米国債:2年債下落、民間雇用の予想外の増加とFRB議長証言で

米国債市場では2年債が下落。利回りは5 週間ぶりの高水準となった。米民間部門の雇用者数が予想外に増加に転じ、バ ーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言が信用問題の沈静化 につながったため、売りが膨らんだ。

フェデラルファンド(FF)先物市場では米連邦公開市場委員会(FOM C)が30日の定例会合で0.5ポイントの大幅利下げを実施するとの観測が後 退した。1-3月期は住宅ローン担保証券(MBS)や債務担保証券(CD O)関連の損失が膨らみ、米国債は1995年以来の大幅高となっていた。

バークレイズ・キャピタルの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は 「最悪のシナリオはそれ程大きな懸念材料ではなくなってきた。それが過去1 週間にリスクプレミアムを解消する主な材料になっている」と指摘した。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後3時 44分現在、2年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)上昇し1.86%。一時は1.94%と、2月28日以来の水準に上昇す る場面もあった。2年債価格(表面利率1.75%、2010年3月償還)は1/8 下落し、99 24/32。10年債利回り1bp上昇の3.57%。

シカゴ商品取引所(CBOT)のFF金利先物相場の動向によると、FO MCがFF金利の誘導目標を0.5ポイント引き下げ、1.75%に設定する確率 は10%と、前日の24%からさらに後退した。0.25%の利下げ確率は90%。

RBCキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の米国債トレーディング 責任者、トーマス・トゥッチ氏は「質への逃避の動きが一部解消されている。 利下げペースが鈍化するとの見方が強まっている」と述べた。

ベアー・スターンズ

バーナンキ議長は上下両院合同経済委員会で証言し、3月13日にベア ー・スターンズから経営難の報告を受け、その翌日に同社の緊急資金支援に乗 り出したことについて、「支援していなければ、ベアー・スターンズは次の日 にも連邦破産法第11条の適用を申請していただろう」と説明した。

米金融当局は3月中旬にJPモルガン・チェースによるベアー・スターン ズ買収を支援し、0.75ポイントの大幅利下げを実施した。同議長はベアー・ スターンズ救済が景気の一段の悪化を防止するためだったと述べ、批判回避に 努めた。また、米国がリセッション(景気後退)入りする可能性を初めて認め た。

シティグループ・グローバル・マーケッツの債券トレーダー、リチャー ド・ブライアント氏は「未知の恐怖から存在が公認され、率直に議論されるも のに変化していくにつれ、パニックのような取引は弱まっている」と語った。

国際通貨基金(IMF)は、今年の世界の成長率予想を3.7%と、1月時 点の予想(4.1%)から下方修正した。

米雇用情勢

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング (ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与名簿に基づく集計調査 を受け、米国債は売りが先行した。3月の米民間部門の雇用者数は前月比 8000人増加した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は4 万5000人減だった。

イートン・バンス・マネジメントで運用に携わるスチュアート・テーラー 氏は「経済指標は考えられていたよりもわずかに強い内容だ。質への逃避の動 きがなくなれば、米国債を保有する理由はない」と指摘した。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト78人の予想によると、4日発表 の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比5万減少するとみられている。

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