日本株(終了)大幅反落、米消費警戒で輸出や市況関連に売り-年度末

2007年度の売買最終日となる東京株式相 場は午後の取引で下げ幅を拡大し、大幅反落となった。米国の消費低調を受け た世界景気の不透明感の広がりや、アジア株安が嫌気された。トヨタ自動車が 約2週間ぶりに5000円割れとなり、みずほフィナンシャルグループは終値で 約4年ぶりの安値水準。三井物産や丸紅など商品市況関連株、鉄鋼株などの下 げもきつかった。

中央三井アセットマネジメントの寺岡直輝運用部長は、「米国の実体経済 はまだ悪くなる過程にあり、場合によれば4-6月期まで厳しい指標が出やす いだろう」と指摘した。あすからの新年度の株価見通しについては、前半は厳 しいとしながらも、「米国での減税や利下げの累積効果から夏場以降には回復 期待が高まりそうだ」(同氏)と見ている。

日経平均株価の終値は前週末比294円93銭(2.3%)安の1万2525円54 銭、TOPIXは30.85ポイント(2.5%)安の1212.96。東証1部の売買高は 概算で18億3936万株、売買代金は同2兆1371億円。値上がり銘柄数は305、 値下がり銘柄数は1359。

東証業種別33指数の騰落状況では、保険と水産・農林を除く31業種が下 げた。下落寄与度が大きいのは、電気機器、輸送用機器、銀行、鉄鋼、情報・ 通信、卸売、電気・ガスなど。

07年度締めくくり、時価総額減少は最大規模

07年度相場を締めくくるこの日は、過去1年間を象徴するかのような相場 展開となった。午前は米国景気への警戒が先行し、午後にはアジア株安におび える格好で、お化粧買い期待が高まった先週末の上昇分を帳消しにした。日経 平均の終値は07年3月末(1万7287円)に比べ、4762円(28%)安となった。 中央三井アセットの寺岡氏によると、「外需頼みの経済構造だけに、円高と世 界経済の減速が響いた1年だった」という。

年度比較すると、東証1部の時価総額減少額は159兆4817億円と過去最 大。東証3市場(1、2部、マザーズ)の年度末時価総額合計は396兆75億 円で、前年度末比で163兆3776億円(29%)減少した。92年3月末(91年 度)の118兆8081億円、01年3月末(00年度)の108兆1968億円などバブ ル経済崩壊、ITバブル崩壊時を抜いて過去最大だった。

先週末の米国では、米百貨店JCペニーが2-4月期の既存店売上高が減 少するとの見通しを示したほか、米商務省が発表した2月の個人消費支出(P CE)は前月比0.1%増と、ここ1年あまりで最も伸び率が鈍化。また、UB Sなど金融機関の追加損失や資本不足に関する報道も、「来週の米銀行決算を 見ないうちには株価の本格反発は望めないと、投資家心理を悪化させる要因に なっている」(大和総研の成瀬順也シニアストラテジスト)。

4月1日に3月ISM製造業景況指数など、今週は重要指標が相次ぐ。 「先行系やサーベイ系の指数も悪化が顕著となっているところを見ると、今後 あまり良くないものが出てくるのは止むを得ない」と、三菱UFJ投信運用戦 略部の石金淳シニアストラテジストは嘆く。また、世界経済をけん引してきた 中国などアジア株安も、「引き締めによる中国の景気先行きへの不安感が高ま ることで買いを入れづらくなる」(中央三井アセットの寺岡氏)とされた。

取引開始前に発表された国内の2月鉱工業生産はブルームバーグの事前調 査こそ上回ったが、2カ月連続の低下となって買い材料視はされなかった。業 種別では電子部品・デバイス工業、パルプ・紙・紙加工品工業、輸送機械工業 などが全体の生産の押し下げに大きく寄与。輸出減速懸念から、4月の生産計 画は弱めだった。

市況関連株の下げきつい

輸出や金融中心に幅広い業種が下げる中、業種別では特に世界景気に敏感 な市況関連株の下落率が大きくなった。鉱業が東証1部業種別下落率1位とな り、鉄鋼が同2位、非鉄金属が同5位となった。

28日のニューヨーク原油先物相場は前日比1.8%安の1バレル=105.62ド ルと大幅反落。イラク南部のバスラ輸出ターミナルへの石油輸送が再開された ことで、供給不安への過度の警戒が和らいだ。「世界景気が悪化する中でも上 昇していた商品市況は、ついに天井を打った感触が出ている」(みずほインベ スターズ証券投資情報部の稲泉雄朗部長)という。

あすから新年度入りということで、稲泉氏は「自動車や鉄鋼、非鉄金属な ど来期減益が予想される代表業種に売りが膨らんでいる」とも見ていた。輸送 用機器は、東証1部の業種別下落率で4位。

丸紅が急落、エルピーダは高い

個別では、元契約社員が医療コンサルティング会社の投資事業組合のため に保証書を偽造したことが発覚した丸紅が先週末比6.6%安と急落。ゴールド マン・サックス証券が格下げしたセイコーエプソン、09年2月期の営業利益減 益を見込む乃村工芸社も大きく売られた。有望新薬と位置付けていた高脂血症 治療薬「TAK-475」の開発中止を決定した武田薬品工業は、約2週間ぶ りの5000円割れ。

半面、坂本幸雄最高経営責任者がブルームバーグ・テレビジョンで、パソ コンメーカーとの相対取引交渉で4月からDRAMの20%値上げを求める方針 を明らかにしたエルピーダメモリは高い。増益基調の継続期待が高まったアサ ヒビールは10年3カ月ぶりの高値となった。風力発電機を海外に販売すると 一部で伝えられた駒井鉄工、第1四半期業績が好調だった不二越、中国の消費 拡大の恩恵を受けると注目されたピジョンも、それぞれ急伸した。

新興3市場も安い

国内の新興3市場も安い。ジャスダック指数の終値は前週末比0.32ポイ ント(0.5%)安の64.52と反落した。06年度末との比較では、下落率は24% と日経平均よりやや小幅にとどまった。このほか、東証マザーズ指数は9.47 ポイント(1.5%)安の620.90と反落し、大証ヘラクレス指数は8.28ポイン ト(0.9%)安の957.30と4日続落した。

子会社による保証書偽造が表面化したLTTバイオファーマ、偽造保証書 に関与している可能性がある投資事業組合への出資事実を明らかにしたフィン テックグローバルが、ともにストップ安比例配分となった。半面、末しょう性 血管疾患治療薬として、HGF遺伝子治療薬の国内での承認申請したことが好 感されたアンジェス・エムジーはストップ高。カシオによる完全子会社化が評 価されたカシオマイクロニクスはストップ高比例配分となった。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

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