フジクラが急落、欧州子会社の赤字膨張-前期業績が大幅下ぶれ(2)

電線大手フジクラの株価が急落。自動車用ワ イヤハーネス事業の欧州子会社ACE社で、ルーマニア、メキシコへの生産移転 に伴う混乱が長引いて費用が増えたほか、資産を健全化するための事業再編費用 を計上。為替の円高進行で外貨建て収益が目減りしたことなども響き、前期(08 年3月期)業績は従来予想から下ぶれたようだと前日に発表した。修正数字が市 場予想を大きく下回ったことから、業績悪化不安が高まった。

終値は前日比46円(10%)安の404円。東証1部市場の値下がり率で5位。 一時は同47円(10%)安の403円まで下げ、昨年来安値を更新した。出来高は 976万株と過去1年間の平均421万株の2倍超に膨らみ、昨年12月7日以来の 高水準。

前期の連結純利益は従来予想を63%下回り、30億円に落ち込んだもよう。 ブルームバーク・データに登録された11人の予想中央値78億9800万円を大き く下回った。前の期の実績は214億8400万円。

同社は電子機器や自動車、情報通信向け電線を手がける。2006年10月に、 フォルクスワーゲン社との取引拡大を狙い、スペインで自動車向けワイヤハーネ スの製造を行うACE社を買収。為替のユーロ高が続くため、昨年から人件費の 安いルーマニアとメキシコに製造を移転してきたが、現地スタッフ主導の運営が うまくいかず、赤字が続いている。

同社のIR担当の湯谷彰氏によると、「現地からの報告を完全に信用してき たが、結果として赤字が雪だるま式に増えてしまった。経営再建に向け人材を派 遣しており、オペレーションは徐々に良くなっている」という。今期(09年3 月期)の上期は赤字が続くが、下期は黒字に転換する見通しとしている。

ゴールドマン・サックス証券の松橋郁夫アナリストは、「業績修正を嫌って 株価が短期的なネガティブ反応を示す可能性がある。しかし、今回の業績修正の 大半は、ACE社の損益改善を確実なものにするためのリストラ費用の計上であ り、必ずしも悲観的になる必要はないと考えている」(1日付のリポート)と指 摘した。

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