業績面で試練を与えるとして、自動車の業界判 断を「中立」へ引き下げた。トヨタの格付けは「中立」に下げ。また、モルガ ン・スタンレー証券でも自動車の業界判断を「コーシャス」へと下げている。

このほか、三菱UFJ証券が格下げした大阪ガスが3日ぶり急反落。東京 国税局が申告漏れを指摘したプロミス、日興シティグループ証券が投資判断を 2段階引き下げたヤクルト本社なども下げた。08年3月期末に投資有価証券評 価損が発生した横浜ゴムは3日ぶり反落。

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