金融機関のM&A手数料収入、1-3月は35%減-悪化に歯止めなし

金融機関がM&A(企業の合併・買収)助言 で稼いだ今年1-3月期の手数料は前年同期から35%減少した。案件は昨年に はその規模が過去最高に達していた。

フリーマン(ニューヨーク)のアナリストらがまとめたデータによれば、同 四半期のM&A助言手数料は約87億ドル(約8690億円)と、前年同期の134 億ドルから減少。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスやバンク・オブ・ア メリカ(BOA)の幹部は昨年12月時点で、M&A案件が今年は約20%減少す ると予想していた。

投資顧問会社エバーコア・パートナーズのエドゥアルド・メストレ副会長は 「3カ月前には最悪の時期が終わり、ゆっくりとではあるが状況は良くなると思 っていたが、悪くなるばかりだ」と語る。同氏はかつて、シティグループで投資 銀行部門責任者を務めていた。

米国ではサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン市場の崩壊で景 気が失速する恐れがあり、企業買収が抑制されている。M&A助言で世界最大手、 米ゴールドマン・サックス・グループが2007年12月-08年2月(第1四半期) に得た助言手数料は前期から47%減少した。

発表されたM&A案件も金額ベースで今年1-3月期は6562億ドルと、前 年同期の9710億ドルを下回っている(ブルームバーグ調べ)。M&Aの規模は1 月と3月、04年11月以来で月間最小となり、資金調達コストの増大でレバレッ ジド・バイアウト(LBO、買収先の資産を担保に資金調達する買収)も1-3 月期は600億ドルと、1年前の2010億ドルから減少した。

クリア・チャンネル

昨年は4兆ドルと、M&Aが発表ベースで過去最高となり、LBOも前代未 聞の7480億ドルの規模に達した(ブルームバーグ調べ)。米法律事務所サリバ ン・アンド・クロムウェルのパートナー、フランク・アキラ氏は、「07年前半は 非常に異例だった」と指摘する。「プライベートエクイティ(PE、未公開株) 投資各社は抜け目がない。信用コストが安かったので、それに乗った格好だった」 という。

それが現在では、発表済みのM&A案件も実現が危うくなっている。米ラジ オ局運営最大手クリア・チャンネル・コミュニケーションズは28日、195億ド ル規模でのPE投資会社への身売り完了が困難になったと発表。金融機関が買収 資金の提供を取りやめたためだ。

フリーマンの予測によれば、M&A助言手数料を含む投資銀行の手数料収入 は今年、前年比7%減の904億ドルとなる見込み。

今年に入ってから発表された50億ドル超のM&A案件は11件で、昨年1- 3月期の29件を下回る。この減速傾向は終わりそうにない。マンハッタン大学 のチャールズ・ガイスト金融学教授は「景気見通しが暗いため、向こう6カ月間 にM&A案件が大きく上向くとは思わない」と語った。

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