東京外為:円じり安、日本株堅調でリスク回避緩和-米指標を見極め

午前の東京外国為替市場では円がじり安に 展開。ドル・円相場は一時1ドル=100円ちょうど(ブルームバーグ・データ参 照、以下同じ)と、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた99円69銭から ドル高・円安が進んだ。日本銀行が朝方に発表した企業短期経済観測調査(短 観)の大幅悪化にもかかわらず、日本株が底堅い推移となっていることから、 リスク回避に伴う円買いは進めづらく、徐々に円売りに圧力がかかる格好とな った。

新光証券の林秀毅チーフエコノミストは、米景気の悪化に関しては予断を 許さない状況が続いているが、経済指標が市場の予想を上回ると、米株が好感 している面もあり、わずかながら市場のセンチメント改善がみられると指摘。 「株式市場が楽観的なムードになるなか、株高・円安という構図が戻っている 感がある」とした上で、この日の日中は日本株の上昇が続けば、ドル高・円安 方向を試す動きになりやすいとみている。

短観悪化も国内株が上昇

日銀はこの日の午前8時50分に3月調査の企業短期経済観測調査(短観) を発表。景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引い た大企業・製造業の業況判断指数(DI)はプラス11と、昨年12月の前回調 査時のプラス19から大幅に悪化し、市場予想の13も下回った。

ドル・円相場は短観の発表直後は日本株の動向を見極めたいとの姿勢が広 がっていたが、株価は反発して取引を開始。このため、リスク回避に伴う円買 い戻しの機運は醸成されず、株価の上昇幅拡大につれて、徐々に円売りに圧力 がかかる展開となった。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のヘッド・オブ・F Xストラテジー・ジャパンの山本雅文氏は、短観の悪化はある程度織り込まれ ていたとしたうえで、前日に米株が上昇していたこともあり、日本株は下げる 雰囲気でもなく、円の方向感が生じにくい結果になったと説明している。

米ISMに注目

シカゴ購買部協会が3月31日に発表した3月のシカゴ地区の製造業景況指 数(季節調整済み)は48.2と、前月の44.5から上昇。ブルームバーグ・ニュ ースが実施したエコノミスト調査の予想中央値46.0も上回った。

前日の米金融市場では、市場を上回る同指標の結果を好感して株価が上昇。 半面、引き続き製造業活動の拡大と縮小の境目を示す50を割り込んでいること から、債券は買われ、10年債の利回りは4年半ぶりの低水準に接近しており、 ドルに強気の見方が醸成されにくい面も残る。

中央三井信託銀行総合資金部の北倉克憲主席調査役は、ドル安地合いのな かで、週内に発表される重要な米経済指標に焦点が当たっているとした上で、 「景気の悪化が進んでいるのか、意外に踏み止まっている状況が確認されるの か、相場を決定付ける材料が不足している」と指摘する。

そうしたなか、この日の米国時間には、供給管理協会(ISM)が3月の 製造業景気指数を発表する。RBSの山本氏は、「市場では悪化が予想されて いるものの、きのうの良好なシカゴ景況感指数と同様に全国ベースでも若干の 改善になったとみている」として、米景気の下振れリスクは大きいものの、一 時的なドルの下支え要因になるとみている。

また、みずほコーポレート銀行国際為替部の田中義久調査役は、本日から 期初ということで、新たな材料探しになってくるとした上で、「米国の指標に ついては、悪い材料を織り込んでドル売りが進むなか、余程悪い数字がなけれ ば一段の売りは続きにくい」と指摘。ドルの下値が限定されるなか、「100円台 での戻りめどが意識されるが、新年度入り後の新たなドル売り水準も見極めた い」としている。

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