JR東:10年度の営業利益5180億円、投資3年で1.4兆円-新計画(3)

北海道を除く関東以北で鉄道事業を行う 東日本旅客鉄道(JR東日本)は31日、2010年度の経営目標値などを盛り込 んだ「グループ経営ビジョン2020」を発表した。10年度に連結の営業収益 2兆7810億円、営業利益5180億円(07年度見込み4360億円)に引き上げる。

また、連結配当性向30%を目標に配当を段階的に引き上げる。3年間の連 結の設備投資額は1兆4000億円。さらに、17年度には連結の営業収益3兆 1000億円、営業利益6700億円を目指す。

鉄道は新幹線など中心、運輸以外の収入は4割に

新計画は今後のあるべき経営の姿を描いた。人口が減少しても成長持続が 目標で、鉄道事業では東京圏と新幹線に経営資源を集中。また、新宿駅南口ビ ルの開発推進や駅構内の流通施設「駅ナカ」拡充などで17年度までに運輸業 以外の営業収益を全体の4割程度まで引き上げる。

04年の政府・与党申し合わせで決まった整備新幹線、東北新幹線の八戸- 新青森ルート82キロは10年度末に完成予定だが、これに高速タイプの新型車 両「E5系」を導入。時速300キロ運転を実現させ、東京-新青森間を3時間 10分程度で結ぶ。12年度には国内最高時速の320キロ運転を開始し、東京- 新青森間を最短3時間5分程度に短縮する。

政府・与党の申し合わせ通りなら、14年度には長野-金沢間、15年度に は新青森-新函館間の新幹線も開業予定。与党などが整備新幹線の整備費の一 部をJRに負担させようとしているのに対し、会見した清野智社長は応じられ ないとの考えをあらためて示した。国などが完成させた整備新幹線の路線のJ R貸付料を整備前に前倒しでJRに負担させることについて、清野社長は以前 から応じられないとの姿勢で「その考え方は今も変わっていない」と強調した。

一方、新幹線などを中心にした鉄道技術の海外輸出を今後は事業として積 極的に展開していく。欧州勢はアジアなどに進出、自社の鉄道企画を広め、日 本勢を締め出そうとしている。JR東日本では技術移転を本格的に推進し、巻 き返しを図る。これまではコンサルタントとして中国新幹線などにアドバイス する程度だったが、清野社長は技術移転について「どの程度までできるか本気 になって考えたい」と述べた。社内には推進体制を立ち上げているという。

東北縦貫線の貫通で品川駅周辺の再開発も

在来線では、5月から工事に着手すると26日に発表した東北縦貫線を推 進。2013年度の完成を目標に上野が終点の宇都宮・高崎・常磐線を東京駅まで 延伸し、東海道線と相互に乗り入れる。実現すれば、東海道線車両の待機のた めに利用していた田町-品川駅間の軌道上にある広大な品川車両基地が将来必 要なくなる。車両基地が不動産事業に転用できるため、今回の経営ビジョンで は今後「品川駅周辺で大規模な開発の可能性を生み出していく」とし、関係自 治体などと協議し、街づくり推進を表明している。

JR東日本の株価終値は前週末比3000円(0.4%)高の82万9000円。

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