債券は軟調、日銀短観や10年入札控えヘッジ売り―超長期債安い(終了)

債券相場は軟調(利回りは上昇)。前週末 の米国市場で、株安・債券高となった地合いを引き継ぎ、買い先行で始まったも のの、あすの日銀短観(企業短期経済観測調査)3月調査の発表や10年債入札 を控えて、警戒感が強まり、大引けにかけてヘッジ売りや調整売りに値を崩した。 現物市場では超長期債を中心に売りが膨らんだ。

三菱UFJ証券金融市場部戦略商品課長の福谷歳之氏は、「引けにかけて期 末の調整売りが出た。期初の益出しの売りも見込まれる。あすの入札に警戒感が あるが、10年債であれば買う向きはいるだろう。超長期の方が、流動性が低く、 安心して買える状況ではない。価格変動率の高い荒れた相場が続く」と述べた。

東京先物市場で中心限月6月物は、前週末比4銭高い140円71銭で寄り付 いた。その後は、日経平均株価が下げ幅を拡大したことを受けて、141円台を回 復、午前9時35分ごろに日中高値141円13銭まで上昇し、今月26日以来の高 値をつけた。午後に入って株価が下げ渋ると高値警戒感から売り優勢となり、一 時は140円50銭まで下落。結局は15銭安の140円52銭で引けた。

中心限月の終値は、前年度末終値(134円15銭)比で6円37銭の値上がり となり、2年連続上昇となった。

T&Dアセットマネジメントのファンドマネジャー、竹田竜彦氏は、「株価 が底値から若干巻き返したことで、債券は売りが優勢となった。10年金利が低 過ぎたことを市場は嫌ったようだ。あすの10年債入札でクーポン(表面利率) の1.2%を避けたいという意向も働いた」と説明した。

また、「あす10年債入札を迎えるためにヘッジ売りが出たことで、相場は 下げに転じた」(三菱UFJ証券チーフ債券ストラテジストの石井純氏)との声 も聞かれた。

日経平均株価は大幅反落。一時350円超の下げ幅となり、節目の1万2500 円を下回る場面もあった。終値は、前週末比294円93銭安の1万2525円54銭。

期末株価でみた東証3市場の時価総額は、この1年間で約164兆円の減少と なり、「年度ベースで過去最大の下落金額」(第一生命経済研究所主席エコノミ ストの熊野英生氏)になる計算。

新発10年債利回りは1.275%、超長期債に売り

現物債市場で、新発10年物の290回債利回りは、前週末比3.5ベーシスポ イント(bp)低い1.235%で取引開始。その後は徐々に水準を切り上げ、午後3時 過ぎは0.5bp高い1.275%で推移している。前年度末の終値は1.65%だった。

また超長期債が下落。新発20年債は2.5bp高い2.075%、新発30年債は

3.5bp高い2.378で推移している。

大和住銀投信投資顧問国内債券運用第2グループリーダーの伊藤一弥氏によ ると、「現物には商いがなく、先物だけの動き。株価が下げ渋ると先物に売りが 出た。前週まで戻っていた超長期債も売られている。銀行勢などが上昇を見込ん で買っていたものを外す動きがあったようだ」という。

朝方発表された2月の鉱工業生産指数は、前月比1.2%低下と、2カ月連続 低下となったが、市場予想(同2.0%低下)は上回った。

三井住友アセットマネジメントのチーフエコノミスト、宅森昭吉氏は、予測 指数を基にすれば、1-3月期の生産は前期比1.9%低下になると試算。5、6 月分を前月比ゼロで延長した場合、4-6月期は前期比0.1%低下と推計してい る。

午後2時に発表された2月の新設住宅着工戸数は、前年同月比5.0%減の8 万2962戸となり、減少幅は5カ月連続で縮小した。年率換算では115万戸。市 場予想は前年比1.0%減少だった。「住宅投資は1-3月期の国内総生産(GD P)では下げ止まりの可能性」(カリヨン証券チーフエコノミストの加藤進氏) が見込まれている。

ブルームバーグ・ニュース予想調査では、日銀短観3月調査の業況判断DI は、大企業・製造業がプラス13、大企業・非製造業がプラス12と、いずれも昨 年12月の前回調査の実績(プラス19、プラス16)から大幅な悪化が見込まれて いる。

あす10年債入札、クーポンは1.3%に引き下げか

財務省は、あす10年債入札を実施する予定。クーポンは前回3月4日入札 の290回3月債より0.1ポイント低い1.3%となる可能性が高いとみられている。 発行額は前回債と同じ1兆9000億円程度。

市場では、「クーポンが仮に1.2%でも1.3%でもまずまず無難な結果に終 わるとみている。日銀総裁が不在の中で利上げを行うことは考えにくいうえ、期 初に入り需要が増えるとみるからだ」(竹田氏)、「結果はよくて無難。テール (最低と平均落札価格との差)は流れる可能性が高い。期初初日ということで、 様子見する投資も多いだろう」(ABNアムロ証券チーフ債券ストラテジストの 市川達夫氏)などの予想が出ていた。

米10年債が上昇-個人消費支出鈍化、インフレ指数下振れ

前週末28日の米国債市場では、10年債相場が上昇した。米個人消費支出 (PCE)が鈍化し、インフレ指数も予想を下回ったことから堅調となった。

一方、米株式相場は続落。百貨店JCペニーが軟調な売り上げを予想してい るほか、追加評価損の計上で銀行の資金力が危うくなるとの懸念が強まったこと が売りを誘った。

(債券価格)                            前週末比       利回り
長期国債先物6月物         140.52       -0.15         1.386%
売買高(億円)             36038
10年物290回債            101.10               1.275%(+0.005)

--共同取材:宋泰允 Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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