ドル相場:6月末で1ユーロ=1.55ドル、1ドル=100円付近-BN調査

ドルに対する強気な見方に後退が見られ ている。2008年1-3月(第1四半期)に、ドルはユーロに対し四半期ベー スとしては04年以来最大の下落となり、対円ではほぼ10年ぶりの大幅な下 げとなった。

ブルームバーグがアナリストやエコノミスト40人を対象にまとめた調査 によると、予想中央値でドルは6月末時点でユーロに対し1.6%高の1ユーロ =1.55ドル、円に対してはほぼ変わらずの1ドル=100円付近が見込まれて いる。08年初め時点での予想は、それぞれ1.48ドル、110円へのドル上昇が 見込まれていた。

為替取引で世界最大手のドイツ銀行や、英ロイヤル・バンク・オブ・スコ ットランド・グループ(RBS)は3月、世界の信用市場の損失が2000億ド ル(約20兆円)を超え、経済指標から米景気減速が示唆されるなか、ドル相 場の見通しを下方修正している。米財務省が3月17日に発表したところによ ると、外国からの投資のうち民間投資家による米国証券の売り越し額は今年1 月に382億ドルと、昨年9月以来の高水準だった。

ドイツ銀行のシドニー在勤の為替ストラテジスト、ジョン・ホーナー氏 は「米国経済は現在リセッション(景気後退)に陥っているとみている。その 他の国々の景気減速は、米国に較べ緩やかだ」と指摘。このシナリオに沿えば 「ドルの一段安ということになる」と語った。

ブルームバーグ調査によると、今年第1四半期の米国内総生産(GD P)成長率は前期比年率0.2%(85人のエコノミストの予想中央値)が見込 まれている。07年10-12月(第4四半期)は0.6%成長だった。

米ドルは第1四半期に、ユーロに対し7.6%下落し1ユーロ=1.5788ド ル、円に対しては10.8%安の99円69銭だった。対円では1999年7-9月 (第3四半期)と並ぶ大幅下落だった。世界的な株安と信用市場の損失拡大の なかで、投資家は低金利通貨で調達した資金を高利回り資産に投資するキャリ ー取引の解消に動いた。

見えない底

インベステック・アセット・マネジメント(ロンドン)のサノス・パパ サバス氏は「ドルに対して弱気だ」とし、「底がどこかを予想するのは不可能 だ」と語った。同社は先月28日に、ドル下落を見越した投資戦略の継続を決 定したという。

ドルは、韓国ウォンとカナダ・ドル、南アフリカ共和国のランドを除く 主要16通貨に対し下落した。スイス・フランに対する下落率が最も大きく、

12.4%だった。カナダ・ドルに対しては2.7%、ウォンに対しては5.9%、ラ ンドに対しては17.9%それぞれ上昇した。対英ポンドではほぼ変わらずだっ た。

ドイツ銀行は、第2四半期中にドルは1ユーロ=1.60ドルまで下落を予 想する。ドルは3月17日にユーロ導入以来の最安値となる1.5903ドルを付 けているが、ドイツ銀の予想はそれを上回るドル安・ユーロ高水準だ。ブルー ムバーグの1月時点の調査では、同銀は3月末時点でのドル相場として1.43 ドルへの上昇を予想していた。

RBSは従来、3月末時点でのドル相場予想を1ユーロ=1.52ドルとし ていたが、同水準を超えてドル安・ユーロ高が進行したことを受け、現在は6 月末時点で1.57ドルと予想している。

その一方で、英バークレイズ・キャピタルは、米国経済の減速が世界各 国に波及し、そうした国々の通貨に下押し圧力がかかるなか、ドルは上昇が見 込まれると指摘する。同社の為替担当エコノミスト(シンガポール在勤)、デ ービッド・フォレスター氏は「世界経済は再び米国と歩調を共にしつつあり、 ほかの国々の中央銀行は利下げという面で米国に追随する必要性が出てくる」 と指摘する。同社は6月末時点で1ユーロ=1.50ドルを予想している。

米モルガン・スタンレーのチーフ通貨ストラテジスト、スティーブン・ ジェン氏(ロンドン在勤)は「世界経済は依然として、一段と悪いニュースが もたらされる可能性が高い」とし、「現在の危機がさらに悪い形に変われば、 間違いなく下振れリスクとなる」と語った。同社は6月末時点でのドル相場を 1ユーロ=1.55ドル、1ドル=97円と予想する。

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