エルピーダ:パソコン用メモリー20%値上げへ-市況底打ちと判断(2)

DRAMメーカー国内最大手、エルピーダ メモリの坂本幸雄最高経営責任者(CEO)は、パソコン(PC)メーカーとの 相対取引交渉で4月からDRAMの20%値上げを求める方針を明らかにした。 1年以上続いたメモリー不況は需要回復で底を打ったと判断した。値上げが実現 すれば他メーカーに影響する可能性もある。

坂本氏が28日、ブルームバーグ・テレビジョンのインタビューで語った。 同氏は「この1週間ほど需要が良くなっているとはっきり感じ始めた」と指摘。 3月上旬以降、ノンブランドPC用DRAMのスポット価格は容量512メガビッ ト品1個当たり83-85セントと横ばいで推移しており、同氏は「この1カ月ほ ど安値でぴたっと張り付き底打ちしている。これ以上下がることはない」と述べ、 相対交渉で4月は前半と後半で10%ずつの値上げを求めると語った。

DRAM不況は、米マイクロソフトの新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ ビスタ」向け需要を見込んだ供給過剰が背景。スポット価格は昨年12月に過去 最低を記録し、韓国ハイニックスや独キマンダ、米マイクロン・テクノロジー、 台湾勢など、サムスン電子を除く主要メーカーは07年度に大幅な赤字に陥り、 エルピーダも営業赤字に転落する見込み。アナリストの間には価格低迷が長引く との見方もある。

坂本氏は、DRAM需要はノートPC向けが「意外に強い」と述べ、「米国 では9月の新学期需要に向けて、記録容量3ギガバイトのノートPCの出荷が増 えるだろう」と、搭載メモリー容量が増えるとの見通しを示した。さらに、ハイ ニックスやキマンダ、台湾メーカーが生産調整に動き在庫調整がほぼ終了、供給 過剰は解消されつつあるとみている。坂本氏は「1ギガ品が2ドル以下ではどの メーカーも利益は出ない。そろそろ健全な姿に戻るべきだ」と主張した。

JPモルガン証券の和泉美治氏は、「例年4-5月は価格変動が起こりやす いため、今後1、2週間の価格動向を注視したい。期末の在庫処分売りも一巡し ているので、価格は改善方向に向かうのではないか」とみている。

今期営業赤字200億円の見方

価格情報などを提供する台湾のDRAMエクスチェンジ社によると、ノンブ ランドPC用の容量512メガビット品の価格は1年間で7分の1に低下し昨年 12月に75セントに低下。1ギガ品も11月に1ドル57セントまで下がった。

同社は業績予想を公表していないが、ブルームバーグ・データによると、08 年3月期のアナリスト17人の予想平均値は、売上高が前期比16%減の4138億 円、営業赤字は117億円(前期は過去最高の684億円の黒字)。三菱UFJ証券 は24日付リポートで売上高4000億円、営業赤字200億円と予想している。これ について坂本氏は「当たらずとも遠からず。だいたいそんなところ」と述べた。

坂本氏は、来期の業績はDRAM値上げなどで黒字に転換できるとの見通し を示した。JPモルガンの和泉氏は「4-6月期までは赤字が続くが、7-9月 期以降は黒字転換できるとみている。エルピーダは微細化とコスト競争力で他社 に先行するなど相対的に有利」と述べた。

市況予想

DRAMエクスチェンジのロジャー・チュー氏は、DRAM価格について 「まだ下押し圧力はかなりあり、メーカーによる値下げは続くだろう」と指摘、 4月は価格が5-10%低下するとみている。UBS証券やマッコリー証券、CL SA証券も今月のリポートでDRAM価格は年後半まで反発しないとの見方を示 し、ゴールドマン・サックス証券も23日付リポートで、供給過剰で年内は価格 回復の可能性は低いと指摘している。

一方、エルピーダの提携先である力晶半導体(パワーチップ、PSC)のブ ライアン・シエー社長は2月26日、ブルームバーグ・ニュースのインタビュー で、DRAM価格はメーカーの生産調整を受けて4月から上昇、1ギガ品は7月 にも3.5ドルに上昇するとの見方を明らかにしている。クレディ・スイス証券の 前川英之アナリストは11日付のリポートで、1ギガ品の価格は4月に4ドルに 上昇する可能性があると指摘。ウリ投資証券のパク・ヨン氏も21日付のリポー トで、DRAM価格は4-6月期に上昇に転じるとの見方を示した。

31日のエルピーダ株はDRAM値上げの方針を受けて一時、前週末比8.9% 高の3540円まで上昇した。午前の終値は同2.2%高の3320円で、1年前に比べ ると3割以上安い水準。

--共同取材 小笹俊一 Editor:Kenzo Taniai,Yoshito Okubo

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