東京外為:円下落、年度末絡みの需給で一時100円台―仲値後は様子見

午前の東京外国為替市場では、円が下落。 年度末に絡んだ円売り需要を背景に、対ドルでは一時、1ドル=100円台前半と 前週末のニューヨーク時間遅くに付けた99円23銭からは1円近く円安が進ん だ。ただ、4月入り後の相場展開が注目される中、売り一巡後は様子見姿勢が 広がり、円はもみ合う格好となっている。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の佐原満上席調査役は、値動きの通り、午 前10時の仲値はどこの銀行もドルが不足した状態だったもようで、「ドルは一 直線に上がって、仲値がほぼ高値になってしまった」と説明。ただ、「その後 は株が下がっていることもあり、ドルは少し息切れしているような感じで高値 より若干値を落としてきている」と解説する。

一方で、佐原氏は、「例年は期初に入ると、特に日本の投資家から外もの への投資が出てくると言われているが、期末の投信の設定などを見ても、基本 的に小粒に終わっており、日本の投資家は委縮している」といい、米経済指標 や来週末の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)など多くのイベントを控 え、新年度に入っても投資家は様子見姿勢を続ける可能性が高いとみている。

期末絡みの円売り

週明け早朝の取引では、米国株の軟調推移を背景に円が買われた前週末の 買いが市場の流れを受け継ぎ、円買いが先行。朝方発表されたニュージーラン ドの経済指標が予想を下回ったことから、対ニュージーランドでも円が買われ、 ドル・円は1ドル=99円台前半から一時、98円82銭(ブルームバーグ・デー タ参照、以下同じ)まで円高に振れた。

しかし、その後は年度末に絡んだ円売りに相場は反転。公表仲値が設定さ れる午前10時にかけては一時、100円19銭まで円売りが進み、売り一巡後は 99円台後半から100円ちょうど付近でのもみ合いに転じた。

ユーロ・円も朝方にいったん1ユーロ=156円06銭まで円が買われた後、 仲値にかけては一時、158円14銭まで円安に振れた。

佐原氏は、「期末なので、輸出企業や輸入企業の需給は当然入るとして、 それ以外に期末特有のヘッジの買戻しやM&A(合併・買収)に絡むフローな どが結構、多い」と指摘する。一方で、「ヘッジファンドも非常に静かだし、 トレーディング勘定のお客もほとんど見えないことから、午後は静かな取引に なる」と予想している。

一方、朝方発表された2月の日本の鉱工業生産指数は前月比1.2%低下と事 前予想(同2%低下)を上回ったが、年度末で需給中心の相場展開となる中、 市場の反応は限られた。

米イベントが目白押し

米国では今週、この日発表される3月のシカゴ購買部協会景気指数を皮切 りに、ISM(米供給管理協会)の景況指数、雇用統計と主要経済指標の発表 が相次ぐ。また、31日にはポールソン米財務長官が金融市場について講演を行 うほか、2日にはバーナンキFRB議長が米上下両院合同経済委員会(JEC) で証言する予定で、重要イベントが目白押しだ。

さらに、4月は11日にワシントンでG7が開かれるほか、欧米金融機関の 決算発表も予定されており、米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住 宅ローン問題に端を発した信用収縮問題は1つの山場を迎えることになる。

一方、国内では1日に日銀短観の公表があり、予想以上に弱い内容となれ ば、日銀の利下げ観測が台頭する可能性がある半面、日本株が下落すれば、投 資家のリスク許容度の低下につながり、円の買い戻しを誘発する可能性もある。

また、欧州では31日に2月のユーロ圏マネーサプライ(M3)や3月のユ ーロ圏消費者物価指数が発表される。予想を上回る伸びとなれば、欧州中央銀 行(ECB)の早期利下げ観測が一段と後退し、欧米金利見通し格差からユー ロ買い・ドル売りが進む展開も予想される。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の湯本健一ヴァイスプレジデン トは、「今週は世界的にずいぶん指標が出るので、これを材料としてマーケッ トのバイアスが決まってくる」と予想。「ポジション的にも軽くなっており、 さあこれからというところなので、マーケットは指標の強弱にダイレクトに反 応する」とした上で、「地合いとしてもともとドル売りなので、それがどの程 度行くかということにはなるが、ドルの上値の重たい状況は続く」とみている。

ユーロ・ドルは1ユーロ=1.5800ドル前後で週明け早朝の取引を開始する と、いったん1.58ドル前半までユーロ買いが進んだが、その後1.5760ドルま でユーロが反落。しかし、下値は堅く、正午過ぎには1.5817ドルまでユーロが 上昇している。

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