債券は上昇、米債高や株価急反落で買い優勢-先物は141円台回復(2)

債券相場は上昇(利回りは低下)。前日の米 国市場で株安・債券高となった地合いを引き継いだほか、日経平均株価も大幅 反落したことで買い優勢となった。月末の年限長期化の買いも相場を押し上げ たもようで、先物6月物は節目の141円台を回復した。新発10年債利回りは一 時1.235%に下げた。

AIG投信投資顧問ポートフォリオマネジャーの横山英士氏は、「きょうが 月末日ということで保有年限長期化の買いへの期待もある。鉱工業生産指数が 市場予想を上回ったにもかかわらず、日経平均株価が大きく下落していること が影響した」と述べた。

東京先物市場で中心限月6月物は、前週末比4銭高い140円71銭で寄り付 いた。いったん140円69銭に上げ幅を縮めたが、直後に買いが膨らむと、一時 は46銭高の141円13銭まで上昇し、26日以来の高値をつけた。その後は141 円ちょうどを挟んで推移し、結局は35銭高い141円2銭で午前の取引を終えた。

DIAMアセットマネジメントのエグゼクティブファンドマネジャー、山 崎信人氏は、米債高・国内株安の影響を受けたと指摘したうえで、「売買高が少 ないため、ちょっとした買いが入ると相場が大きく上昇する。決算期末という ことで売りポジション(持ち高)を整理する動きがでたようだ。月末に保有年 限を長期化させる買いも入っていると思う」と説明した。

日経平均は下落。一時は200円超の下げ幅となり、前週末比192円64銭安 の1万2627円83銭で引けた。

損保ジャパン・グローバル運用部の砺波政明グループリーダーは、「年度末 で取引は手控え気味だが、あすに日銀短観(企業短期経済観測調査)発表を控 えてしっかりした展開。年度明け後は、期初の買いというイメージも強い」と 述べた。

1日発表の日銀短観(3月調査)について、ブルームバーグ・ニュースが 民間調査機関20社を対象にまとめた予想調査(中央値)では、3月短観の業況 判断DIは、大企業・製造業がプラス13、大企業・非製造業がプラス12と、い ずれも昨年12月の前回調査の実績(プラス19、プラス16)から大幅な悪化が 見込まれている。

大和総研の奥原健夫債券ストラテジストは、短観に関して、円高、株安傾 向を背景に企業マインドが悪化していると指摘したうえで、「数字は悪いと思う し、景気先行きの減速は間違いなさそう。短期的に金利は低下、株安のバイア スがかかりやすい。4月に10年金利は1.2%割れもあり得る」とみている。

一方、この日の朝方に発表された2月の鉱工業生産指数は、前月比1.2%低 下と、2カ月連続のマイナスとなった。ブルームバーグ・ニュースが調査した市 場予想の中央値(同2.0%減少)に比べ減少幅は小さかった。

ABNアムロ証券シニアエコノミストの西岡純子氏は、「予想平均ほどの低 下にはいたらなかったが、振れをならしてみると、今年の第1四半期の生産が 調整局面にあるとの判断に変わりはない」と分析している。

新発10年債利回りは一時1.235%

現物債市場で新発10年債は、前週末比3.5ベーシスポイント(bp)低い

1.235%で取引を開始。その後は徐々に水準を切り上げ、2bp低い1.25%で午 前の取引を終了した。

中期債相場も堅調。新発5年債利回りは3.5bp低い0.71%、新発2年債利 回りは0.5bp低い0.57%に下げている。

米10年債が上昇-個人消費支出鈍化、インフレ指数下振れ

先週末28日の米国債市場では10年債相場が上昇。米個人消費支出(PC E)が鈍化し、インフレ指数も予想を下回ったことから堅調となった。

キャンター・フィッツジェラルドによると、10年債利回りは前日比9bp低 下の3.44%程度。2年債利回りは前日比ほぼ変わらずの1.62%。

米商務省が発表した2月の個人消費支出は前月比で0.1%増加と、ここ1年 余りで最も遅いペースに鈍化した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト予想中央値(0.1%増)と一致した。前月は0.4%増だった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目するインフレ指数である食品と エネルギーを除くPCEコア価格指数は前月比0.1%上昇、前年同月比では2% 上昇した。エコノミスト予想は前年比2.1%上昇、1月の速報値は前年比2.2% 上昇だった。

一方、米株式相場は続落。百貨店JCペニーが軟調な売り上げを予想して いるほか、追加評価損の計上で銀行の資金力が危うくなるとの懸念が強まった ことが売りを誘った。

(債券価格)                           前週末比       利回り
長期国債先物6月物          141.02     +0.35        1.345%
売買高(億円)              14624
10年物290回債             101.33               1.25%(-0.02)

--共同取材:池田祐美 Yumi Teso Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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