三越伊勢丹HD株の初値は1167円に、国内最大の百貨店が誕生(2)

百貨店の三越と伊勢丹の経営統合で新たに設 立した持ち株会社「三越伊勢丹ホールディングス」が1日、東京証券取引所第1 部に上場した。初値は1167円で、基準値段の1147円に対して1.7%高。その後 1205円まで上げ幅を拡大する場面が見られた。2日付で日経平均株価に採用さ れることもあり、株価指数への連動を目指すファンドなど機関投資家資金の買い 需要を見込む動きも出やすくなっている。

新会社の売上高は1兆5000億円を超え、国内百貨店最大となるが、消費低 迷など事業環境は厳しさを増している。富裕層を優良顧客に持つ三越とファッシ ョン衣料に強い伊勢丹は、品ぞろえや客層で補完関係がある。両社の販売戦略を 融合して統合効果を早期に発揮し、競争を勝ち抜く方針だ。

2009年3月期(今期)の連結業績予想は、純利益が330億円、売上高が1 兆5400億円、営業利益が340億円、経常利益が470億円となる見通し。「負の のれん代」が700億円発生し、5年かけて償却する予定で、今期予想には営業外 収益として償却額140億円を織り込む。配当は、09年3月末時点の株主に対し、 1株当たり10円の普通配当および同4円の特別配当の計14円を予定する。

岡三証券の鳥濱伸八アナリストは、今期の業績計画について「かなり保守的 な数字。厳しく見ているのだろう」と指摘した。その上で、「三越の伊勢丹効果 がいつごろどの程度出るのかに注目している。早くても今秋ごろか。衣料を中心 に、三越の販売をどれだけ立て直せるかが統合成功のカギ」(同氏)と見る。

伊勢丹主導で統合作業進む

三越、伊勢丹の店名はそれぞれ残し、店頭では共同企画商品の販売などを4 月から始めるが、統合作業は伊勢丹主導で進む。三越の執行役員に伊勢丹から商 品政策(MD)の経験が長い2人が送り込まれた半面、三越から伊勢丹への役員 級派遣はなかった。

持ち株会社内には三越、伊勢丹それぞれの店舗運営や改装計画など営業戦略 を一括して立案する本部を設け、伊勢丹出身者中心に同本部を率いる。伊勢丹の 売り場作りのノウハウを活用し、三越の銀座店増床や大阪店出店も同本部が進め る意向。本社所在地も東京・銀座ながら、本社機能は伊勢丹新宿店がある東京・ 新宿に置く。統合6年目の2013年度には、連結営業利益750億円を目指す。

統合が成功するためには、三越の業績回復が大きな課題となりそうだ。三越 は08年2月期の連結業績予想を2度にわたって下方修正しており、前途多難。 日本橋本店(東京・中央)や名古屋栄店(名古屋市)といった旗艦店での衣料品 販売が振るわず、高額商品も落ち込んだ。武蔵村山店(東京・武蔵村山市)や名 取店(宮城県名取市)の郊外型小型店舗での売り上げも計画を下回っており、特 別損失を計上。純利益は前の期比67%減の43億円となる見通し。

統合に伴い、三越株と伊勢丹株は3月26日付で上場廃止となった。1日午 後3時から新会社発足に伴う記者会見を予定している。

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