UBSや米リーマンの増資受けた金融株上昇、市場混乱収拾の兆しか

スイスの銀行UBSの資本増強計画と米証券 大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの増資を受けた1日の金融株上昇 は、8カ月に及んだ市場混乱が終わる兆しを示しているのかもしれない。

米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連で巨額損失を 出したUBSは1日、150億スイス・フラン(約1兆5000億円)の増資計画を 発表。リーマンは同日、優先株発行で40億ドル(約4030億円)を調達した。

この日は、UBSが2008年1-3月(第1四半期)は120億スイス・フ ランの赤字となったもようとし、ドイツ銀行が25億ユーロ(約3960億円)の 評価損を同四半期に計上すると発表したものの、UBSとリーマンの増資ニュー スを受けた市場では、米証券ベアー・スターンズのように破格値で身売りする金 融機関が続出するとの懸念が後退した。

ワッデル・アンド・リード・ファイナンシャルのヘンリー・ハーマン最高経 営責任者(CEO)はこの日の金融株について、「市場では危機が過ぎ去ったと の安心感が広がりつつある。存続リスクが取り除かれたとの見方で上昇した」と 述べた。

UBS株はスイス市場で前日比12.3%高と、ここ2週間で最大の上昇を示 した。60銘柄で構成するブルームバーグ銀行・金融サービス指数は5.1%高。 UBSは過去1年で時価総額の55%を失っている。

リーマン株もニューヨーク市場で17.8%高と、ここ2週間で最大の値上が りとなった。

評価損

一方、米サブプライム住宅ローンの焦げ付きに端を発した市場の混乱は収拾 されておらず、銀行界はここ30年で最大の危機の様相を呈していると、モルガ ン・スタンレーと経営コンサルティング会社オリバー・ワイマンは1日に共同リ ポートで警告している。同リポートによれば、投資銀行業界は今年、750億ド ルの評価損を出し、収入は20%減少する可能性がある。

さらなる評価損や株価の乱高下は避けられないと認識しつつも、一部投資家 は明るい兆しが見えてきたと話す。ブラックロック・ベーシック・バリュー・フ ァンドを運用するケビン・レンディノ氏は「不良資産をバランスシート上から一 掃してほしいところで、銀行各行はまさにそれを実施している。評価損や費用の 計上、バランスシートを回復させる動き、これらはすべて良いことだ」と語る。

同氏はさらに、米金融当局が3月18日に行った0.75ポイントの利下げや プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)向け融資を挙げ、「当局 が実施したことを無視するわけにはいかない」と強調。「不良資産の価値を上げ るところまではいかないが、銀行界にとっては朗報で、金融機関のこの先の環境 改善につながる」と話した。

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