鳩山氏:日銀総裁、財務省出身者なら同意困難-自・民幹事長会談(5)

自民党の伊吹文明幹事長は28日午後、民 主党の鳩山由紀夫幹事長と国会内で会談し、日本銀行の総裁人事について協議 した。鳩山氏は「2度にわたって財務省トップだった人が総裁候補として提示 されたことで、新たな問題を引き起こした」と言明。その上で「財務省の方が 今回また総裁候補として提示されると、わたしどもとしても(同意するのに) 難しい部分がある」と伝えた。鳩山氏が同日夜、国会内での同党代議士会で明 らかにした。

また鳩山氏が会談後、国会内で記者団に明らかにしたところによると、鳩 山氏は伊吹氏との会談で、民主、共産、社民、国民新の野党4党を代表して、「財 務省出身だから駄目というわけではない。国際金融に詳しい資質が必要だ」と の要望も伝達した。

同時に「民主党内には『政府が提示した財務省出身者を2度、不同意とし たことをよく認識すべきだ』との意見がある」とも伝えたという。

「空席」早期解消で一致

鳩山氏によると、伊吹、鳩山両氏は会談で、20日からの総裁ポストが「空 席」となっていることについて「望ましいことではなく、できるだけ早期に決 めるべきだ」との認識で一致した。また鳩山氏は記者団に「自民、民主両党の 幹事長は立法府の立場であり、政府の人事に介入できないが、国会同意人事を 速やかに行うためのすり合わせを行った」と語った。

伊吹氏は同日午前、国会内での記者会見で、会談の目的について「民主党 がどのような日銀総裁像を持っているのかを聞いて、政府に報告したい」と述 べた。

民主党が財務省出身の日銀総裁候補に難色を示していることに対し、額賀 福志郎財務相は同日夜の記者会見で、見識、人物、国際金融の知識やマネジメ ント能力などさまざまな視点から人選を行うべきとした上で、「人材、人物本意 が第一だ」と否定的な見解を示した。

さらに「国際的な金融不安の中で日銀総裁のいすの空席はできるだけ早く 解消しなければならない」とも述べ、与野党間の調整を急ぐよう求めた。

4月8、9両日には日銀金融政策決定会合が開かれ、同月11日ごろには米 ワシントンで主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開催され、現状 のままなら白川方明日銀副総裁(総裁代行)が出席する公算が大きい。

民主党の小沢一郎代表は25日の記者会見で、「できれば総裁が決まったほ うがよいのは間違いない。国際社会で日本社会の特殊性が、あらためて馬鹿に されてはいけないから、できる限り総裁が行くのが望ましい」と述べ、G7ま でに日銀総裁の「空席」が解消されるべきだとの考えを示した。

伊吹氏も28日の会見で、「重要な国際会議がある。民主党の小沢代表も『空 席はまずい』という趣旨の発言をしており、それは常識的な判断だ」と言明。「政 府は2度のつらい思いをしているから、慎重に人選して、候補になる方にご迷 惑をかけないように考えるのではないか」と語った。

また民主党鳩山幹事長も21日の記者会見で、「空席のままあまり長く時間 を置くことは決して国益上よくない」と述べ、「4月7日までに新たな総裁が誕 生すべきだと考えている」と話している。

福田康夫内閣は、3月19日に任期満了で退任した日銀の福井俊彦前総裁の 後任人事について、3月7日に武藤敏郎日銀副総裁(当時)、18 日には田波耕 治国際協力銀行総裁といずれも財務次官経験者を国会に提示した。

しかし野党は、財務省と日銀の双方が天下り先となる「たすき掛け人事」 という実態があると指摘。民主党は「財政と金融の分離」を重視する観点から 武藤、田波両氏の総裁就任に反対した。その結果、武藤氏は12 日、田波氏は 19日、それぞれ参院本会議で、過半数を占める野党の反対多数で否決されて「不 同意」となっている。

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