2月コアCPIは1%上昇-ガソリン暫定税率めぐる不透明要素も(3)

(第10段落にコメントを追加します)

【記者:日高 正裕】

3月28日(ブルームバーグ):2月の全国の消費者物価指数(CPI)は、 生鮮食品を除くコア指数が前年比で5カ月連続プラスとなり、消費税率が引き上 げられた1997年度を除くと、94年5月以来13年9カ月ぶりに上昇率が1%の 大台に乗った。ガソリン価格や食料品など身近な商品の値上がりが続いており、 消費者マインドは悪化している。一方で、国会では4月以降のガソリンの暫定税 率の取り扱いが焦点になっており、CPIの先行きには不透明要素もある。

総務省が28日発表した2月の全国のコアCPIは前年同月比1.0%上昇、 3月の東京都区部のコアCPIは同0.6%上昇した。ブルームバーグ・ニュース の予想調査では、全国のコアCPIが同0.9%上昇、東京都区部のコアCPIは 同0.5%上昇が見込まれていた。前月の全国コアCPIは同0.8%上昇、東京都 区部コアCPIは同0.4%上昇だった。

ゴールドマン・サックス証券の村上尚己シニアエコノミストは「3月の東 京都区部コアCPIも市場予測を上回った。東京から判断すると、3月の全国コ アCPIはさらに加速する可能性が高い」と指摘。「悪化した労働市場の指標と ともに、消費者センチメントにマイナスの影響は続く」としている。

コアコアCPI

CPI総合指数は2月の全国が同1.0%上昇、3月の東京都区部は同0.6% 上昇した。前月はそれぞれ同0.7%上昇、同0.4%上昇だった。食料(酒類除 く)とエネルギーを除く米国型のコアCPI指数、いわゆる「コアコア指数」は 2月の全国が同0.1%下落、3月の東京都区部は同0.1%上昇だった。前月はい ずれも同0.1%下落だった。

12日発表された2月の全国消費動向調査(一般世帯)で、1年後の物価が 上昇するとの回答が86.5%と5カ月連続で調査開始(04年4月)以来の最高と なる一方、今後半年間の購買意欲を示す消費者態度指数は5カ月連続で低下し、 03年3月以来の低水準となった。ドイツ証券の松岡幹裕チーフエコノミストは 「消費者心理の大幅悪化は原油価格の上昇が寄与している可能性が高い」という。 ニューヨーク原油先物相場は1バレル=100ドル近辺で推移している。

日銀の須田美矢子審議委員は27日、宮崎市で講演し、「金融環境はグロー バルに緩和的な状態が続く上、引き続きインフレが上振れやすい環境である」と 指摘。「わが国でもインフレリスクが全くないわけではない」として、「今後と もインフレリスクに対する警戒は怠るべきではない」と述べた。

暫定税率めぐる不透明要素も

消費者物価の先行きには政治的な不透明要素もある。国会はガソリンなど にかかる暫定税率の4月以降の維持を盛り込んだ税制関連法案をめぐる与野党の 攻防がヤマ場を迎えている。ガソリン税の暫定税率は31日で期限が切れるため、 政治の混乱で暫定税率が失効すれば、4月1日以降、ガソリン価格が1リットル 当たり25.1円値下がる可能性もある。

UBS証券の大守隆チーフエコノミストは「民主党が参院の主導権を握る ねじれ国会の下、日銀総裁選びと08年度予算関連法案が絡み合って、国会審議 が難航するという政治混乱が続いている」と指摘。暫定税率が維持されれば、4 月のコアCPIは前年同月比1.2%上昇と予想しているが、「暫定税率が失効す れば、標準シナリオ比0.52ポイント押し下げる」と推計している。

ただ、政府はガソリン暫定税率の延長を4月末に衆院で再可決する方針を 示しており、ガソリン価格はいったん下がっても1カ月で元に戻ることになる。 アールビーエス証券の山崎衛チーフエコノミストは「4月のこのような歪みを別 にすれば、石油製品価格は高水準で推移する可能性が高い。小麦などの原材料の 値上がりが今後も食料品価格に反映される見込みであることを踏まえると、コア CPIは2008年央まで1%程度の上昇率となる」と予想している。

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